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櫻井 珠緒 という名の女子高生
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モクモクモクと空高く立ち上がる巨大な入道雲を見て、あの中にラピュタがあるかも…?と思った事のある日本人の割合は82%だ。
「ーーー……それ本当ですか??何調べです??」
[俺]調べです。
「何ですかそれ?当てになりませんね、ただの勘って事ですか?」
勘じゃ無い!![俺]調べだ。
例えばよ 2時間残業 肉体労働 工場勤めの40代の男が、暑いなぁぁと、疲れたなぁぁと駐車場に向かって歩るいていると、夕暮れ時の西の空には巨大な入道雲さ。
まだあるぜ。例えばよ 育児休暇を取得した20代の母親が、おさな子の手を引き公園に向かう途中、躓き転んだしまった我が子を抱き抱え、「ほら 見て 大きな雲だねぇぇ」
まだまだあるぜ!!勉強、勉強、勉強と、死に物狂いで勉強に明け暮れる浪人生が、机に嚙り付き、何やら訳のわからん公式をブツブツと唱えていると、嫌気が差し、気分転換に窓の外を眺めてみる。
あーーーでっけぇぇぇなって。。
ほらな!!その時、その時々で、人はあの巨大な雲の中に、まだ見知らぬ未開の土地があるのかもしれないと思い、想いを馳せるのさ。
「そうなんですか……それにしても中々 高い割合ですね。そんなに皆さん夢見がちなんですかね??」
そうさ こんな時代さ 人が夢を見て何がおかしい?
夢を見なくなったら、それでこそ、もうおしまいだ。
「そうですねぇ。ご忠告ありがとうございます……」
「でも おしまいなのは貴方の方なんですけどね……」
「他に何か言い残す事はありませんか?」
あーー無い。と彼は言った。
新幹線の高架下の河原から、東の空を見つめる彼は、その先に大きな入道雲を見ていたのだろうか……
天気は生憎の雨で、どんよりとした曇り空だったのだが、私の目には確かにそう映ったのだ。
「ノウマク サンマンダ バサラダン センダン マカロシャダ ソワタヤ ウンタラタ カンマン ノウマク サンマンダ バサラダン センダン マカロシャダ………………」
不動明王真言に乗せて彼の身体は徐々に薄くなりやがて消えて行く。
(夢みがちな人を好んで取り憑いていたのかしら?
確かに……取り憑いたならその人の思考は手に取るようにわかるよね……)
「82%か……」
残暑もだいぶ和らいで、河原の土手には彼岸花が咲き誇る。
ちなみに明日の天気は?と思いスマートフォンに聞いてみると、どうやら明日は晴れそうだ。
もしかしたら入道雲が見れるかもしれない。
そしたら、うん、そしたら夢でもみてみようかしら…………そう思う私は。
『櫻井 珠緒』しがない家系に産まれた、しがない女子高生で、霊媒師だ。
「ーーー……それ本当ですか??何調べです??」
[俺]調べです。
「何ですかそれ?当てになりませんね、ただの勘って事ですか?」
勘じゃ無い!![俺]調べだ。
例えばよ 2時間残業 肉体労働 工場勤めの40代の男が、暑いなぁぁと、疲れたなぁぁと駐車場に向かって歩るいていると、夕暮れ時の西の空には巨大な入道雲さ。
まだあるぜ。例えばよ 育児休暇を取得した20代の母親が、おさな子の手を引き公園に向かう途中、躓き転んだしまった我が子を抱き抱え、「ほら 見て 大きな雲だねぇぇ」
まだまだあるぜ!!勉強、勉強、勉強と、死に物狂いで勉強に明け暮れる浪人生が、机に嚙り付き、何やら訳のわからん公式をブツブツと唱えていると、嫌気が差し、気分転換に窓の外を眺めてみる。
あーーーでっけぇぇぇなって。。
ほらな!!その時、その時々で、人はあの巨大な雲の中に、まだ見知らぬ未開の土地があるのかもしれないと思い、想いを馳せるのさ。
「そうなんですか……それにしても中々 高い割合ですね。そんなに皆さん夢見がちなんですかね??」
そうさ こんな時代さ 人が夢を見て何がおかしい?
夢を見なくなったら、それでこそ、もうおしまいだ。
「そうですねぇ。ご忠告ありがとうございます……」
「でも おしまいなのは貴方の方なんですけどね……」
「他に何か言い残す事はありませんか?」
あーー無い。と彼は言った。
新幹線の高架下の河原から、東の空を見つめる彼は、その先に大きな入道雲を見ていたのだろうか……
天気は生憎の雨で、どんよりとした曇り空だったのだが、私の目には確かにそう映ったのだ。
「ノウマク サンマンダ バサラダン センダン マカロシャダ ソワタヤ ウンタラタ カンマン ノウマク サンマンダ バサラダン センダン マカロシャダ………………」
不動明王真言に乗せて彼の身体は徐々に薄くなりやがて消えて行く。
(夢みがちな人を好んで取り憑いていたのかしら?
確かに……取り憑いたならその人の思考は手に取るようにわかるよね……)
「82%か……」
残暑もだいぶ和らいで、河原の土手には彼岸花が咲き誇る。
ちなみに明日の天気は?と思いスマートフォンに聞いてみると、どうやら明日は晴れそうだ。
もしかしたら入道雲が見れるかもしれない。
そしたら、うん、そしたら夢でもみてみようかしら…………そう思う私は。
『櫻井 珠緒』しがない家系に産まれた、しがない女子高生で、霊媒師だ。
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