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16.鉄とオーク
210.昇進
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ショールームとして使う際、この部屋に合わせて作ってもらった家具は、丹生田が言った通り、買い取りたいと伝えてあった。
それには快諾もらってたんで、六田家具通すと話が面倒になるから、直接買い取ったってことにするつって、うちがショールームじゃ無くなった半月後、T&Oに顔出したついでに代金を支払った。
まあブツはすでに部屋にあるわけだから、納品書受け取っただけなんだけど、
「あれ?」
思わず声を上げた。
「済みません、コレ数合ってないっすよ」
だってひとつ品数が足りなかったから。
なのに二人は、顔見合わせてニヤニヤしてるだけだ。
「なにが抜けてるんだろ。……ダメじゃないですか、事務的なこと、ちゃんとやらないと。こういう細かいことでミスすると、後々響くんですから」
ちょっと叱る感じで言ったのに、大鳥さんはぶはっと吹き出し、横で照井さんが「事務は町に任せてますから」頭をかきかき言った。
「じゃあコレは……」
「それで良いんです」
ようやく笑い収めた大鳥さんがニヤニヤ言ったけど、意味分かんねえ。
「だって価格もずいぶん……」
「それは社員価格です」
「おい、藤枝さん、うちの社員じゃないから」
こそっとツッコむ照井さんに「ああ……」と答えた大鳥さんは、ニヤニヤ左上に目をやって、「展示品なので値引きです」と言い直す。
「はあ、それは正直助かります、ありがとうございます。つうか……ああ分かった、ローテーブルが入ってないんだ」
「藤枝さん、あのテーブルは差し上げます。……いや、もらって下さい」
「えっ?」
どゆこと? と目を見開いたら、大鳥さんはしてやったりな笑顔で嬉しそうに言った。
「最終テスト、すごく勉強になりました。あれで俺たち、なんか掴めたんです」
「そうです」
照井さんもチラッとコッチ見て、ホッとしたように笑った。つうかいつも目を伏せてたりして、あんま目が合わないんだよな。
けど今日は、頑張ってますって感じでチラチラ見てくる。
「庄山さんの仕事も勉強になりました。けど、やっぱり知らない人だし、言われたことを形にすることしか考えてなかった。でも藤枝さんは知ってる人だし……つうか」
ちょい目を泳がせて、声を詰まらせた照井さんを助けるように、大鳥さんがくちを開いた。
「ていうか藤枝さんはチョー詳しいし、下手なコトしたら、失敗したりしたら、すぐに見破られるだろうって俺、ビビってました。でもススムが言ったんです。な、言ったよな」
「いや、つうか……俺たちのテーブル見て良いなって言ってくれた人だし、恩人だし、つうか。どうしたら喜んで貰えるかって、それだけ考えようって……」
そこまで言って、照井さんはやっぱ目を伏せる。
その背中をポンポン叩きながら、大鳥さんはニッと笑った。
「そんで滅茶苦茶考えたんですよ。藤枝さんの着てるもんとか持ち物とか、そういうのから、なんか分かんねえかなって。丹生田さんにも聞きました。そうやって考えてて、気がついた、つうか、今まで言われてたコト、半沢さんが言ってたコトとか、こういうコトなんか、って腑に落ちたというか」
ウンウンと頷きながら、照井さんも続ける。
「実は俺たち、これは記念に取っておきたいって言ってたんです。でも、藤枝さんが欲しいって言ってくれたから、なら差し上げようって、俺たちで決めました」
なんだか嬉しそうに笑ってる二人を見返して
「どうして────」
なんとかそれだけを言った。
大鳥さんの表情が少し改まり、まっすぐ見返してくる。
「藤枝さん、あのテーブル出来たとき、なんて言ったか覚えてます?」
「……はい。覚えてます」
そう、あのテーブルを見て、思わず言ってしまったのだ。
『これ……きれいです、とても。……ああ、いいな。こんな腹に来るの、初めてだ』
「腹に来るって、俺らなんか分かったんですよ、その感覚。腹にずしっと落ち着くってか、そういうことを言ってくれてんだって、俺ら分かったんです」
照井さんもニコニコしながら続ける。
