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1章
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今、私の目の前には白いエプロンを身に付けたイケメンがキッチンで料理をしていた。家の中には、甘くて良い匂いが漂う。その匂いに釣られて、アリアのお腹が鳴る。
「師匠。パンは厚めに切った方がいいですか?」
「あっ、薄めでお願いします」
「わかりました」
テキパキと手慣れた様子で動くイケメン勇者。
アリアは、そんな彼をぼんやりと見つめる。暫くすると、目の前に美味しそうなフレンチトーストが置かれる。
「お待たせしました。どうぞ、熱いので気を付けて下さい」
「……いただきます」
フォークで一口サイズに切り口に入れる。
「旨っ!」
「喜んで貰えて良かったです」
あまりの美味しさに、アリアは夢中になって食べる。そして、食べ始めて五分も経たずに最後の一口を口に入れる。
「美味しかった…」
「どうぞ、食後のコーヒーです。ミルクと砂糖はお好みで入れて下さい」
「ありがとう」
目の前に置かれたコーヒーに、ミルクを入れて飲む。そうして、ホッと一息つく。
「………って!何和んでんの私!?しっかりしろ!」
頭を左右に振り、目の前のエプロン姿のイケメンを見る。
「不味かったですか?」
「ううん。凄く美味しかった…って違う!何で家に居るの!」
「何でって。昨日、弟子にしてくれたじゃ無いですか」
不思議そうにこちらを見るイケメン。
「いや、してないよ…。だとしても何で家に居るのよ!」
「今日から此処に住もうかと」
「何勝手に決めてるの!?駄目だからね!!」
何故、家主に断りもなく勝手に決めてるんだこの男は。全身で拒否するアリアに、カイルは言った。
「家事、洗濯、掃除。全てやります」
「うっ…!」
その言葉に、アリアは言葉に詰まった。
アリアは家事などが面倒で苦手だ。だから、その誘惑に少し…いや、かなり心が揺れる。
(だからって、見ず知らずの若い男と一緒に暮らすなんて絶対に無理っ!)
「べっ…別に!それくらい自分で…」
ドンっと目の前に一目見て高級だと分かる肉塊が置かれる。
「因みに、今夜は最高級のブラックベアーの厚切りステーキの予定です」
……………。
「ちゃんと着替えの下着とか持って来た?」
「はい!」
こうして勇者改め、弟子になった青年カイルと一緒に住む事になったのだった。
ーー追伸。
ブラックベアーのステーキは、とても美味しかったです。
「師匠。パンは厚めに切った方がいいですか?」
「あっ、薄めでお願いします」
「わかりました」
テキパキと手慣れた様子で動くイケメン勇者。
アリアは、そんな彼をぼんやりと見つめる。暫くすると、目の前に美味しそうなフレンチトーストが置かれる。
「お待たせしました。どうぞ、熱いので気を付けて下さい」
「……いただきます」
フォークで一口サイズに切り口に入れる。
「旨っ!」
「喜んで貰えて良かったです」
あまりの美味しさに、アリアは夢中になって食べる。そして、食べ始めて五分も経たずに最後の一口を口に入れる。
「美味しかった…」
「どうぞ、食後のコーヒーです。ミルクと砂糖はお好みで入れて下さい」
「ありがとう」
目の前に置かれたコーヒーに、ミルクを入れて飲む。そうして、ホッと一息つく。
「………って!何和んでんの私!?しっかりしろ!」
頭を左右に振り、目の前のエプロン姿のイケメンを見る。
「不味かったですか?」
「ううん。凄く美味しかった…って違う!何で家に居るの!」
「何でって。昨日、弟子にしてくれたじゃ無いですか」
不思議そうにこちらを見るイケメン。
「いや、してないよ…。だとしても何で家に居るのよ!」
「今日から此処に住もうかと」
「何勝手に決めてるの!?駄目だからね!!」
何故、家主に断りもなく勝手に決めてるんだこの男は。全身で拒否するアリアに、カイルは言った。
「家事、洗濯、掃除。全てやります」
「うっ…!」
その言葉に、アリアは言葉に詰まった。
アリアは家事などが面倒で苦手だ。だから、その誘惑に少し…いや、かなり心が揺れる。
(だからって、見ず知らずの若い男と一緒に暮らすなんて絶対に無理っ!)
「べっ…別に!それくらい自分で…」
ドンっと目の前に一目見て高級だと分かる肉塊が置かれる。
「因みに、今夜は最高級のブラックベアーの厚切りステーキの予定です」
……………。
「ちゃんと着替えの下着とか持って来た?」
「はい!」
こうして勇者改め、弟子になった青年カイルと一緒に住む事になったのだった。
ーー追伸。
ブラックベアーのステーキは、とても美味しかったです。
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