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22、『鑑定』結果《番いの香り》
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一週間の禁欲生活も、残すところあと二日の夜。
オーディン様の弟、バルデルス神官様が不死身となった。
その祝いの宴が、グラズヘイムにて開かれている。
「うわ。オレってスッゲエ場違いじゃん」
なんせ祝いの席に集まっている人達は【神族】と俺の『鑑定』で出されているから。
ん? ロキさんは、神族じゃない?
「バルデルスのヤツをどうにかして殺して、ナンナを手に入れてやる……。ヒック」
ロキさんは酔ってる。だからって『殺して』お嫁さんであるナンナさんを『手に入れてやる』発言は不穏で聞き逃せない。
何物にも傷つける事が出来なくなったバルデルス様をどうやって殺すんだ?
「オーディン様に一応報告しておこう」
次の日俺は、ヴァルハラでオーディン様に、昨夜耳にしたロキさんの言葉を伝えてから、ゲリとフレキの散歩に行った。
そして帰ってからいつものようにみんなに世話をしてからオーディン様と会っている。
「カア~!」
「フギン?! これ、ミーミルさんの!! なんてモノを持って帰って来たんだよ~?!」
トールさんの鉄製の手袋の一件以来、オレへのお土産は、オーディン様の前で渡してくれるようにフギンに言い聞かせていた。
「リック、ギャルのツノがどうした? ミーミル伯父上の持ち物なのか?」
ギクッ! ヤバイ、どうしよう? コレって俺、バレたらどうなるんだ?!
「ふむ。丁度伯父上には色々と相談したい事がある。私からそのツノは返しておこう」
ノォ~! ギャラルホンがオーディン様の手にー!
「あ、あのオーディン様。オレがミーミルさんにお返ししますから。ほら、お詫びも言わないといけないですし」
「いや、フギンは私の渡鴉である。詫びならば私が言おう」
ダメェ~! オーディン様にお詫びなんてさせたら、ミーミルさんに怒られる!
どうするオレ?
「いえ、アウズンブラのミルクをお詫びに持って行きたいですから!」
「リック、ならばいっそのこと一緒に行く事にしよう」
あ。オレ、終わった。
オレはオーディン様のスレイプニル、グラニに乗せて貰っている。
もちろん一人で乗れるはずがない。
オレの後ろ、背中にはオーディン様が座っている。
後頭部に胸筋、雄っぱいが。
丁度、腰にはたくましい腕が。
オレの太腿はピッタリとグリップされている。
まさに『すっぽり』と抱き抱えられているんだ。
さっきからオーディン様の《香り》がしてムズムズする。
ずっとなんだかイイ匂いがして、落ち着かない。
いや、どうしてこうなった?!
「リック、イイ匂いがするが、香水か?《雄を惑わす香り》をつけるのは危険だから気を付けた方が良いぞ。だか、似合っているな。つけるなとは言えんほどに」
クンクンされてる?!
つけてないよ香水なんか!
コレ、オレの体臭ですから、クンクン嗅がないで!
なんだよ《雄を惑わす香り》って。オレの体臭はどんなだよ?!
「ひっ!」
「ああ、まあ、なんだ。あんまり良い香りがしてつい。嫌か?」
首筋を舐められた!
舐められるのが『嫌か?』だって?
オレの答えは『嫌じゃねえ』だ。ってオレはどうしちゃたんだよ?!
ああ!禁欲最終日だった!オレの竿、立つんじゃねえー!
「リック?やっぱり控えなさい。コレは危険だ」
オーディン様のナニが、オレの腰に!
デケエ。カテエ。
コレって危険なのはオレって事だよな?!
そりゃあ危ないわ!
でもオーディン様の《香り》も今、スゲエイイ匂いなんだけどな。
なんでだ?
「んげ!」
「どうした、リック?」
「ななな、なん、なんでも、有り、ません!」
「ん? そうか?」
オレの『鑑定』が勝手に仕事をしてしまった。
そして結果が《番いの香り》って出やがった!
番い? オーディン様の《香り》が《番いの香り》?
