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第1章
No.49
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「ア………」
(アルフォンスさん…)
リディアさんが居た反対側のベットの側にアルフォンスさんが立っていた。
「真琴…」
目が合うと、アルフォンスさんは私の名前を呼んだ。
(…初めて名前を呼ばれた)
初めて呼ばれた名前。
それは、確かに日本語の発音だった。
(何で…)
私の驚いた顔を見て、アルフォンスさんはイタズラが成功した子供みたいな顔で笑った。
「ずっと、君の名前を練習したんだ。初めて呼ぶ名前は、間違えずに呼びたかった。君の大切な名前だからな…」
(な…に、それ)
私がアルフォンスさんに自己紹介したのは、たったの1回だけだ。
(それなのに…)
ーーずっと、記憶の中の私の名前を練習してたの?
「………ちゃんと、言えていただろ?」
あまりにも、驚いている私に不安になったらしい。
不安の滲んだ声で聞いてくる。
その声に、慌てて頷く。
アルフォンスさんは、それを見てホッとした顔をする。
「………それで、身体は大丈夫か?」
アルフォンスさんに言われて、自身の身体を動かそうとする。
(凄く怠くて動かせない)
それを見た、アルフォンスさんは静かに話し始める。
「真琴。君は、2日間も眠り続けてたんだ」
アルフォンスさんの話はこうだ。
バンラート様が来た次の日。
何時もの時間になり、リディアさんが起こしに来たが私は起きなかった。最初は、ただ疲れて眠っていると思ったらしい。
だが、昼過ぎになっても起きない私にアモウお爺ちゃんを呼んで診てもらった。しかし、アモウお爺ちゃんの診断は眠っているだけ。
リディアさんから、報せを受けたアルフォンスさんは直ぐに屋敷に戻った。
それから、しばらく様子を見たが私は眠ったままだったらしい。
2日目。
ずっと私の側に居たアルフォンスさんは、眠り続ける私が魘され始めた時に気が付いた。私に、何か良く無い魔力が纏わり付いている事に。
それから直ぐに、アルフォンスさんが自身の魔力で私を夢の中から連れ出して、今の状況らしい。
「2日も眠り続けた事。それに、魔力の無い真琴が一種の精神魔法をかけられた事で身体に負荷がかかって身体が動かないんだ」
(そんな事があったんだ…)
あの、怖い夢が魔法によるものだなんて。
いや、それより何故私がそんな魔法をかけられたのだろう。
「この件は、既に陛下に報告している。現在、事件として調査中だ」
そう言って、アルフォンスさんは私の手を握る。
「直ぐに助けてやれなくて、すまない。………真琴か無事でよかった」
そう言って、泣きそうな顔で私を見つめてくる。
「ア…ル…フォンス…さ」
掠れて出ない声でこれだけは伝える。
「助け……くれ…ありが……と」
(アルフォンスさん…)
リディアさんが居た反対側のベットの側にアルフォンスさんが立っていた。
「真琴…」
目が合うと、アルフォンスさんは私の名前を呼んだ。
(…初めて名前を呼ばれた)
初めて呼ばれた名前。
それは、確かに日本語の発音だった。
(何で…)
私の驚いた顔を見て、アルフォンスさんはイタズラが成功した子供みたいな顔で笑った。
「ずっと、君の名前を練習したんだ。初めて呼ぶ名前は、間違えずに呼びたかった。君の大切な名前だからな…」
(な…に、それ)
私がアルフォンスさんに自己紹介したのは、たったの1回だけだ。
(それなのに…)
ーーずっと、記憶の中の私の名前を練習してたの?
「………ちゃんと、言えていただろ?」
あまりにも、驚いている私に不安になったらしい。
不安の滲んだ声で聞いてくる。
その声に、慌てて頷く。
アルフォンスさんは、それを見てホッとした顔をする。
「………それで、身体は大丈夫か?」
アルフォンスさんに言われて、自身の身体を動かそうとする。
(凄く怠くて動かせない)
それを見た、アルフォンスさんは静かに話し始める。
「真琴。君は、2日間も眠り続けてたんだ」
アルフォンスさんの話はこうだ。
バンラート様が来た次の日。
何時もの時間になり、リディアさんが起こしに来たが私は起きなかった。最初は、ただ疲れて眠っていると思ったらしい。
だが、昼過ぎになっても起きない私にアモウお爺ちゃんを呼んで診てもらった。しかし、アモウお爺ちゃんの診断は眠っているだけ。
リディアさんから、報せを受けたアルフォンスさんは直ぐに屋敷に戻った。
それから、しばらく様子を見たが私は眠ったままだったらしい。
2日目。
ずっと私の側に居たアルフォンスさんは、眠り続ける私が魘され始めた時に気が付いた。私に、何か良く無い魔力が纏わり付いている事に。
それから直ぐに、アルフォンスさんが自身の魔力で私を夢の中から連れ出して、今の状況らしい。
「2日も眠り続けた事。それに、魔力の無い真琴が一種の精神魔法をかけられた事で身体に負荷がかかって身体が動かないんだ」
(そんな事があったんだ…)
あの、怖い夢が魔法によるものだなんて。
いや、それより何故私がそんな魔法をかけられたのだろう。
「この件は、既に陛下に報告している。現在、事件として調査中だ」
そう言って、アルフォンスさんは私の手を握る。
「直ぐに助けてやれなくて、すまない。………真琴か無事でよかった」
そう言って、泣きそうな顔で私を見つめてくる。
「ア…ル…フォンス…さ」
掠れて出ない声でこれだけは伝える。
「助け……くれ…ありが……と」
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