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第2章

No.189

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「では、初めに体内に存在する自身の魔力を感じる事から始めましょう。まずは、自身の中に流れる魔力をイメージして下さい」
「はい」

(流れる魔力をイメージ…)

身体の中を流れると言えば、血液である。真琴は、血液を魔力に置き換えて、爪の先から身体の隅々まで流れる魔力をイメージする。

(何だか、身体が暖かくなって来た)

すると、目を瞑ってイメージをする真琴の身体から淡い光が溢れる。

「マコ様、素晴らしいですっ!言っただけで、魔力の流れを感じ取れるなんて!」

その言葉に、真琴は目を開ける。
すると、自分の身体が薄らと光っていた。

(……凄いな)

今は、昼過ぎくらいで明るいからまだいいが、これが夜だったらかなり不気味だ。

「現在光っているのが、具現化された魔力の一部です。初めて魔法を使う際、一番初めにこの魔力を感じる事が出来ないと、いくら魔力が膨大な者でも魔法を使う事は出来ません。その点、マコ様は才能があると言ってもいいでしょう」
「そうですか?」

ルイザに手放しに褒められて、真琴は嬉しげに照れる。

「実は、この魔力を感じる事が一番難しいと言ってもいいです。この魔力を感じる事を、魔力感知と言います。魔力感知は、魔法を使う上でとても大事な事なのです」

そう言って、ルイザは右手の人差し指にライターの炎の様な大きさの火を出す。

「今私はこの大きさの火を出しましたが、これにも魔力感知を使っています。この大きさの火を出すのにどれくらいの魔力が必要かを、魔力感知を使って調べました。例えば、私の魔力量を10とします。この魔法を使うのにかかる魔力量が2だと魔力感知で分かりました。次に必要な工程は、自身の魔力から必要量の2を使用する事ですが…、これを何と言うか分かりますか?」

(何だろう…。よく、晃や圭太がゲームで喋ってたよね…?)

別の世界に居る、今は遠い弟達は何と言っていたか…。

(そうだ、思い出した!)

「えっと、魔力操作………ですか?」

恐る恐る話す真琴に、ルイザは満面の笑みを浮かべる。

「そうです。マコ様は、勤勉でいらっしゃいますね」

自身の答えが合っていた事に、ホッと息をつく。

「必要な量の魔力を操作する事、これを魔力操作と言います。稀にいるのですが、必要な魔力量以上の魔力を使えば更に強力な魔法になると考える者達がいます。………しかし、必要な魔力以上を使用しても、決してそんな事にはなりません。唯の魔力の無駄遣いになるだけです。一度、魔力感知が出来る様になれば、魔力操作は簡単に出来ます」

その為、魔力感知はとても肝心なモノなのだとルイザは話す。

「次は、魔力操作をしてみましょう。そのまま、魔力感知をしたままで右手に魔力を溜めるイメージをして下さい」
「わかりました」

(右手に溜める…)

流れる魔力血液を右手に溜めるイメージ。すると、だんだんと右手が暖かくなってくる。

「お上手です。では、次はその溜めた魔力の半分を左手に移して下さい」
「はいっ」

(左手に半分だけ…)

右手の魔力の半分だけ左手に移すイメージをする。確かに、左手に魔力は移せた。だが、右手の光の方が輝きが強い様に見える。

「まだ、右手の方が魔力が多い様ですね。こればっかりは、練習あるのみです」
「わかりました!」

そうして、均等に魔力を左右の手に移せる様になるまで暫く魔力操作の練習が続いたのだった。


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