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魔法学園編
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(あっぶなかったーーっ!!)
本当にヤバかった。
声を出すのがもう少し遅かったら、まず間違い無くカイルはあの少女を消していた。
(本気で聖剣出そうとしてたしっ!いや、確かにあの状況なら私も同じ事をしようとした可能性が…)
「師匠、本当にありがとうございます」
「いや、こっちこそごめん。食い付くとは思ってたけど……まさか、あんな風に食い付いて迫って来るとは思わなかったよ」
確かにあまり人目につきにくい場所ではあったが、服を乱して迫るとは思わなかった。
ーーあれは、誰が何と言おうと痴女である。
「まさか、学園内に痴女がいるとは思わなかった…」
「俺もです。……いや、誰もがいるとは思ってない筈です」
何処かげっそりとしたカイル。
しかし、カイルのお陰で良いモノが撮れた。
「でも、カイルのお陰で証拠の一つとして良いモノが撮れたよ」
そう言って、撮影用魔道具を見せる。
この中には、痴女の姿で無理矢理カイルに迫る少女の姿が撮影されている。これは、グフィムに証拠として提出する予定だ。
「ですが、もっと証拠が入りますよね?」
「まぁね。でも、この調子だと直ぐに色々手に入ると思うけどね~」
最終的には、魅了の魔法を放つ何かを手に入るのが目的だ。
その為にはーー。
「カイル、もう少し頑張ってね」
「………………………頑張ります」
心底嫌そうだが、渋々…そう渋々頷くカイル。
気持ちは分かるが、この為に物凄く顔の良いカイルを連れて来たのだ。それに、勇者は様々な状態異常に耐性を持つ。
顔も良く魅了に耐性を持つ、今回の件にまさにうってつけの人材なのである。
「あっ、そうだ。渡して置いたアレ、見せて」
「はい」
カイルは、胸元から白い石の付いたネックレスを取り出す。
「うん。少し黒くなってるね」
カイルに渡した時は白かった石が、少し黒く濁っていた。
「これで確定だね」
「ですね」
この石は、アリアが作った魅了魔法に反応する魔道具である。魅了魔法に反応して、石が黒くなるのだ。
「最初の接触でこの濁り方だと、直ぐに真っ黒くなるね」
「それだけ、魅了の力が強いということですね」
魅了魔法は、本人が使うにしても魔道具を使うにしても、使用者が望まない限り発動しない。あの少女が魅了の魔道具と知らずに使っていたとしても、これほど強い魅了の力を使っているのだ。本人がそれほど強く相手が自分に夢中なる様に望んだと言うことだ。
「まぁ、例え知らなかったとしても完全にあの子は制裁を受けるだろうけどね」
可哀想だとは思わない。
現に、カイルに迫った方法はあの少女の意思なのだから。元々、見目の良い異性が大好きなのだろう。そんな相手に同情するほど、アリアは優しく無いのだ。
本当にヤバかった。
声を出すのがもう少し遅かったら、まず間違い無くカイルはあの少女を消していた。
(本気で聖剣出そうとしてたしっ!いや、確かにあの状況なら私も同じ事をしようとした可能性が…)
「師匠、本当にありがとうございます」
「いや、こっちこそごめん。食い付くとは思ってたけど……まさか、あんな風に食い付いて迫って来るとは思わなかったよ」
確かにあまり人目につきにくい場所ではあったが、服を乱して迫るとは思わなかった。
ーーあれは、誰が何と言おうと痴女である。
「まさか、学園内に痴女がいるとは思わなかった…」
「俺もです。……いや、誰もがいるとは思ってない筈です」
何処かげっそりとしたカイル。
しかし、カイルのお陰で良いモノが撮れた。
「でも、カイルのお陰で証拠の一つとして良いモノが撮れたよ」
そう言って、撮影用魔道具を見せる。
この中には、痴女の姿で無理矢理カイルに迫る少女の姿が撮影されている。これは、グフィムに証拠として提出する予定だ。
「ですが、もっと証拠が入りますよね?」
「まぁね。でも、この調子だと直ぐに色々手に入ると思うけどね~」
最終的には、魅了の魔法を放つ何かを手に入るのが目的だ。
その為にはーー。
「カイル、もう少し頑張ってね」
「………………………頑張ります」
心底嫌そうだが、渋々…そう渋々頷くカイル。
気持ちは分かるが、この為に物凄く顔の良いカイルを連れて来たのだ。それに、勇者は様々な状態異常に耐性を持つ。
顔も良く魅了に耐性を持つ、今回の件にまさにうってつけの人材なのである。
「あっ、そうだ。渡して置いたアレ、見せて」
「はい」
カイルは、胸元から白い石の付いたネックレスを取り出す。
「うん。少し黒くなってるね」
カイルに渡した時は白かった石が、少し黒く濁っていた。
「これで確定だね」
「ですね」
この石は、アリアが作った魅了魔法に反応する魔道具である。魅了魔法に反応して、石が黒くなるのだ。
「最初の接触でこの濁り方だと、直ぐに真っ黒くなるね」
「それだけ、魅了の力が強いということですね」
魅了魔法は、本人が使うにしても魔道具を使うにしても、使用者が望まない限り発動しない。あの少女が魅了の魔道具と知らずに使っていたとしても、これほど強い魅了の力を使っているのだ。本人がそれほど強く相手が自分に夢中なる様に望んだと言うことだ。
「まぁ、例え知らなかったとしても完全にあの子は制裁を受けるだろうけどね」
可哀想だとは思わない。
現に、カイルに迫った方法はあの少女の意思なのだから。元々、見目の良い異性が大好きなのだろう。そんな相手に同情するほど、アリアは優しく無いのだ。
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