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2話 サイコパス
しおりを挟む正樹は、この事件を機に眠れない夜はなくなったと言っていた。
罪悪感からではなく、支配される側から支配する側になった嬉しさから。
世の中では、くだらないやつばかりがのうのうと生きている。
こいつらを指導するために僕は生まれたんだと私に言っていた。
俺は、こいつらをひざまづかせるために生まれたと。
女子高生の手足を切ったときの姿を見たときに、やっと心の平穏が訪れたらしい。
そう、周りの人たちはみんな豚なんだ。
人間の姿なんてしてるんじゃない。
豚なんだから豚の姿でいればいいんだ。
正樹にはそういう暗闇がある。
顔をみられると、私の全てを透かされているみたい。
でも、正樹のことは厚い壁があるかのようで、何を考えているのか全くわからない。
笑顔でも、本心は相手を殺してやると考えているのかもしれない。
そして、決めたことは何があってもやり遂げる。
そこに躊躇という言葉はない。
そんな冷徹な感情が体の中を突き刺している感じ。
正樹のいる部屋は、夏でも、全てが凍り付くよう。
私は、そんな正樹が好き。
神秘的じゃない。
なんの秘密もない男性にドキドキする女なんていないでしょう。
周りに流されている私にはない強さを持っているというか。
相手への同情なんかで判断が揺らいだりなんてしない強さというか。
そんな正樹は、次の女子高生を部屋に隔離した。
私は、その子と正樹がエッチをするときに、横で大笑いをしていた。
ずっと自分の心を押し殺して生きてきたんだから、今更、きれい言なんて言わない。
見ず知らずの女より自分のことが大切だもの。
みんなの雰囲気に合わせるだけ。
何も抵抗できない女を豚、豚といいながら。
この子もいずれ手足を切られるのだと思う。
今度はもっと上手く切るぞと言ってたから。
私は、笑ってその女も痛めつけたの。
彼から嫌われないように。
助けを求める顔を見ないようにして。
その女は私の姿を映し出しているとも思っていた。
だからこそ、汚れた自分を否定したかった気持ちもあったかもしれない。
今、正樹は女子高生を犯してる。
女子高生は毎日のひどい仕打ちに抵抗できない。
もう死ぬしかないと思ってるかも。
私はどうしたらいいの?
同情すれば、次のあの姿は私になる。
今は、正樹と同じ側にいるしかない。
正樹はやり終えて、お前は何を考えているんだと私の顔を覗き込む。
その目の奥底にある闇に怯えながらも、私は笑顔で答えた。
「ねえ、私もムラムラしてきた。抱いて。でも、そんな汚い女とやった体でやるのは嫌よ。臭い女の匂いは洗い流してからにして。」
私は、空き地に放置したドラム缶を見たときに、自分がその中にいるように感じた。
真っ暗の中で、思考を停止し、動く自由もない。
あれは、私なんだ。
しかも、正樹たちに同調しなければ、次にドラム缶に入れられるのは私。
だから怖くて、思ってもいない怖いことをして言ってしまう。
ただ、笑って同じ側にいるんだと言い続けていた。
目の前の女子高生が苦しんでいたのはわかってる。
でも、どうしようもないでしょう。
そうしないと私が攻撃されるんだから。
そもそも、裕福に生きている女子高生が悪いんじゃない。
私達の苦労なんて全く知らずに笑って楽しく生きてきた。
その罪で、こうなったのよ。
私は、思考も奪われ、奴隷のように生きてきた。
いつも、周りに同調して、自由がなかった。
だから、あんな攻撃を受けるようなことはないの。
いつも苦痛を味わっているから。
人間って、苦労と楽しみをプラスマイナスするとみんな同じなのよ、きっと。
だから楽ばかりしている人は、ひどい苦労を背負う罰を受けるの。
この女子高生もそう。私のせいじゃなくて、本人のせい。
もしかしたら、クラスメイトをいじめていた罰かもしれない。
私は、神様の代わりに天罰を下しただけ。
そう、私は悪くない。
あの事件から2年経った頃、あの空き地でビル建設工事が始まり、ドラム缶が撤去された。
その際に、中身を確認したところ、女の遺骨が発見された。
手足が切断されていることも確認された。
警察では大騒ぎとなり、捜査が進む。
そして、正樹の働いていた工務店のドラム缶だと突き止められた。
