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第2章

No.149

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翌日。
アルフォンスと共に王城にやって来た真琴。
城に着くと真琴とアルフォンスは、執事に以前真琴が通された部屋に案内される。そうして、紅茶などを入れると2人に向かって丁寧に頭を下げる。

「それでは、私はこれで失礼致します。何か御座いましたら其方のベルを鳴らして下さい」

そう言って、パタンと扉が閉まる。

「さて…。真琴、今日は急に城に連れて来てすまなかった」
「いえ、大丈夫です。そうする必要があったんですよね」

真琴は、何故城に連れて来られたのか知らされていない。だが、何処か難しい顔をしているアルフォンスを見てそう察する。何も聞かない真琴を見て、アルフォンスはある程度の事を話す事にした。

「………やはり、真琴にはきちんと話そう。これは、真琴に関する事だから」

そう言ってアルフォンスは、ファウアームが真琴を狙っている事などを話した。そして現在、城の地下牢に不審人物を捕らえている事を。

「ファウアーム…特に王族は、昔から精霊に対して異常な程の執着を持っていた。だから、精霊の事を感知する何かを持っていても不思議じゃ無い」
「それによって、私の事も知ったと…」
「おそらく…、そしてこのタイミングだ。捕えている者は、ファウアームのスパイかも知れない」

そこまで聞いて、真琴は漸く察した。

(アルフォンスさんは、私の護衛だ)

休暇を取っていなかったのは本当だろう。
だが、いきなり長期の休暇を取ったのは私の側でファウアームから私を守る為だ。

(アルフォンスさんは、ずっと私と一緒に笑いながら周りを警戒してたんだ…)

それはとても大変な事だった筈だ。

「…?真琴、どうした?」

自身を見上げる真琴を不思議そうにアルフォンスは見つめる。

(……あぁ、アルフォンスさんは私を守る事を全然負担に思ってない)

アルフォンスからは、苛立ちなどの感情が感じられ無い。あるのは、ただひたすらに真琴を案じる感情のみ。

胸の奥から熱い何かが込み上げてくる。
喉元が熱くなり、視界が滲む。

「………ありがとうございます」

少し震える声で、何とかその言葉を音にする。
たったそれだけで、何に対しての感謝かアルフォンスは理解する。

「当たり前の事をしているだけだ。俺の大切な真琴を守る為にな」

そう言って、そっと真琴を引き寄せ抱き締める。

ーートクトクトク。

(暖かい…)

アルフォンスの心臓の音を聞きながら、真琴はホッと息を吐く。この腕の中にいれば、安全だと心が告げる。

ーーアルフォンスの腕の中は、真琴にとって1番安心出来る場所だった。

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