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超常現象 夕焼けの彼方に
しおりを挟む父と良く歩いた堤防を今は1人で歩いている。
アスファルトで固められた道路の道脇からは、力強く雑草達が道路の中へと飛び出し、車が通るには極端に狭い。勿論、そんな道路だから車の交通量は0と言ってもいい。
私は道路の真ん中を悠々気儘に家路に着いている訳だが、突然、後ろから猛スピードで走って来る軽トラックに気が付き、雑草の中へと身体を埋めた。
(こんな所に入って来るかね……)
案の定、軽トラックは雑草達を薙ぎ倒しながら進んで来る。
進んで、進んで、俺の目の前で止まった。
何故??止まる……こっちはちゃんと避けているというのに。
フロントガラスから運転席を覗き込む。
ん?あれ??
はっ??
誰も乗って居ないじゃないか!!?!?
サーーーーッと吹く秋風に、周囲の雑草達が
カサカサッと一斉に揺れた。
何やら背筋に悪寒を感じ振り返ると、
去年死んだ筈の父がそこに立って居るでは無いか。
夕日がバックで逆光になり、顔は真っ黒で表情まではわからないが、あの立ち姿は父だ。
見間違える筈がない……
「親父。。。。」
と一言だけ呟いた……
父と良く歩いた堤防を父と2人で歩いている。
そこでどんな会話をしたかはご想像にお任せします。
遠くで救急車の声が聞こえて来る。
ピーポーピーポーと、近づいでくる。
何だと思い振り返る事はしない。
軽トラはどうなった??そんな事は思わない……
父と良く歩いた堤防を父と2人で歩いている。
そこでどんな会話をしたかはご想像にお任せします。
西日は何故か眩しくも無く、伸びる筈の2人の影は乾いたアスファルトには映らない。
さぁ。家に帰ろうと、
父と2人で堤防を歩く。
そこでどんな会話をしたかはご想像に
お任せします。
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