前世で私を嫌っていた番の彼が、今世で迫って来ます！（リメイク版）

新たな出会い

あれから

あの日から、丁度1週間が経った。
あれから、両親は家を空けなくなった。止むを得ず家を空ける時は、私を連れて行くかローズの家にお世話になる事になった。

『ああ！レムリアっ！』
『一人にしてすまない！怪我はないか！？』

あの後、連絡を受け仕事場から走って帰ってきた両親は私を強く抱き締め私に怪我が無いか必死に確認した。

『大丈夫。何処も怪我してないよ』
『良かった…。本当に良かった！』
『側に居てやれなくてすまない！！もう…二度とこんな怖い目に遭わせないからな』

騎士の人に事情聴取を受け終わった頃には、既に陽が落ちていた。犯人の行方は未だ掴めず。暫くは家の近くを騎士が巡回してくれることになった。

（あの男は、一体何が目的なんだろう…）



『もう邪魔はさせない』



そう言っていたが、誰かの邪魔をした覚えは無い。仮に自分に自覚が無く誰かの邪魔をしていたとしても、殺されるような事はしていない筈だ。

男の憎しみに満ちた声が、暫くレムリアの耳から離れなかった。


その後の変化はそれだけでは無い。

「レムリア！おはよう」
「レムリア来たわよ～」
「リュシル、ローズ。おはよう」

あれから毎朝二人が家に来るようになった。ローズは、元々来たりしていた。それにリュシルが加わったのだ。彼なりに心配してくれているのが分かる。

「今日は、教会での炊き出しだったよね？」
「そうよ。私達は野菜の下準備担当よ」
「一緒に頑張ろうねレムリア！」
「ちょっと、レムリアに引っ付き過ぎよ。ベタベタする男は嫌われるわよ？」
「別に、姉さんにどう思われようと何とも思わないから大丈夫」
「このっ！レムリア！コイツは、こんな奴なのよ！レムリアの前でだけ、いい子ちゃんの腹黒よ！」
「姉さん、煩いよ。ごめんね、レムリア。姉さん、ヒステリックでさ」
「～～っ！！このっ！」
「あはは…」

賑やか（？）な一行は、住宅街から少し離れた丘の上にある教会に向かう。教会に着くと、周りには既に数人の近所の奥さん達がお手伝いとして来ていた。

「おはようございます」
「あら、おはよう」
「待ってたわ」
「三人共、早速で悪いけどそこの川でこのジャガイモの皮を向いて頂戴」
「わかりました！レムリア、リュシル行くよ！」

渡された籠に入ったジャガイモを皆んなで背負い、川に向かう。澄んだ水が流れる小さな川は、陽の光を反射してキラキラと輝いている。

「それじゃぁ、さっさと終わらせるわよ！」

リュシルがジャガイモを洗い私とローズで皮を剥いていく。時々話しながら作業していき、丁度半分くらいまで終わらせた時。

「すいません。ちょっといいですか？」

背後から、レムリア達に声向かって誰かに声を掛けられた。