9 / 87
炭の正体
しおりを挟む
「これよく燃えるね。これ何入れたの?」
知らない男が僕に声をかけて来たのは、僕が色々な物をぶちこんで焚き火をしていた時の事です。
「あーーこれはですね。これはそうだね。色々ですよ。色々と。本来は燃やしちゃいけない物なんですけどね。何分これが良く燃えるもんだから、ついね。ついです」
「ちょっと当たってもいいかい?」
「ご自由にどうぞ」
「こりゃあ。ありがてぇ。ちょうど道に迷っちまってね」
始めはそんな感じで焚き火で暖を取り始めたって訳。
「兄ちゃんはあれかい?ここら辺の人かい?」
「ここら辺?」
「とぼけたってそりゃあ兄ちゃん、道理が通らねぇってもんだい」
僕は頭を掻きながら、恥ずかしい思いに掻き立てられ、一拍置いて白状したのです。
「そうですが何か?」
男は大声で笑い出したってんだから気分が悪い。
「ワハハハハハハ……こりゃあ面白い。腹が痛い。ワハハハハハハ」
一通り笑い終えて気が済んだのか。男は真面目な顔で口を開いたって。
一方、僕はと言うと、笑われて腹が立ち黙って燃え上がる炎を見上げてたんです。
「で兄ちゃん、その炎…何を燃やしてんだい?」
「…………………………」
「で兄ちゃん、その炎…何を燃やしてんだい?」
口篭る僕に男は再度尋ねてくる。
しつこい……
繰り返し繰り返し尋ねて来る訳です。
「で兄ちゃん、その炎…何を燃やしてんだい?」
「で兄ちゃん、その炎…何を燃やしてんだい?」
「で兄ちゃん、その炎…何を燃やしてんだい?」
「……わかったよ…言うよ……戦争とかで…」
「あーーー?声が小さくて聞こえねぇな!!」
男は少し喧嘩腰で問いてくる。
僕は観念したが、平謝りという訳にはいかない。それはそれは人のサガという物。開き直り逆ギレです。
「そうだよ!!これは戦争とかそう言う醜い争いで起こした残骸だよ!!妬み恨みそういう感情が1番燃えるんだよ!!なんか悪いのかよ!!皆やってる事なんだよ!!皆やってるからいいんだよ。皆やってるから……なんとか言えよ!!クソっ………」
急に逆ギレされて男はビックリしたが、少し経って落ち着いて。静かに炎の行方を見つめている。
炎の燃え立つ先には
青く綺麗な星があった。
ここは地球の外。宇宙空間のど真ん中。
僕は地球人。
男は宇宙人。
知らない男が僕に声をかけて来たのは、僕が色々な物をぶちこんで焚き火をしていた時の事です。
「あーーこれはですね。これはそうだね。色々ですよ。色々と。本来は燃やしちゃいけない物なんですけどね。何分これが良く燃えるもんだから、ついね。ついです」
「ちょっと当たってもいいかい?」
「ご自由にどうぞ」
「こりゃあ。ありがてぇ。ちょうど道に迷っちまってね」
始めはそんな感じで焚き火で暖を取り始めたって訳。
「兄ちゃんはあれかい?ここら辺の人かい?」
「ここら辺?」
「とぼけたってそりゃあ兄ちゃん、道理が通らねぇってもんだい」
僕は頭を掻きながら、恥ずかしい思いに掻き立てられ、一拍置いて白状したのです。
「そうですが何か?」
男は大声で笑い出したってんだから気分が悪い。
「ワハハハハハハ……こりゃあ面白い。腹が痛い。ワハハハハハハ」
一通り笑い終えて気が済んだのか。男は真面目な顔で口を開いたって。
一方、僕はと言うと、笑われて腹が立ち黙って燃え上がる炎を見上げてたんです。
「で兄ちゃん、その炎…何を燃やしてんだい?」
「…………………………」
「で兄ちゃん、その炎…何を燃やしてんだい?」
口篭る僕に男は再度尋ねてくる。
しつこい……
繰り返し繰り返し尋ねて来る訳です。
「で兄ちゃん、その炎…何を燃やしてんだい?」
「で兄ちゃん、その炎…何を燃やしてんだい?」
「で兄ちゃん、その炎…何を燃やしてんだい?」
「……わかったよ…言うよ……戦争とかで…」
「あーーー?声が小さくて聞こえねぇな!!」
男は少し喧嘩腰で問いてくる。
僕は観念したが、平謝りという訳にはいかない。それはそれは人のサガという物。開き直り逆ギレです。
「そうだよ!!これは戦争とかそう言う醜い争いで起こした残骸だよ!!妬み恨みそういう感情が1番燃えるんだよ!!なんか悪いのかよ!!皆やってる事なんだよ!!皆やってるからいいんだよ。皆やってるから……なんとか言えよ!!クソっ………」
急に逆ギレされて男はビックリしたが、少し経って落ち着いて。静かに炎の行方を見つめている。
炎の燃え立つ先には
青く綺麗な星があった。
ここは地球の外。宇宙空間のど真ん中。
僕は地球人。
男は宇宙人。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
異界劇場 <身近に潜む恐怖、怪異、悪意があなたを異界へと誘うショートショート集>
春古年
ホラー
身近に潜む恐怖、怪異、悪意があなたを異界へと誘うショートショート集。
通勤通学、トイレ休憩のお供にどうぞ♪
Youtubeにて動画を先行公開中です。
2023年2月28日現在、通常動画とショート動画合わせて約50本の動画を公開しています。
次のURLか、Youtubeにて"異界劇場"とご検索下さい。
https://www.youtube.com/@ikaig
是非、当チャンネルへのお越しをお待ちしております。
第6回ホラー・ミステリー小説大賞参加中!
😊😊😊投票をお願いします😊😊😊
短な恐怖(怖い話 短編集)
邪神 白猫
ホラー
怪談・怖い話・不思議な話のオムニバス。
ゾクッと怖い話から、ちょっぴり切ない話まで。
なかには意味怖的なお話も。
※追加次第更新中※
YouTubeにて、怪談・怖い話の朗読公開中📕
https://youtube.com/@yuachanRio
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる