彼女の秘密！

魔物討伐2

それはただの蛇だった。
魔力の暴走もなくただの蛇として一生を終えるはずだった。

「うん。君にしよう。僕の為に大暴れしてね」

目の前に現れた黒パーカーの男が蛇に手をかざす。すると黒い霧が出て来て蛇を呑み込む。苦しげにのたうち回る蛇の中に黒い霧が全て入る。

「それじゃあよろしくね」

男の目の前には黒い二本の角を持つ体長5ｍはある赤い目を持つ黒い蛇。その蛇は男の言葉を聞くと静かに森の中に入って行った。


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あの後、ミアと二人で討伐クリア数の魔物を倒したので入り口まで戻っていた。

「結構戻ってる人多いね。…あのバカはまだなんだ」
「心配…？」
「なっ！ち…違うよ！別にミアは心配なんて…！」

顔を赤くし力一杯否定するミアはとても微笑ましい。

「本当なんだからね！」
「ふふっ。分かったってば」

あぁ、本当に楽しい。
学園に通い友達と楽しくお喋りして笑い合う。

（この学園に来て良かったな…）

「今ここに戻って来ている生徒は他の先生と共に先に学園に戻って貰います。速やかに先生に従い行動して下さい」

Sクラスの担任ドーラン先生がそう言うと他のクラスの先生が生徒を一箇所に呼ぶ。私達も先生の元に向かう。

「っ！先生っ！！」

その時だった。

一人の生徒が森から飛び出して来た。その男子生徒は全身傷だらけで転がるように先生達の元に駆け寄る。

「どうしたんですか！」
「おっ…奥にAクラスの魔物が！ハイド君が…！ハイド君が今戦って！」

その言葉を聞いた途端、ミアが森の奥に走り出す。

「ミアッ！」

私も慌ててミアを追い掛ける。

「待ちなさい！二人とも戻りなさい！」

先生の声が聞こえたが私達は振り向かなかった。