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第3章 反撃
3話 審判の日
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坂上所長が自殺して、研究所は行き詰まり、閉鎖となったの。
でも、坂上さんは自殺するはずはないわ。あれだけ線虫の研究に燃えていたのに。
人類を守るんだといつも熱意をもって語っていた。
ただ、自分で胸を刺すところは多くの人に見られている。
誰も、私の言うことには耳を貸さなかった。
坂上さんの自殺と関係があるのか分からないけど、それから政府要人等の死亡が続いた。
多くの大臣は、心筋梗塞、交通事故、崖から落ちるとか、別々の原因で死亡したの。
線虫を研究してきた主要研究者たちも、大勢、死んでいった。
これは、宇宙人の仕業だろうと噂されていたけど、証拠は一つもなかった。
すでに線虫で大勢が亡くなっていたから、死への意識が薄れていたのかもしれない。
だから、それぞれが別々の死亡として扱われたんだって。
ところで、7月4日攻撃というのは防衛大臣には伝わったのは間違いない。
政府は、東京の居住者に避難を呼びかけたけど、都市伝説の予言とばかにされた。
リーダーシップがある人が全て殺されたので政府の発言力は低下していたの。
しかも、確かに予言なんて昔からいっぱいあるし、ほとんど嘘だったものね。
私も未来を見ていなければ信じなかったかもしれない。
私は、研究所が閉鎖されたのを機に、木村さんと一緒に山梨の別荘に移ることにした。
木村さんはおとなしいタイプだったけど、私から積極的に攻めて付き合っていたの。
親は、7月に入ったら行くからと言っていたけど、本気だったかは分からなかった。
「今日はもう7月3日なのよ。なんで来ないの。」
「また、あの審判の日の話しか。予言なんてありえないんだよ。嘘だから、信じないで冷静に行動をってみんな言っているよ。来週月曜日に、会社で重要な会議があり欠席できないんだよ。それが終わって、8日になったら行くからさ。待っていて。」
「それじゃ遅いんだって。」
「もう遅いし、電話切るよ。じゃあ、来週にね。」
スマホからは、通話が終わった後のプー、プーっていう音が流れていた。
4日というのは私の記憶間違えであってほしい。数日違うかもしれない。
不安の中、私は眠りについた。
そして、審判の日、予言どおり東京は焼け野原になった。
山梨からもかすかにキノコ雲のような爆発が東京方面に見えた。
山梨まで爆風が来ることはなかったけど、新宿のあたりは何も残っていないらしい。
私の親とは連絡が取れなくなっていた。
通信の鉄塔も破壊されたためかもしれないけど、多分、もうこの世にいないと思う。
私は間違っていた。助けられたのに。
宇宙人による人間狩りは始まった。食料だから殺されることはない。
捕らえられて、カプセルホテルのようなところに眠らされるらしい。
そこで、左腕から栄養素を入れられ、右腕から血が抜かれると聞いたわ。
どうも、夜、寝ているところを襲われるらしい。
何かを嗅がされ、意識がなくなると密かに運ばれていく。
人は確実に減っていった。
私は、今こそ立ち上がるべきと狼煙をあげた。
そして、密かに自衛隊が製造した武器でゲリラ戦を行う部隊を編成した。
私と同じ危機感を持っていた人が大勢いたから、すぐに部隊は膨れあがったの。
夜に、家に侵入してきた宇宙人にビームをあてると、想定以上に簡単に殺すことができた。
この近辺で、殺せた宇宙人は2,000体以上にもなり、最近では、夜に襲われることもない。
このことが全国に伝わり、日本から宇宙人は一掃できたかのようにみえたわ。
でも、それは束の間の平和に過ぎなかった。
3ヶ月ほど経つと、宇宙人は武力行使で、人間を捕らえようとしてきたの。
10人確保できれば、1人ぐらい死んでもいいという方針に切り替えたみたい。
これまで住んでいた地域はすぐに戦闘地域に変わっていった。
私は、ゲリラ戦のリーダーとして、部隊を率いた。
私は賛同したわけじゃないんだけど、女性の戦闘への参加は反対者が多かった。
人類は激減して、今後の子孫を残すために女性の数が重要だと。
10人男性と1人女性、1人男性と10人女性とどちらが子供を多く産めるのかって。
それも分かるから、強い志望がない女性は、食事作り班とかになってもらった。
それでも自ら戦いたいという女性もいた。
私は、全体の戦略立案チームに配置されていたの。
これから起きることをかなりの範囲で知っているから。
そして、特攻をする方策を取りたくなかったけど、やむを得なかった。
多くの人が、人類の未来のために死んだ。
実は、特攻で攻撃した後に、敵を殲滅する中で、木村さんも亡くなった。
私が短期間でも過ごしたあの体がもうないことへの喪失感は思ったより大きかった。
