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第1章
No.101
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「終わ…りは、お前だっ…!」
傷口を抑えながら、ふらつきながらも立ち上がった男がそう言った。アルフォンスに斬られた傷からは、とめどなく血が流れている。その血は、男の足元に赤い水溜りを作っていく。
「わ…たしがっ、ただ…の剣…で 、お前を刺す…と、思うの…か?あの剣に…は、呪い…をかけてある…。竜殺…しの呪いがな…!」
男は、途切れ途切れになりながらも最後まで言い切った。これで、ここに居る連中の絶望した顔が見れると、内心ほくそ笑んだ。
ーーだが。
「まさか、俺達がお前達ずる賢い蛇相手に何の対策もしてないと?」
そう言ってアルフォンスは、上着の前を広げ中に着ていた服をめくり、男に刺された傷跡を見せる。そこは、血で赤く染まってはいたが血の量に反して、傷跡は余りにも小さかった。………いや、傷口がほぼ塞がっていたのだ。
「なっ…!?」
どんなに治癒能力の高い竜人でも、あれほどの傷がこんなに早く塞がるのはおかしい。況してや、竜殺しの呪いがかかった剣での傷だ。ただの治癒魔法や、自己治癒能力では治らない。
「なぜ…だ」
男は、目を見開いて小さく呟いた。
一体、何が起きているのか分からなかった。2人の仲間の時間と命を犠牲にしてまでかけた"竜殺しの呪い"。
ーー全ては、アルフォンスを殺す為に。
一つは、この男の大切にしている女を攫う為に使った。残りの一つは、この男を殺す為に。それなのに、何故この男は死なない?
「俺が死ななかったのは、これのおかげだ」
そう言って、アルフォンスは首に下げていた淡く光る青い宝石のネックレスを男の前にかざす。
「これは、王家に伝わる護りの宝玉だ。この宝玉は、持ち主が受けた呪いや致命傷の傷、その他全ての厄災から一度だけ持ち主を護ってくれる」
「何故、お前…が、それを…」
それ程の力を込めた宝玉。本来ならば、国王か王家の者が持っている筈だ。これ程の力のある宝玉は二つとある筈が無い。それ程の物を、何故この男が持っているのだ…。
「本来なら、俺が持てる様な代物では無い。だが、マリアンヌ王妃に、「是非持って行ってくれ」と言われてな…」
アルフォンスが、城を出る前。
入り口近くでマリアンヌ王妃に呼び止められた。
『アルフォンス、これを』
『これは…』
『そう、護りの宝玉よ。これを持って行って』
『ですが、これは王妃が持っているべき物です』
『バンラートとも、話し合って出した結論よ。相手は、どんな事も平気でする奴等よ。きっと、何かしてくるわ。だから、持って行って』
『ですが…』
『私とバンラートの大切な友人に無事に帰ってきて欲しいの。……それに、貴方の大切な番を迎えにいくんでしょう?なら、無事な姿で迎えに行かないと!女は、傷だらけの男の人に迎えに来られても嬉しく無いのよ?』
『………ありがとう』
そう言って、マリアンヌ王妃からこの宝玉を借りたのだ。
傷口を抑えながら、ふらつきながらも立ち上がった男がそう言った。アルフォンスに斬られた傷からは、とめどなく血が流れている。その血は、男の足元に赤い水溜りを作っていく。
「わ…たしがっ、ただ…の剣…で 、お前を刺す…と、思うの…か?あの剣に…は、呪い…をかけてある…。竜殺…しの呪いがな…!」
男は、途切れ途切れになりながらも最後まで言い切った。これで、ここに居る連中の絶望した顔が見れると、内心ほくそ笑んだ。
ーーだが。
「まさか、俺達がお前達ずる賢い蛇相手に何の対策もしてないと?」
そう言ってアルフォンスは、上着の前を広げ中に着ていた服をめくり、男に刺された傷跡を見せる。そこは、血で赤く染まってはいたが血の量に反して、傷跡は余りにも小さかった。………いや、傷口がほぼ塞がっていたのだ。
「なっ…!?」
どんなに治癒能力の高い竜人でも、あれほどの傷がこんなに早く塞がるのはおかしい。況してや、竜殺しの呪いがかかった剣での傷だ。ただの治癒魔法や、自己治癒能力では治らない。
「なぜ…だ」
男は、目を見開いて小さく呟いた。
一体、何が起きているのか分からなかった。2人の仲間の時間と命を犠牲にしてまでかけた"竜殺しの呪い"。
ーー全ては、アルフォンスを殺す為に。
一つは、この男の大切にしている女を攫う為に使った。残りの一つは、この男を殺す為に。それなのに、何故この男は死なない?
「俺が死ななかったのは、これのおかげだ」
そう言って、アルフォンスは首に下げていた淡く光る青い宝石のネックレスを男の前にかざす。
「これは、王家に伝わる護りの宝玉だ。この宝玉は、持ち主が受けた呪いや致命傷の傷、その他全ての厄災から一度だけ持ち主を護ってくれる」
「何故、お前…が、それを…」
それ程の力を込めた宝玉。本来ならば、国王か王家の者が持っている筈だ。これ程の力のある宝玉は二つとある筈が無い。それ程の物を、何故この男が持っているのだ…。
「本来なら、俺が持てる様な代物では無い。だが、マリアンヌ王妃に、「是非持って行ってくれ」と言われてな…」
アルフォンスが、城を出る前。
入り口近くでマリアンヌ王妃に呼び止められた。
『アルフォンス、これを』
『これは…』
『そう、護りの宝玉よ。これを持って行って』
『ですが、これは王妃が持っているべき物です』
『バンラートとも、話し合って出した結論よ。相手は、どんな事も平気でする奴等よ。きっと、何かしてくるわ。だから、持って行って』
『ですが…』
『私とバンラートの大切な友人に無事に帰ってきて欲しいの。……それに、貴方の大切な番を迎えにいくんでしょう?なら、無事な姿で迎えに行かないと!女は、傷だらけの男の人に迎えに来られても嬉しく無いのよ?』
『………ありがとう』
そう言って、マリアンヌ王妃からこの宝玉を借りたのだ。
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