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第2章

No.179

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「ーーっと、言う事がありました」
「………ハァ~」

ルドルフが説明し終わると、アルフォンスは深い溜息を吐いた。そうして、腕の中の真琴をギュッと抱き締め耳元で話し出す。

「………真琴、何処か変な感じがする所はないか?」
「大丈夫です。………あの、私も何が何だか分からないんですけど、心配かけてすみません」

(……アルフォンスさん、汗かいてる)

普段、良い香りしかしないアルフォンスから香る汗の匂い。それだけで、どれだけ真琴を心配して必死に走って来たのか分かる。

(ただでさえ、普段から心配かけてばかりなのに……)

それでも、こんなにも必死に真琴を心配してくれる姿を見ると、誤魔化す事の出来ない喜びの感情が溢れるのを止める事が出来ない。

「………そんなの、いくらでもかけていい」


ーーそれで、真琴が無事なら。


「っ!」

真琴以外に聞こえない程の小さなその言葉に、真琴は顔が赤くなるのを止める事が出来なかった。

(そんな事言われたら、もっと好きになっちゃうよ……!)

そんな顔を見られたくなくて、アルフォンスの胸に顔を埋める。そんな滅多に無い番の甘える様なその行動に、顔をデレッと緩めるアルフォンス。そのまま、真琴が抵抗しないのをいい事に、真琴の頭にキスや頬擦りをする。しかし、いろいろ混乱して赤い顔を見られない様にしている真琴はそれに気が付いていない。

「………あの二人、俺達がいることを忘れてないか?」

そんな二人を見ながら、ステインが側にいたリディアに問いかける。

「マコ様はともかく、アルフォンス様は私たちが見ている事を分かっていてやってますね」
「恐らく、今日一日仕事でマコ様の側に居れなかったのに、私達が側に居た事に嫉妬して周りに態と見せつけてるのでしょう」

リディアの言葉にルドルフが続ける。

「子供か」
「子供ですね」
「それも、100歳越えの見た目はガタイのいい子供ですな」

そんな三人の声は聞こえて居たが、アルフォンスは1日側に居れなかった分を取り戻すかの様に真琴に甘える。

それを、他の使用人達は微笑ましげに見つめる。
自身の使える主人が、番と仲良くする事はいい事だ。

ーー使用人達は待っているのだ。

近いうちに出来るであろう二人の子供を。
大変可愛らしいであろう二人の子供に「じーじ」、「ばーば」、「にーに」、「ねーね」と呼ばれる事を使用人達は楽しみにしているのだ。中には、その子供に着せる男女用の服を既に用意し始めている者もいる程だ。しかもその筆頭は、ステイン、リディア、ルドルフの三人である。

だから、誰も二人の邪魔をしないのだ。

そのイチャイチャ(一方的)は、真琴が皆に見られている事に気が付いて悲鳴を上げるまで続いた。














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