大勢の人が亡くなった。
でも、人間は、宇宙人に勝つことができたの。
でも、坂上さんは自殺するはずはないわ。あれだけ線虫の研究に燃えていたのに。
人類を守るんだといつも熱意をもって語っていた。
ただ、自分で胸を刺すところは多くの人に見られている。
誰も、私の言うことには耳を貸さなかった。
坂上さんの自殺と関係があるのか分からないけど、それから政府要人等の死亡が続いた。
多くの大臣は、心筋梗塞、交通事故、崖から落ちるとか、別々の原因で死亡したの。
線虫を研究してきた主要研究者たちも、大勢、死んでいった。
これは、宇宙人の仕業だろうと噂されていたけど、証拠は一つもなかった。
すでに線虫で大勢が亡くなっていたから、死への意識が薄れていたのかもしれない。
だから、それぞれが別々の死亡として扱われたんだって。
ところで、7月4日攻撃というのは防衛大臣には伝わったのは間違いない。
政府は、東京の居住者に避難を呼びかけたけど、都市伝説の予言とばかにされた。
リーダーシップがある人が全て殺されたので政府の発言力は低下していたの。
しかも、確かに予言なんて昔からいっぱいあるし、ほとんど嘘だったものね。
私も未来を見ていなければ信じなかったかもしれない。
私は、研究所が閉鎖されたのを機に、木村さんと一緒に山梨の別荘に移ることにした。
木村さんはおとなしいタイプだったけど、私から積極的に攻めて付き合っていたの。
親は、7月に入ったら行くからと言っていたけど、本気だったかは分からなかった。
「今日はもう7月3日なのよ。なんで来ないの。」
「また、あの審判の日の話しか。予言なんてありえないんだよ。嘘だから、信じないで冷静に行動をってみんな言っているよ。来週月曜日に、会社で重要な会議があり欠席できないんだよ。それが終わって、8日になったら行くからさ。待っていて。」
「それじゃ遅いんだって。」
「もう遅いし、電話切るよ。じゃあ、来週にね。」
スマホからは、通話が終わった後のプー、プーっていう音が流れていた。
4日というのは私の記憶間違えであってほしい。数日違うかもしれない。
不安の中、私は眠りについた。
そして、審判の日、予言どおり東京は焼け野原になった。
山梨からもかすかにキノコ雲のような爆発が東京方面に見えた。
山梨まで爆風が来ることはなかったけど、新宿のあたりは何も残っていないらしい。
私の親とは連絡が取れなくなっていた。
通信の鉄塔も破壊されたためかもしれないけど、多分、もうこの世にいないと思う。
私は間違っていた。助けられたのに。
宇宙人による人間狩りは始まった。食料だから殺されることはない。
捕らえられて、カプセルホテルのようなところに眠らされるらしい。
そこで、左腕から栄養素を入れられ、右腕から血が抜かれると聞いたわ。
どうも、夜、寝ているところを襲われるらしい。
何かを嗅がされ、意識がなくなると密かに運ばれていく。
人は確実に減っていった。
私は、今こそ立ち上がるべきと狼煙をあげた。
そして、密かに自衛隊が製造した武器でゲリラ戦を行う部隊を編成した。
私と同じ危機感を持っていた人が大勢いたから、すぐに部隊は膨れあがったの。
夜に、家に侵入してきた宇宙人にビームをあてると、想定以上に簡単に殺すことができた。
この近辺で、殺せた宇宙人は2,000体以上にもなり、最近では、夜に襲われることもない。
このことが全国に伝わり、日本から宇宙人は一掃できたかのようにみえたわ。
でも、それは束の間の平和に過ぎなかった。
3ヶ月ほど経つと、宇宙人は武力行使で、人間を捕らえようとしてきたの。
10人確保できれば、1人ぐらい死んでもいいという方針に切り替えたみたい。
これまで住んでいた地域はすぐに戦闘地域に変わっていった。
私は、ゲリラ戦のリーダーとして、部隊を率いた。
私は賛同したわけじゃないんだけど、女性の戦闘への参加は反対者が多かった。
人類は激減して、今後の子孫を残すために女性の数が重要だと。
10人男性と1人女性、1人男性と10人女性とどちらが子供を多く産めるのかって。
それも分かるから、強い志望がない女性は、食事作り班とかになってもらった。
それでも自ら戦いたいという女性もいた。
私は、全体の戦略立案チームに配置されていたの。
これから起きることをかなりの範囲で知っているから。
そして、特攻をする方策を取りたくなかったけど、やむを得なかった。
多くの人が、人類の未来のために死んだ。
実は、特攻で攻撃した後に、敵を殲滅する中で、木村さんも亡くなった。
私が短期間でも過ごしたあの体がもうないことへの喪失感は思ったより大きかった。
大勢の人が亡くなった。
でも、人間は、宇宙人に勝つことができたの。
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