彼女の秘密！

月夜の下で4

「…わからない」
「え？」
「お前の…リリアの何処を好きなのかハッキリとはわからない」

（何それ？）

もう先輩が何を言ってるのか理解出来ない。それは私だけでなく此処に誰かいたら皆んなが同じ事を思っただろう。

「でも…」

その強い輝きを放つ瞳に私を映す。

「リリアが剣を持ってミアを背に庇い魔物化した生徒に立ち向かう姿を見た瞬間、俺の何かが叫んだんだ」

ーー好きだ
ーー今度こそ約束を守る

「意味…分かんない」
「だから何処が好きかって言われても答えられない。だがこれだけは事実だ。俺はお前が好きだ」

その言葉でわかった。わかってしまった。だってアイツと同じ言葉を言うんだから。

わからない筈ないじゃ無いか。

だって…アイツは私の愛した人だから。

「はっ…」

片手で顔を覆う。
あぁ、視界が滲む。月明かりが一層朧に映り幻想的な雰囲気になる。

「だから悲しいなら頼れ。辛いなら叫べ。助けてって言えよ。必ず俺が助けてやる」


ーーやめて

ーーそんな事言わないで

ーー縋ってしまいそうになる

ーー貴方だから

ーーあの人の魂を持つ貴方に言ってしまいそうになる

ーー助けてと


そんなの言えるわけない。二度と言えるわけない。だってあの時…。私が貴方に助けを求めたから。


ーー貴方は死んだのだから