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推し活
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これは長身の女マリ(仮名)と眼鏡をかけた女ヒトミ(仮名)があるお店に行く決心をする迄のお話。※2人の年齢は20代前半です。
とある会社のとあるオフィスの一室で、昼休みにヒトミはいつも通りのサンドイッチを口にしていた。
同僚のマリがすらっと長い足を活かして、マリのデスクの上に座りかけたのは、ヒトミが最後の一口を口に入れた時だった。
「ねーねーヒトミこれ見てよ」
マリはヒトミの机の上に腰を降ろし、ヒトミの顔に自分の携帯を近づけて、あるお店の宣伝のページを見せる。
「ふーふーフゴッ!」
「フゴッってヒトミ…口の中の物飲み込んでから喋りなよ」
口の中のサンドイッチは、レタスとチーズとハムとパンがいい具合に混じりあってそろそろ飲み込むタイミングだ。
「凄っ!!腕とかヤバっ」
ヒトミは眼鏡を掛け直し、食い入る様にマリの携帯を見て興奮している。
「でしょ!!ヤバくない?ほら見てこの胸凄くない?」
マリもそれを煽る様に携帯の画面をスライドさせてページを捲っていった。
ヒトミもそれに合わせるように、手を口に持っていったり、足をばたつかせたり、「えーー」「うそーー」「やばーー」などと発しながら一喜一憂していた。
そんな2人の昼休みである。
「このお店何処にあるの?」
「◯◯区の◯◯通り」
「近いじゃん~~」
「仕事帰りに行ってみる?」
「えーーでも高いんじゃないの?」
「普通はね。だけどここ見て今イベント中でご新規様はワンセット無料なんだって」
「まじ?」
「まじ」
「でもちょっと恥ずかしいな……」
「そりゃ私だって恥ずかしいよ。でもこんなチャンスは2度と無いかもよ?」
「うーーん……」
「いいの?こんな絶滅危惧種みたいな人達そうそう居ないよ?触りたくないの?」
「うーーん……でもな……うーーん……」
「いいよ。わかった。じゃあ一人で行くわ」
「待った!!」
「よし!!来た!!行く??」
「行く!!」
「よっしゃー!!そう来なくっちゃ。行くと決まれば……推しメン探すぞーー!!」
「オーー!!」
どうやら、2人の心は決まったみたいだ。
そんな2人が今日仕事帰りに行くお店の名前は
ーホストクラブー
『ジョリジョリ髭とワサワサ体毛』
男性が当たり前の様に脱毛をする時代。
それが行き過ぎて世の男性から毛という毛が無くなってしまったら……
体毛フェチの女性はどうするのだろうか?
近い将来本当にこういうお店が出来るかもしれない。
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「ねーねーヒトミこれ見てよ」
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「ふーふーフゴッ!」
「フゴッってヒトミ…口の中の物飲み込んでから喋りなよ」
口の中のサンドイッチは、レタスとチーズとハムとパンがいい具合に混じりあってそろそろ飲み込むタイミングだ。
「凄っ!!腕とかヤバっ」
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「でしょ!!ヤバくない?ほら見てこの胸凄くない?」
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そんな2人の昼休みである。
「このお店何処にあるの?」
「◯◯区の◯◯通り」
「近いじゃん~~」
「仕事帰りに行ってみる?」
「えーーでも高いんじゃないの?」
「普通はね。だけどここ見て今イベント中でご新規様はワンセット無料なんだって」
「まじ?」
「まじ」
「でもちょっと恥ずかしいな……」
「そりゃ私だって恥ずかしいよ。でもこんなチャンスは2度と無いかもよ?」
「うーーん……」
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「うーーん……でもな……うーーん……」
「いいよ。わかった。じゃあ一人で行くわ」
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