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第1章
朝から皆んなでソワソワしてます
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三日後。
(遂に、待ちに待った日が来た!一体、何の食材をくれるんだろう…)
今日は、待ちに待った来客がやって来る日だ。マリオンは、朝からソワソワしていた。
「マリ姉、少しは落ち着いたら?」
そんなマリオンを見て、朝食を運んでいるミミが呆れた様に話す。
「そんなこと言われても…。だって、食材を大量に貰えるんだよ?もう、嬉し過ぎて……」
「それは、私も同じだよ。でも、流石にマリ姉達みたいにソワソワしないよ」
(マリ姉達………?)
何の事だろうと首を傾げると、ミミが無言でマリオンの背後を指差す。そうして、背後を振り返るとーー。
(マジか…)
テイルにトック、それにサラがマリオンと同じ様にソワソワと落ち着き無く席に座っていた。
「な、なぁ院長先生!来客は、まだなのか?」
待ち切れないとばかりに、テイルがガスに質問する。それにトックとサラも視線で質問してくる。スープの入った皿をテーブルに並べていたガスは、そんな子供達の様子を微笑ましげに見つめながら口を開く。
「お客様は、お昼頃に来る予定です。だから、後6時間はあるでしょうか」
「えーーっ!マジかよ!」
「後、6時間…」
「まだ来ないんだ…」
テイル、トック、サラの順にそれぞれ不満げな声を上げる。そんな三人を見て、ガスはニッコリと笑う。
「大丈夫ですよ。部屋の掃除をして教会で勉強をすれば、あっという間に約束の時間になります」
「勉強か~。オレは、身体を動かす方が得意なんだよなぁ…」
「テイルは馬鹿だからね」
「何だと!!」
ミミの言葉に、テイルがテーブルに手を付いて立ち上がる。
「何よ、本当のことでしょ?この間の計算の問題、解けてなかったじゃ無い」
「あれは、かなり難しかったんだよ!」
「最年少のサラにだって解けたわよ?」
「グッ…!」
「テイルは、すぐ授業中に寝るから」
「そ、それは…」
「テイルが私より馬鹿なのは事実でしょ?悔しかったら、私より良い点を取って見なさいよ」
ミミに口では勝てないと悟ったテイルは、悔しげにミミを睨みながら大人しく席に座る。そんなメイルを見て、ミミはフンッと鼻を鳴らしてから朝食の準備を再開した。
『おっかねぇなぁ。あれは将来、旦那は尻に敷くタイプの女になるぜ…』
そのやり取りを見ていたガンダルが、ボソッと呟く。
(確かに……)
ミミは、あの歳でしっかりとした子だ。それに、頭も良い。そんじょそこらの男では、彼女の尻に敷かれるだろう。
そうしているうちに、朝食を全て並べ終えた。皆が席に着いたのを確認してから、ガスが祈りの言葉を捧げる。
「では、『命に感謝を』」
「「「「「命に感謝を」」」」」
それから皆んなで今日の予定を確認し合いながら朝食を食べる。
「それでは、各自の部屋を掃除し終わったら教会で勉強を頑張って下さい。マリオンは、私と共に残りの部屋の掃除をお願いしますね」
「わかりました」
そうして、食事を終えてから部屋の掃除を行った。掃除が終わると、子供達は勉強の為に教会へ。残ったガスとマリオンで残りの部屋の掃除を。
そうしているうちに、あっという間に時間が過ぎ約束の時間になった。
(遂に、待ちに待った日が来た!一体、何の食材をくれるんだろう…)
今日は、待ちに待った来客がやって来る日だ。マリオンは、朝からソワソワしていた。
「マリ姉、少しは落ち着いたら?」
そんなマリオンを見て、朝食を運んでいるミミが呆れた様に話す。
「そんなこと言われても…。だって、食材を大量に貰えるんだよ?もう、嬉し過ぎて……」
「それは、私も同じだよ。でも、流石にマリ姉達みたいにソワソワしないよ」
(マリ姉達………?)
何の事だろうと首を傾げると、ミミが無言でマリオンの背後を指差す。そうして、背後を振り返るとーー。
(マジか…)
テイルにトック、それにサラがマリオンと同じ様にソワソワと落ち着き無く席に座っていた。
「な、なぁ院長先生!来客は、まだなのか?」
待ち切れないとばかりに、テイルがガスに質問する。それにトックとサラも視線で質問してくる。スープの入った皿をテーブルに並べていたガスは、そんな子供達の様子を微笑ましげに見つめながら口を開く。
「お客様は、お昼頃に来る予定です。だから、後6時間はあるでしょうか」
「えーーっ!マジかよ!」
「後、6時間…」
「まだ来ないんだ…」
テイル、トック、サラの順にそれぞれ不満げな声を上げる。そんな三人を見て、ガスはニッコリと笑う。
「大丈夫ですよ。部屋の掃除をして教会で勉強をすれば、あっという間に約束の時間になります」
「勉強か~。オレは、身体を動かす方が得意なんだよなぁ…」
「テイルは馬鹿だからね」
「何だと!!」
ミミの言葉に、テイルがテーブルに手を付いて立ち上がる。
「何よ、本当のことでしょ?この間の計算の問題、解けてなかったじゃ無い」
「あれは、かなり難しかったんだよ!」
「最年少のサラにだって解けたわよ?」
「グッ…!」
「テイルは、すぐ授業中に寝るから」
「そ、それは…」
「テイルが私より馬鹿なのは事実でしょ?悔しかったら、私より良い点を取って見なさいよ」
ミミに口では勝てないと悟ったテイルは、悔しげにミミを睨みながら大人しく席に座る。そんなメイルを見て、ミミはフンッと鼻を鳴らしてから朝食の準備を再開した。
『おっかねぇなぁ。あれは将来、旦那は尻に敷くタイプの女になるぜ…』
そのやり取りを見ていたガンダルが、ボソッと呟く。
(確かに……)
ミミは、あの歳でしっかりとした子だ。それに、頭も良い。そんじょそこらの男では、彼女の尻に敷かれるだろう。
そうしているうちに、朝食を全て並べ終えた。皆が席に着いたのを確認してから、ガスが祈りの言葉を捧げる。
「では、『命に感謝を』」
「「「「「命に感謝を」」」」」
それから皆んなで今日の予定を確認し合いながら朝食を食べる。
「それでは、各自の部屋を掃除し終わったら教会で勉強を頑張って下さい。マリオンは、私と共に残りの部屋の掃除をお願いしますね」
「わかりました」
そうして、食事を終えてから部屋の掃除を行った。掃除が終わると、子供達は勉強の為に教会へ。残ったガスとマリオンで残りの部屋の掃除を。
そうしているうちに、あっという間に時間が過ぎ約束の時間になった。
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