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新たな人生

愛情が全身から迸る

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レムリアに抱きつきながら、身体全体で大好きと訴えるリュシル。

(何だか犬に見えて来た)

今世では、私も彼等も人間だ。
多分、前世の私が獣人の本能でもある番への執着に疲れていたからだと思う。

「ねぇレムリア」
「ん?」
「大人になったら僕と結婚してくれる?」

頬をほんのり赤く染め、上目遣いでこちらを伺うリュシル。

(うわー。マジで可愛い。マジ天使)

すると、すかさずローズが自身の弟を小馬鹿にした様に見ながら言った。

「何言ってんのよ。レムリアがアンタなんか相手にするわけないでしょう?鼻水垂らした歳下はお断りよ。歳上になって出直して来なさい」

(ローズさん、垂らしたのは私です)

「別に、姉さんの趣味なんて聞いてないよ。レムリアは、歳上のおじさんになんて興味ないよね?」

その言い方だと、貴方より二歳年上の私はおばさんになる。

「ねぇ、好きだよレムリア。僕とずっと一緒にいて?」

お腹の辺りにぐりぐりと頭を押し付けるリュシル。記憶を思い出すまでは、なんで可愛いのだろうと思っていた。今もその気持ちはあるが、それとは別に困惑も大きかった。

(何でこうなったんだろう?)

現在六歳のリュシルと出会ったのは今から三年前。初めてローズの家に遊びに行った時だ。

当時三歳だったリュシルは、赤いフワッフワの髪にエメラルドの瞳が印象的なとっても可愛い子だった。

「この子が弟のリュシル。先月三歳になったんだ」
「へ~。すっごく可愛いね」

部屋に入った瞬間からレムリアをジッと見つめていたリュシルは、徐に立ち上がりテトテトとレムリアに近付いて来た。そして、レムリアの足にしがみ付きこちらを見上げ。

「ちゅき」

正直、鼻血が出るかと思った。

「ちゅき」

もう一度そう言うと、ギューと小さい手でレムリアの足に必死にしがみ付くリュシルは、とっても愛らしかった。

あれから、彼は私の後をついて回るようになった。帰ろうとすると泣きながら、必死に私を引き止めようとした事は一度や二度ではない。それから三年経った今でも、彼の好意は無くなる事はなく現在まで続いている。


「大好きだよ、レムリア。俺と結婚して?」


さて…一体どうしたものか。

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