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第1章
No.80
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「おいっ!もっと魔力を込めろ!!」
「やってるっ!この傷、治癒魔法が効きづらいっ!竜殺しの効果のある魔法だ!」
「誰か、解術師を呼んで来いっ!」
救護室に怒声が飛び交う。部屋いっぱいに香るのうこうな血の匂いと共に腹部に激痛が走る。
ーーあぁ、痛い。腹部がが焼ける様に熱い。
痛みに呻きながら周りを確認すると、自身の周りで沢山の人が動いている。
「!!ルイザさんっ!聞こえますか?」
私が目を開けている事に気が付いた、側にいた治癒師が私に話しかける。
「誰か、アルフォンス騎士団長を呼んで来てくれ!」
「ルイザさん、私の声が聞こえますか?聞こえたら瞬きをして下さい」
白い治癒師のローブを着た、茶色の髪の中年の男性が私に問いかける。言われるがまま、ゆっくりと瞬きをする。
「私は、治癒師所長のロイと言います。何故、此処にいるか覚えてますか?」
ロイにそう問われ、腹部の痛みに呻いたルイザは思い出した。
(そう…だ、私は…)
***
いつもの様に、図書館からの帰り。
真琴のすぐ側を歩きながら、馬車の待つ広場に向かいながら話していた。
「っ!!」
「…ルイザさん?」
いきなり険しい顔で足を止めたルイザに、真琴は不安そうな声を出す。
「マコ様、私の背後へ」
そう言って、真琴を自身の背後に下がらせる。すると、目の前にガラの悪いスキンヘッドの男と帽子を被った男が現れる。
「おい、背後の女だよな?」
「あぁ。お前は、あの護衛の女を何とかしろ。俺は、ターゲットを捕まえる」
スキンヘッドの男がナイスを構えてルイザに対峙する。その背後では、帽子の男が魔法陣を展開する。
(魔法が使えるのは、帽子の男だけか…)
スキンヘッドの男には、魔力を感じない。匂い的に、人間であるスキンヘッドの男に竜人で騎士である自身が負ける事はない。勿論、油断は禁物だが最も警戒するべきは帽子の男だとルイザは判断した。
「マコ様、そこから動かないで下さい」
「わ、わかりました」
スラリと、腰の剣を抜く。すると、帽子の男が雷撃を放って来る。ルイザは、素早く剣に土魔法を纏わせ雷撃を防ぐ。その瞬間、スキンヘッドの男がナイフをルイザに向けて投擲する。
ルイザは、素早くナイフを片手で掴むとスキンヘッドの男に投げ返す。
「っ!!」
投げ返したナイフは、スキンヘッドの太腿に刺さる。これで、スキンヘッドの男は動けない。後は、帽子の男だけだ。
その時、ルイザは決して油断していなかった動きを封じたとはいえ、気配は探っていた。
ーードスッ
「………えっ?」
鈍い音と共に、ルイザの身体から力が抜けて視界が傾く。両膝をついて、地面に伏せるのは何とか防ぐ。ゆっくりと、熱を持つ腹部を見る。
すると、其処には黒い靄を纏ったナイフが深々と刺さっていた。
「やってるっ!この傷、治癒魔法が効きづらいっ!竜殺しの効果のある魔法だ!」
「誰か、解術師を呼んで来いっ!」
救護室に怒声が飛び交う。部屋いっぱいに香るのうこうな血の匂いと共に腹部に激痛が走る。
ーーあぁ、痛い。腹部がが焼ける様に熱い。
痛みに呻きながら周りを確認すると、自身の周りで沢山の人が動いている。
「!!ルイザさんっ!聞こえますか?」
私が目を開けている事に気が付いた、側にいた治癒師が私に話しかける。
「誰か、アルフォンス騎士団長を呼んで来てくれ!」
「ルイザさん、私の声が聞こえますか?聞こえたら瞬きをして下さい」
白い治癒師のローブを着た、茶色の髪の中年の男性が私に問いかける。言われるがまま、ゆっくりと瞬きをする。
「私は、治癒師所長のロイと言います。何故、此処にいるか覚えてますか?」
ロイにそう問われ、腹部の痛みに呻いたルイザは思い出した。
(そう…だ、私は…)
***
いつもの様に、図書館からの帰り。
真琴のすぐ側を歩きながら、馬車の待つ広場に向かいながら話していた。
「っ!!」
「…ルイザさん?」
いきなり険しい顔で足を止めたルイザに、真琴は不安そうな声を出す。
「マコ様、私の背後へ」
そう言って、真琴を自身の背後に下がらせる。すると、目の前にガラの悪いスキンヘッドの男と帽子を被った男が現れる。
「おい、背後の女だよな?」
「あぁ。お前は、あの護衛の女を何とかしろ。俺は、ターゲットを捕まえる」
スキンヘッドの男がナイスを構えてルイザに対峙する。その背後では、帽子の男が魔法陣を展開する。
(魔法が使えるのは、帽子の男だけか…)
スキンヘッドの男には、魔力を感じない。匂い的に、人間であるスキンヘッドの男に竜人で騎士である自身が負ける事はない。勿論、油断は禁物だが最も警戒するべきは帽子の男だとルイザは判断した。
「マコ様、そこから動かないで下さい」
「わ、わかりました」
スラリと、腰の剣を抜く。すると、帽子の男が雷撃を放って来る。ルイザは、素早く剣に土魔法を纏わせ雷撃を防ぐ。その瞬間、スキンヘッドの男がナイフをルイザに向けて投擲する。
ルイザは、素早くナイフを片手で掴むとスキンヘッドの男に投げ返す。
「っ!!」
投げ返したナイフは、スキンヘッドの太腿に刺さる。これで、スキンヘッドの男は動けない。後は、帽子の男だけだ。
その時、ルイザは決して油断していなかった動きを封じたとはいえ、気配は探っていた。
ーードスッ
「………えっ?」
鈍い音と共に、ルイザの身体から力が抜けて視界が傾く。両膝をついて、地面に伏せるのは何とか防ぐ。ゆっくりと、熱を持つ腹部を見る。
すると、其処には黒い靄を纏ったナイフが深々と刺さっていた。
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