コンクリートの中からとんでもないものが見つかったことを私たちは知らなかった。
罪悪感からではなく、支配される側から支配する側になった嬉しさから。
世の中では、くだらないやつばかりがのうのうと生きている。
こいつらを指導するために僕は生まれたんだと私に言っていた。
俺は、こいつらをひざまづかせるために生まれたと。
女子高生の手足を切ったときの姿を見たときに、やっと心の平穏が訪れたらしい。
そう、周りの人たちはみんな豚なんだ。
人間の姿なんてしてるんじゃない。
豚なんだから豚の姿でいればいいんだ。
正樹にはそういう暗闇がある。
顔をみられると、私の全てを透かされているみたい。
でも、正樹のことは厚い壁があるかのようで、何を考えているのか全くわからない。
笑顔でも、本心は相手を殺してやると考えているのかもしれない。
そして、決めたことは何があってもやり遂げる。
そこに躊躇という言葉はない。
そんな冷徹な感情が体の中を突き刺している感じ。
正樹のいる部屋は、夏でも、全てが凍り付くよう。
私は、そんな正樹が好き。
神秘的じゃない。
なんの秘密もない男性にドキドキする女なんていないでしょう。
周りに流されている私にはない強さを持っているというか。
相手への同情なんかで判断が揺らいだりなんてしない強さというか。
そんな正樹は、次の女子高生を部屋に隔離した。
私は、その子と正樹がエッチをするときに、横で大笑いをしていた。
ずっと自分の心を押し殺して生きてきたんだから、今更、きれい言なんて言わない。
見ず知らずの女より自分のことが大切だもの。
みんなの雰囲気に合わせるだけ。
何も抵抗できない女を豚、豚といいながら。
この子もいずれ手足を切られるのだと思う。
今度はもっと上手く切るぞと言ってたから。
私は、笑ってその女も痛めつけたの。
彼から嫌われないように。
助けを求める顔を見ないようにして。
その女は私の姿を映し出しているとも思っていた。
だからこそ、汚れた自分を否定したかった気持ちもあったかもしれない。
今、正樹は女子高生を犯してる。
女子高生は毎日のひどい仕打ちに抵抗できない。
もう死ぬしかないと思ってるかも。
私はどうしたらいいの?
同情すれば、次のあの姿は私になる。
今は、正樹と同じ側にいるしかない。
正樹はやり終えて、お前は何を考えているんだと私の顔を覗き込む。
その目の奥底にある闇に怯えながらも、私は笑顔で答えた。
「ねえ、私もムラムラしてきた。抱いて。でも、そんな汚い女とやった体でやるのは嫌よ。臭い女の匂いは洗い流してからにして。」
私は、空き地に放置したドラム缶を見たときに、自分がその中にいるように感じた。
真っ暗の中で、思考を停止し、動く自由もない。
あれは、私なんだ。
しかも、正樹たちに同調しなければ、次にドラム缶に入れられるのは私。
だから怖くて、思ってもいない怖いことをして言ってしまう。
ただ、笑って同じ側にいるんだと言い続けていた。
目の前の女子高生が苦しんでいたのはわかってる。
でも、どうしようもないでしょう。
そうしないと私が攻撃されるんだから。
そもそも、裕福に生きている女子高生が悪いんじゃない。
私達の苦労なんて全く知らずに笑って楽しく生きてきた。
その罪で、こうなったのよ。
私は、思考も奪われ、奴隷のように生きてきた。
いつも、周りに同調して、自由がなかった。
だから、あんな攻撃を受けるようなことはないの。
いつも苦痛を味わっているから。
人間って、苦労と楽しみをプラスマイナスするとみんな同じなのよ、きっと。
だから楽ばかりしている人は、ひどい苦労を背負う罰を受けるの。
この女子高生もそう。私のせいじゃなくて、本人のせい。
もしかしたら、クラスメイトをいじめていた罰かもしれない。
私は、神様の代わりに天罰を下しただけ。
そう、私は悪くない。
あの事件から2年経った頃、あの空き地でビル建設工事が始まり、ドラム缶が撤去された。
その際に、中身を確認したところ、女の遺骨が発見された。
手足が切断されていることも確認された。
警察では大騒ぎとなり、捜査が進む。
そして、正樹の働いていた工務店のドラム缶だと突き止められた。
コンクリートの中からとんでもないものが見つかったことを私たちは知らなかった。
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