じゃあ、オーディン様ってオレの《番い》?!
オーディン様の弟、バルデルス神官様が不死身となった。
その祝いの宴が、グラズヘイムにて開かれている。
「うわ。オレってスッゲエ場違いじゃん」
なんせ祝いの席に集まっている人達は【神族】と俺の『鑑定』で出されているから。
ん? ロキさんは、神族じゃない?
「バルデルスのヤツをどうにかして殺して、ナンナを手に入れてやる……。ヒック」
ロキさんは酔ってる。だからって『殺して』お嫁さんであるナンナさんを『手に入れてやる』発言は不穏で聞き逃せない。
何物にも傷つける事が出来なくなったバルデルス様をどうやって殺すんだ?
「オーディン様に一応報告しておこう」
次の日俺は、ヴァルハラでオーディン様に、昨夜耳にしたロキさんの言葉を伝えてから、ゲリとフレキの散歩に行った。
そして帰ってからいつものようにみんなに世話をしてからオーディン様と会っている。
「カア~!」
「フギン?! これ、ミーミルさんの!! なんてモノを持って帰って来たんだよ~?!」
トールさんの鉄製の手袋の一件以来、オレへのお土産は、オーディン様の前で渡してくれるようにフギンに言い聞かせていた。
「リック、ギャルのツノがどうした? ミーミル伯父上の持ち物なのか?」
ギクッ! ヤバイ、どうしよう? コレって俺、バレたらどうなるんだ?!
「ふむ。丁度伯父上には色々と相談したい事がある。私からそのツノは返しておこう」
ノォ~! ギャラルホンがオーディン様の手にー!
「あ、あのオーディン様。オレがミーミルさんにお返ししますから。ほら、お詫びも言わないといけないですし」
「いや、フギンは私の渡鴉である。詫びならば私が言おう」
ダメェ~! オーディン様にお詫びなんてさせたら、ミーミルさんに怒られる!
どうするオレ?
「いえ、アウズンブラのミルクをお詫びに持って行きたいですから!」
「リック、ならばいっそのこと一緒に行く事にしよう」
あ。オレ、終わった。
オレはオーディン様のスレイプニル、グラニに乗せて貰っている。
もちろん一人で乗れるはずがない。
オレの後ろ、背中にはオーディン様が座っている。
後頭部に胸筋、雄っぱいが。
丁度、腰にはたくましい腕が。
オレの太腿はピッタリとグリップされている。
まさに『すっぽり』と抱き抱えられているんだ。
さっきからオーディン様の《香り》がしてムズムズする。
ずっとなんだかイイ匂いがして、落ち着かない。
いや、どうしてこうなった?!
「リック、イイ匂いがするが、香水か?《雄を惑わす香り》をつけるのは危険だから気を付けた方が良いぞ。だか、似合っているな。つけるなとは言えんほどに」
クンクンされてる?!
つけてないよ香水なんか!
コレ、オレの体臭ですから、クンクン嗅がないで!
なんだよ《雄を惑わす香り》って。オレの体臭はどんなだよ?!
「ひっ!」
「ああ、まあ、なんだ。あんまり良い香りがしてつい。嫌か?」
首筋を舐められた!
舐められるのが『嫌か?』だって?
オレの答えは『嫌じゃねえ』だ。ってオレはどうしちゃたんだよ?!
ああ!禁欲最終日だった!オレの竿、立つんじゃねえー!
「リック?やっぱり控えなさい。コレは危険だ」
オーディン様のナニが、オレの腰に!
デケエ。カテエ。
コレって危険なのはオレって事だよな?!
そりゃあ危ないわ!
でもオーディン様の《香り》も今、スゲエイイ匂いなんだけどな。
なんでだ?
「んげ!」
「どうした、リック?」
「ななな、なん、なんでも、有り、ません!」
「ん? そうか?」
オレの『鑑定』が勝手に仕事をしてしまった。
そして結果が《番いの香り》って出やがった!
番い? オーディン様の《香り》が《番いの香り》?
じゃあ、オーディン様ってオレの《番い》?!
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