貴方の事を愛していました

ハルン

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その後、ルークと共に両親に婚約を受け入れた事を報告した。母はとても喜んでくれたが、父は難しい顔をしていた。

「貴方、そんな顔をしないの。ミレーナの婚約が決まったのよ?それなのに、父親である貴方がそんな顔をしていたらミレーナが不安になってしまうわ」
「だ、だが……ミレーナ、婚約はまだしなくていいんじゃ無いか?6歳のお前には、まだ早いと思うんだ」
「まぁ、貴方ったら。貴族の子なら、これくらい普通ですよ」
「し、しかし…」
「全く、困った人ね。今すぐ結婚して家を出る訳では無いんですから、そんなに寂しがらなくても平気ですよ」

父を嗜めた母は、ルークに視線を向ける。

「ルークさん」
「はい」
「まだ幼いミレーナは、これから先に貴方に迷惑をかける事が幾つもあるとも追うわ。けれど、どうか娘をよろしくお願いするわね」
「はい。僕だって、ミレーナに迷惑をかける事があると思います。その時は、2人で話し合って解決していきたいと思ってます」
「ルーク様…」

ルークの言葉に、ミレーナは母に向かって力強く話す。

「私もっ!ルーク様に迷惑をかけない様に、毎日勉強するわ!そして、ルーク様が困っていたら私が助けるわ!」
「じゃあ、僕も沢山勉強して何かあってもミレーナの事を助けられる様に頑張るね」

ルークはそう言って、ミレーナの頭を優しく撫でる。

「あらあら、ミレーナがこんなにやる気になってくれるなんて!ルークさん、貴方のお陰ね」
「勉強が嫌いなミレーナがそこまで言うなんて…。ルーク君、ミレーナをよろしく頼むよ」
「勿論です」

その後、暫く4人で楽しく会話をしてからルークは帰って行った。父は直ぐにハイデン家へと婚約の了承の手紙を出し、2人は正式に婚約者となった。

ミレーナは、忙しい両親に挨拶をして部屋に戻る。そうして部屋に1人になった瞬間、ミレーナの瞳から涙が溢れて来た。

(嬉しいっ!私、本当にルーク様の婚約者になったんだわ…!)

初めて会った時から好きだった。
でも、将来結婚するのは別の誰かだと思っていた。

それなのに、まさかルークと結婚出来る事になるなんて…!

「絶対に、ルーク様の隣にいて恥ずかしくない婚約者になるわ…!」

そう強く決意したミレーナは、それからは人が変わった様に勉強に熱心に取り組む様になったのだった。



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