君の小水が飲みたい

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16、仕事をする泉の水

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 ミーミルの泉でギャラルホンを使って水を飲んだ。
 結果、オレの《知恵》と《知識》がトンデモ向上を果してしまった。
 どうすんだよコレ?!
 それから、オレの《体液》関係のアレやコレ。
 《規格外》だとよ?
 何が? って言うか、おしっこにどんな規格があるんだよ?!
 結局分からねえんじゃねえか?
 《味究極の至高、魔力無限大、効果無限大》
 ほら、意味が分からねえ。
 《知る者ぞ知る上田 陸の聖水》
 もう小水じゃねえし!
 何だよ聖水って?!
 知る者ぞ知る? それって知らねえ奴にはバレてねえって意味で良いんだよな?!

「ハア~使えねえ。早く帰って寝よう。いらん知識と知恵じゃん。オーディン様に今朝の事、報告してお詫びしなきゃ」

 ん?! オーディン様……。
 主神? 
 うわっ! もういいよ! 考えるなオレ。
 ヤバイ!
 わあー! 頭がパンクするぅ~!

「ゼエ、ゼエ、ゼエ、ゼエ、ハア~。オーディン様ヤバイ」

「リックお帰り。どうした? えらく疲れているな?」

「ただいまヘイムダルさん。?!」

「ん? どうした? 何を驚いている?」

「あ、いえ、ななんでもありません! じゃ、失礼します!」

 ヘイムダルさんもヤベエ。
 百マイル先を見る。草の伸びるわずかな音も聞く。
 眠りを必要としない美しき《光の男神》……。
 美しき?
 おヒゲの熊さんじゃないのかよ?
 男神?
 この人も神様かよ?!
 未来が分かる。
 呼び名ケニングは《ロキの・・・

「わあー! もういいよ! どんだけ出てくんだよ?! こええわ!」

 ミーミルの泉、恐るべし。
 《知識》が駄々もれ。
 まさかこの調子で色々と出て来るんじゃ無いだろうな?!

「遅かったなリック。お帰り」

「ただいま戻りました。コモンさん」

 よかった。コモンさんは大丈夫だった。
 普通の人なんだろう。
 ほっとするぅ~《泉の水》が仕事をしねえ。

「あ、フギンとムニン。帰ってたんだ?」

「カア!」「かあ!」

 ……。
 こいつ等までもか?!
 フギンが《思考》でムニンは《記憶》
 世界中を渡り、主オーディンに伝える。

「ハア~。お前等って大変なお仕事してたんだ。モフってやるから来いよ」

「カアーア!」「かあ~ん」

「ああ、フギン。お土産をありがとうな。ムニン? 仰向くと自分で起きれなくなるぞ?」

 可愛いぞ! モフり倒してやるぅ~!
 ハア~。羽毛用ブラシを当てたら、ツヤツヤじゃん!
 黒光りして、七色ってどんだけだよ?
 で、フギンの今日のお土産は?
 ……。
 フギンさん?!
 もっと普通のお土産をお願いしますね?!
 いやいやいや、ないわ!
 なんで神器?! あ、ちょっと待てよ? 
 ひょっとして、今までのお土産もじゃないだろうな?!
 ……。
 
「ハア~。ちょこちょこアウトなのがまじってるじゃん。《泉の水》仕事し過ぎ。いや、フギンの仕事が凄いのか?」

 あ、この楯でアレが作れるかも?
 この褌は刀帯なのか……。
 調子にのって、下着がわりにしなくてよかったけどさ。
 コレ、オレ全く使えねえし。
 恐! この枝ヤバイ!
 ただのツルンとした細い枝じゃないじゃん?! 
 んで、やたらに多いキンキラ腕輪……。
 フギンさん、ひょっとしてオーディン様からぱちってないよな?!

「どうすっかなぁ~。とりあえず、この楯でアレ、作って、オーディン様に持って行こうかな?」



 




 
 
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