「うまいこと言うなって、後で二人で話しました。分かってくれたんだなって……すげえ嬉しかった」
「だから、藤枝さんがあのテーブルも欲しいって……他はダメでも、あのテーブルだけはどうしても欲しいって、そう言ってくれて、やっぱ嬉しかったんです」
「だから、もらって下さい」
そう言って二人は頭を下げ、「いやあの」いくら言ってもテーブルの代金は受け取ってもらえなかった。
なんかフワフワした、ヘンな気分で帰宅して、丹生田に話したら「ありがたい」と言った後、目を細めてしみじみと声を漏らした。
「藤枝はさすがだな」
「……や、そんな……んじゃ……」
いままでカラッと返してた、丹生田のそんな言葉に、キョドってしまった自分に慌てる。
今までみたいに、サラッと返せよ。でも──────
そうだよ。
丹生田はいっつもこんな風に言ってくれてた。
そうだよ、支えて……もらってた。
俺って安い、なんて思いながら、甘えてた。当たり前みたいに、丹生田に……
(いいのか? このままで)
*
DRUID立ち上げから一年と三ヶ月後。
六田家具で、大々的に人事異動が行われた。
つってもそこまで人数いないんで、大袈裟な話じゃねえんだけど。
今までの部長が専務取締役に、そして諏訪さんが営業部長に昇進、営業のひとり仁科さんが主任だ。
六田家具の支所、つうか第二販売部を旭川空港の近くに持つことになったのは、まあ必要に迫られて、なんだけど。
T&Oとの取引は家具だけじゃない。
地元の農産品や畜産品、革製品なんか、生鮮品以外は六田家具の小物と一緒にインテリアショップに置いてもらってて、もちろんネット販売も受けてる。
生鮮品はDRUIDの什器入れてくれた飲食店に卸したりしてるけど、庄山さんみたいに直接契約してる人もいるし、それ以外の販路もゆくゆくは……と町長は考えてるっぽい。
業務は多岐にわたり、煩雑になっていく。
六田社長の家具を売ってただけの頃とはまったく違う。前にいた会社に近い、何でも屋さん的な仕事になっていく。
そんな、予言めいたことを言い、業態を変えていくべきだろうって言ったのは佐藤さん。
『これはきみのお手柄だよ。株式会社六田家具という社名も、変えた方が良いかもしれないね。この会社は化けるかも知れない。君がいれば』
そんなのは夢物語だろうって、社長は笑ってたけど、佐藤さんの笑顔が怪しい、と俺は思った。アレ本気で言ってんじゃね?
あの人と一番接点多かったのは俺なんで、他のみんなはあの穏やかな顔の裏で意外と企んでるぽいなんて知らないのかも知れない。
ともかく、六田社長の家具を売るためにあった会社が、少しずつ変わっていってるってことはみんな気づいてる。でもこれは、社長の仕事を守るため、他で利益上げなきゃって、それで始めたコトだし。それは家具を売ることじゃなくても別にイイわけで。
「今日は呑め!」
「いや、俺マジ弱いんで」
「ダメだ呑め。そして明日から連休だ。絶対会社に出てくるなよ」
「そうだ、女いるんだろ、ちゃんと話しとけ」
T&Oとの仕事は、まるで別業態に近い。そうなっちまってる以上、今までと同じにみんなで一丸となってやるってんじゃ混乱を来しかねない。なら別部門立ち上げてしまおうってことになったわけで。
それなら旭川に支所を置くかって話になり、ならそのアタマは誰がやるってコトになり、それはおまえだ、と言われたのだ。
「良くやったな、藤枝」
今、肩を叩いた部長に。そんで、異論は出なかった。
「これからもその調子で頑張れよ。もうこの件はおまえに任せるからな。色々準備もあるだろうし、ひとまず身体を休めて……」
つまり俺が、新たに旭川に設けられる第二販売部、およびDRUID担当部長になっちまった。
そのためにこのところ旭川にしょっちゅう行ってた。支所立ち上げの準備だ。
そう、つまり、俺はその辞令を受けた。
転勤だ。
(……まあでも、うん。……イイ機会だよな……)
酔ってちょいポーッとしてきたアタマで考える。
(このまんま、丹生田に甘えて、そんなんしてたら、……マジでヤバい。物理的に距離が離れれば、そんで忙しくなれば、考えてる暇なんて無くなるだろし。……それでいいよな)
そして眠くなって────
(そしたら……諦められる……かもじゃん)
