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第3章

No.67 魔力の循環

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「まず、自身の中の魔力を感じてみましょう。目を閉じ、自身の中の魔力の流れを感じ取ってみてください」

先生の教えの通りに目を瞑り魔力を感じ様とする。

(…ん~。何も感じないなぁ)

魔力の魔の字も感じない。
私の魔力が少な過ぎるのか、それとも才能が無いのか。

「眉間に皺を寄せても魔力は感じ取れません。いいですか?血の流れに沿って感じ取るのです。心臓から指先へ。指先から足先へ。そうして再び心臓へ。全身を巡る魔力を感じ取るのです」

(全身を巡る血の様に…)

心臓から押し出された血が全身を巡る…。すると、どうだろう。今まで何も感じられなかったのに何かを感じる。暖かくそれでいて力強い何か。

「皆さん、感じ取れた様ですね。魔力とは人によって感じ方が違います。後で、友達とどういった感じだった話し合ってみてください。とても面白いですよ。……では次に、その感じた魔力を自身の意思で動かしてみましょう。流れる魔力を一定の量で流れる感じをイメージして下さい。今、皆さんの中の魔力はバラバラな量で全身を流れています。それを一定の量で流せる様になって初めて魔力操作が出来たと言えます」

(一定の量で流す。一定の量で…)

確かに感じ取った魔力は、力を強く感じる時と弱く感じる時があり量がバラバラな感じがする。それを一定の量で流そうとするが、全く上手く出来ない。

「先生、上手く出来ないです」

先生の近くの女子が不満げに声を上げる。

「こればっかりは、自身の力で出来る様になるしかありません。ですが、毎日魔力を感じ取っていれば自ずと出来る様になります。魔力操作が出来る様になったら、常に一定の量で魔力を循環させて下さい。滞る事なく常に魔力を循環させる事は、魔力操作の精度を上げて身体の調子も良くなりますからね」

ーーカーン、カーン

先生が話し終わると同時に、鐘の音が辺りに響く。

「もう、こんな時間ですか。今日の授業は此処までにします。今回、魔力を感じ取れなかった人は次の授業までに感じ取れる様になるか私の所に来る事。魔力を感じ取った人は、次回までに魔力操作を覚える事。それでは、次の授業に向かって下さい」
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