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第1章
No.62
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ーーガチャ
静かに扉を開けると部屋の中は暗く、静かな寝息が聞こえて来る。時刻は深夜間近。部屋の主人は、眠っている様だ。
アルフォンスは、音を立てない様にソッとベッドに近付く。ベッドには、真琴がすやすやと寝息を立てて寝ている。
(よかった…)
見た感じ、何処にも傷などが無い事を確認してアルフォンスは漸くホッと安堵の息を吐いた。
バンラートの用意した馬車で屋敷に戻った時には、既に深夜近くになっていた。城から現状を知らされていたリディアやルドルフ、アモウ他、屋敷の使用人達はアルフォンスをとても心配して無事に帰って来た事に喜んだ。
「マコ様も、ギリギリまで起きていたんですが…」
途中で眠ってしまったらしい。
それを聞いたアルフォンスは、真琴の部屋に来たのだ。
「真琴………」
今は、理性が勝っているとはいっても未だ胸の中には怒りが燻っている。リディアや、ルイザに聞いて真琴が無事なのは知っていた。だが、どうしても自身の目で確かめないと安心出来なかった。
だから、こんな時間に女性の部屋に訪れる事が駄目だと分かっていても我慢出来ずに訪れてしまったのだ。
穏やかに眠りにつく真琴を見ていると、愛おしさが募る。そうして、ずっと押さえ付けていた感情が溢れた。
(真琴…好きだ)
真琴の口を優しく片手で覆うと、その手の上からソッと口付ける。
(真琴…真琴…)
ーー好きだ、愛してる
時間にしたら、10秒にも満たない。
「おやすみ」
ソッと、真琴から手を離し頬をひと撫でして部屋を出る。
「マコ様は?」
「ゆっくりと寝ている」
部屋の外にいたリディアが、アルフォンスに聞いて来た。アルフォンスは、扉を閉めながら答える。
「明日は、朝一で城の修復作業をしに行く」
「わかりました。では、何時もより早めに起こします」
よろしくとリディアに言い、アルフォンスは寝室に向かった。
***
ーーガチャ
部屋の扉が閉まると同時に、真琴は詰めていた息を吐いた。
(~~…っ!!)
まだ、心臓がドキドキとしている。
アルフォンスが部屋に入って来た時、真琴は目が覚めた。アルフォンスに声をかけようとするが、未だ夢現だった。
そうしている合間に、口に手を当てられアルフォンスの掌越しにキスをした。
恥ずかしさや驚きの声を上げない様に必死に声を抑えるのに苦労した。
「おやすみ」
そう言って出て行ったアルフォンス。
そこで漸く、まともに息が出来た。
(えっ、えっ?夢じゃ無いよね…?)
未だ残るアルフォンスの香りに、口に触れた剣を振るう硬い掌の感触。
「嫌……じゃ…なかった」
むしろ、何処か期待して…。
「ーーっ!!」
(何考えてんの私っ!…そうよ!疲れてるんだ!もう寝よう、そうしよう!)
慌てて頭を振り、ベッドに潜り込む。
だが、目を閉じてもドキドキして眠気は訪れず漸く眠りに就いたのは、朝方だった。
静かに扉を開けると部屋の中は暗く、静かな寝息が聞こえて来る。時刻は深夜間近。部屋の主人は、眠っている様だ。
アルフォンスは、音を立てない様にソッとベッドに近付く。ベッドには、真琴がすやすやと寝息を立てて寝ている。
(よかった…)
見た感じ、何処にも傷などが無い事を確認してアルフォンスは漸くホッと安堵の息を吐いた。
バンラートの用意した馬車で屋敷に戻った時には、既に深夜近くになっていた。城から現状を知らされていたリディアやルドルフ、アモウ他、屋敷の使用人達はアルフォンスをとても心配して無事に帰って来た事に喜んだ。
「マコ様も、ギリギリまで起きていたんですが…」
途中で眠ってしまったらしい。
それを聞いたアルフォンスは、真琴の部屋に来たのだ。
「真琴………」
今は、理性が勝っているとはいっても未だ胸の中には怒りが燻っている。リディアや、ルイザに聞いて真琴が無事なのは知っていた。だが、どうしても自身の目で確かめないと安心出来なかった。
だから、こんな時間に女性の部屋に訪れる事が駄目だと分かっていても我慢出来ずに訪れてしまったのだ。
穏やかに眠りにつく真琴を見ていると、愛おしさが募る。そうして、ずっと押さえ付けていた感情が溢れた。
(真琴…好きだ)
真琴の口を優しく片手で覆うと、その手の上からソッと口付ける。
(真琴…真琴…)
ーー好きだ、愛してる
時間にしたら、10秒にも満たない。
「おやすみ」
ソッと、真琴から手を離し頬をひと撫でして部屋を出る。
「マコ様は?」
「ゆっくりと寝ている」
部屋の外にいたリディアが、アルフォンスに聞いて来た。アルフォンスは、扉を閉めながら答える。
「明日は、朝一で城の修復作業をしに行く」
「わかりました。では、何時もより早めに起こします」
よろしくとリディアに言い、アルフォンスは寝室に向かった。
***
ーーガチャ
部屋の扉が閉まると同時に、真琴は詰めていた息を吐いた。
(~~…っ!!)
まだ、心臓がドキドキとしている。
アルフォンスが部屋に入って来た時、真琴は目が覚めた。アルフォンスに声をかけようとするが、未だ夢現だった。
そうしている合間に、口に手を当てられアルフォンスの掌越しにキスをした。
恥ずかしさや驚きの声を上げない様に必死に声を抑えるのに苦労した。
「おやすみ」
そう言って出て行ったアルフォンス。
そこで漸く、まともに息が出来た。
(えっ、えっ?夢じゃ無いよね…?)
未だ残るアルフォンスの香りに、口に触れた剣を振るう硬い掌の感触。
「嫌……じゃ…なかった」
むしろ、何処か期待して…。
「ーーっ!!」
(何考えてんの私っ!…そうよ!疲れてるんだ!もう寝よう、そうしよう!)
慌てて頭を振り、ベッドに潜り込む。
だが、目を閉じてもドキドキして眠気は訪れず漸く眠りに就いたのは、朝方だった。
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