ふっと笑っちまいながら、スウッと落ちてくる睡魔に身を委ねる。
(そうでもしないと────諦めらんねえ、から……)
《16.鉄とオーク 完》
それには快諾もらってたんで、六田家具通すと話が面倒になるから、直接買い取ったってことにするつって、うちがショールームじゃ無くなった半月後、T&Oに顔出したついでに代金を支払った。
まあブツはすでに部屋にあるわけだから、納品書受け取っただけなんだけど、
「あれ?」
思わず声を上げた。
「済みません、コレ数合ってないっすよ」
だってひとつ品数が足りなかったから。
なのに二人は、顔見合わせてニヤニヤしてるだけだ。
「なにが抜けてるんだろ。……ダメじゃないですか、事務的なこと、ちゃんとやらないと。こういう細かいことでミスすると、後々響くんですから」
ちょっと叱る感じで言ったのに、大鳥さんはぶはっと吹き出し、横で照井さんが「事務は町に任せてますから」頭をかきかき言った。
「じゃあコレは……」
「それで良いんです」
ようやく笑い収めた大鳥さんがニヤニヤ言ったけど、意味分かんねえ。
「だって価格もずいぶん……」
「それは社員価格です」
「おい、藤枝さん、うちの社員じゃないから」
こそっとツッコむ照井さんに「ああ……」と答えた大鳥さんは、ニヤニヤ左上に目をやって、「展示品なので値引きです」と言い直す。
「はあ、それは正直助かります、ありがとうございます。つうか……ああ分かった、ローテーブルが入ってないんだ」
「藤枝さん、あのテーブルは差し上げます。……いや、もらって下さい」
「えっ?」
どゆこと? と目を見開いたら、大鳥さんはしてやったりな笑顔で嬉しそうに言った。
「最終テスト、すごく勉強になりました。あれで俺たち、なんか掴めたんです」
「そうです」
照井さんもチラッとコッチ見て、ホッとしたように笑った。つうかいつも目を伏せてたりして、あんま目が合わないんだよな。
けど今日は、頑張ってますって感じでチラチラ見てくる。
「庄山さんの仕事も勉強になりました。けど、やっぱり知らない人だし、言われたことを形にすることしか考えてなかった。でも藤枝さんは知ってる人だし……つうか」
ちょい目を泳がせて、声を詰まらせた照井さんを助けるように、大鳥さんがくちを開いた。
「ていうか藤枝さんはチョー詳しいし、下手なコトしたら、失敗したりしたら、すぐに見破られるだろうって俺、ビビってました。でもススムが言ったんです。な、言ったよな」
「いや、つうか……俺たちのテーブル見て良いなって言ってくれた人だし、恩人だし、つうか。どうしたら喜んで貰えるかって、それだけ考えようって……」
そこまで言って、照井さんはやっぱ目を伏せる。
その背中をポンポン叩きながら、大鳥さんはニッと笑った。
「そんで滅茶苦茶考えたんですよ。藤枝さんの着てるもんとか持ち物とか、そういうのから、なんか分かんねえかなって。丹生田さんにも聞きました。そうやって考えてて、気がついた、つうか、今まで言われてたコト、半沢さんが言ってたコトとか、こういうコトなんか、って腑に落ちたというか」
ウンウンと頷きながら、照井さんも続ける。
「実は俺たち、これは記念に取っておきたいって言ってたんです。でも、藤枝さんが欲しいって言ってくれたから、なら差し上げようって、俺たちで決めました」
なんだか嬉しそうに笑ってる二人を見返して
「どうして────」
なんとかそれだけを言った。
大鳥さんの表情が少し改まり、まっすぐ見返してくる。
「藤枝さん、あのテーブル出来たとき、なんて言ったか覚えてます?」
「……はい。覚えてます」
そう、あのテーブルを見て、思わず言ってしまったのだ。
『これ……きれいです、とても。……ああ、いいな。こんな腹に来るの、初めてだ』
「腹に来るって、俺らなんか分かったんですよ、その感覚。腹にずしっと落ち着くってか、そういうことを言ってくれてんだって、俺ら分かったんです」
照井さんもニコニコしながら続ける。
「うまいこと言うなって、後で二人で話しました。分かってくれたんだなって……すげえ嬉しかった」
「だから、藤枝さんがあのテーブルも欲しいって……他はダメでも、あのテーブルだけはどうしても欲しいって、そう言ってくれて、やっぱ嬉しかったんです」
「だから、もらって下さい」
そう言って二人は頭を下げ、「いやあの」いくら言ってもテーブルの代金は受け取ってもらえなかった。
なんかフワフワした、ヘンな気分で帰宅して、丹生田に話したら「ありがたい」と言った後、目を細めてしみじみと声を漏らした。
「藤枝はさすがだな」
「……や、そんな……んじゃ……」
いままでカラッと返してた、丹生田のそんな言葉に、キョドってしまった自分に慌てる。
今までみたいに、サラッと返せよ。でも──────
そうだよ。
丹生田はいっつもこんな風に言ってくれてた。
そうだよ、支えて……もらってた。
俺って安い、なんて思いながら、甘えてた。当たり前みたいに、丹生田に……
(いいのか? このままで)
*
DRUID立ち上げから一年と三ヶ月後。
六田家具で、大々的に人事異動が行われた。
つってもそこまで人数いないんで、大袈裟な話じゃねえんだけど。
今までの部長が専務取締役に、そして諏訪さんが営業部長に昇進、営業のひとり仁科さんが主任だ。
六田家具の支所、つうか第二販売部を旭川空港の近くに持つことになったのは、まあ必要に迫られて、なんだけど。
T&Oとの取引は家具だけじゃない。
地元の農産品や畜産品、革製品なんか、生鮮品以外は六田家具の小物と一緒にインテリアショップに置いてもらってて、もちろんネット販売も受けてる。
生鮮品はDRUIDの什器入れてくれた飲食店に卸したりしてるけど、庄山さんみたいに直接契約してる人もいるし、それ以外の販路もゆくゆくは……と町長は考えてるっぽい。
業務は多岐にわたり、煩雑になっていく。
六田社長の家具を売ってただけの頃とはまったく違う。前にいた会社に近い、何でも屋さん的な仕事になっていく。
そんな、予言めいたことを言い、業態を変えていくべきだろうって言ったのは佐藤さん。
『これはきみのお手柄だよ。株式会社六田家具という社名も、変えた方が良いかもしれないね。この会社は化けるかも知れない。君がいれば』
そんなのは夢物語だろうって、社長は笑ってたけど、佐藤さんの笑顔が怪しい、と俺は思った。アレ本気で言ってんじゃね?
あの人と一番接点多かったのは俺なんで、他のみんなはあの穏やかな顔の裏で意外と企んでるぽいなんて知らないのかも知れない。
ともかく、六田社長の家具を売るためにあった会社が、少しずつ変わっていってるってことはみんな気づいてる。でもこれは、社長の仕事を守るため、他で利益上げなきゃって、それで始めたコトだし。それは家具を売ることじゃなくても別にイイわけで。
「今日は呑め!」
「いや、俺マジ弱いんで」
「ダメだ呑め。そして明日から連休だ。絶対会社に出てくるなよ」
「そうだ、女いるんだろ、ちゃんと話しとけ」
T&Oとの仕事は、まるで別業態に近い。そうなっちまってる以上、今までと同じにみんなで一丸となってやるってんじゃ混乱を来しかねない。なら別部門立ち上げてしまおうってことになったわけで。
それなら旭川に支所を置くかって話になり、ならそのアタマは誰がやるってコトになり、それはおまえだ、と言われたのだ。
「良くやったな、藤枝」
今、肩を叩いた部長に。そんで、異論は出なかった。
「これからもその調子で頑張れよ。もうこの件はおまえに任せるからな。色々準備もあるだろうし、ひとまず身体を休めて……」
つまり俺が、新たに旭川に設けられる第二販売部、およびDRUID担当部長になっちまった。
そのためにこのところ旭川にしょっちゅう行ってた。支所立ち上げの準備だ。
そう、つまり、俺はその辞令を受けた。
転勤だ。
(……まあでも、うん。……イイ機会だよな……)
酔ってちょいポーッとしてきたアタマで考える。
(このまんま、丹生田に甘えて、そんなんしてたら、……マジでヤバい。物理的に距離が離れれば、そんで忙しくなれば、考えてる暇なんて無くなるだろし。……それでいいよな)
そして眠くなって────
(そしたら……諦められる……かもじゃん)
ふっと笑っちまいながら、スウッと落ちてくる睡魔に身を委ねる。
(そうでもしないと────諦めらんねえ、から……)
《16.鉄とオーク 完》
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