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第9章 滅亡へ
2話 温泉宿
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唯奈と、黒川温泉の旅館みたいな温泉宿の門をくぐり、部屋に通された。
「聞いてたいたとおり、素敵な所ね。さっき、4つの家族風呂があるって、言ってたじゃない。聞いたら、1つが外の風景が見えてきれいなんだけど、ずっと埋まってるんだって。だから、明日、朝7時に予約しちゃったけど、いいよね。」
「ありがとう。さっき、待合室でお茶と和菓子だされてボーっとしてたけど、その時に、そんなことしてくれていたのね。ありがとう。」
「ということで、これから10分後に予約してあって、休んで、次に30分と予約しちゃった。」
「そうなんだ。どんな感じか楽しみ。一緒に入ろう。」
「そうね。」
受付に鍵を取りに行って、私達は、美しい紅葉の道をとおり家族風呂に向った。
「唯奈、思ったよりスタイルいいのね。着痩せするタイプなんだ。私なんて、バストが小さいのがコンプレックスだから、羨ましい。」
「そんなことないよ。芽依はなんたって、とびっきりの美人だから、いつも、目立ってるじゃない。そういえば、あそこの毛、剃らないんだ。」
バストは明治生まれの女性だもの、そんなものよね。
戦後は食糧事情がよくなったから、バストも膨らむかと思ったけどだめだった。
子供の頃の食事が大きく影響してるんだと思う。
毛とかもそう。剃っても、すぐに生えてくる。
髪の毛も切ったことがない。
せめて束ねたり、ねじり編みをするぐらい。
「そうね。なんとなく、このまま。」
「剃った方が清潔らしいよ。まあ、好みだけど。」
「そうなんだよね。でも、剃り始めた頃は、ちくちく痛いとか聞くし。」
「それはそう。でも、最近は、エステで完全脱毛とかもあるよ。」
「いくら相手が女性でも、他人に見せるなんて恥ずかしいし。」
「じゃあ、少しはちくちくの期間があるのもしたがないね。そのうち、はえなくなると思うし。」
「少し考えてみる。」
家族風呂で一緒にいると、なんだか一緒に暮らしてるみたいで、とっても幸せだった。
日々のたわいもないことをいっぱい話し、大いに笑った。
女性の楽しい笑い声を外で聞いた人たちは、仲のいい女友達だと微笑ましかったと思う。
でも、本当は、私は女性しか愛せない変人なのに。
その晩の夕食は素晴らしかった。
唯奈と映えるねなんて言いながら何枚も写真を撮ったの。
唯奈と一緒に写る写真。唯奈は幸せそうに笑って、その横に私がいる。
この写真、大切にするね。
その晩、布団の中で、私達の話しは尽きなかった。
本当は、手を握りたかったのよ。横に、好きな浴衣姿の女性がいるんだから。
でも、女性が好きだなんていったら気持ち悪いって嫌われちゃう。
私は、結局、私の本当の姿を何も言い出せなかった。
翌朝、外の風景が見える露天風呂に唯奈と一緒に行ったの。
眼の前は、木々が生い茂り、少し高台で、前はよく見えなかった。
音からすると、目の前に小川が流れているみたい。
目の前は、赤、オレンジ色の紅葉で広がり、その中の樽のような浴槽。
唯奈も私も、声を失い、二人で浴槽に入り、ただただ景色に見とれていた。
その時、唯奈は私の肩に頭を載せてきた。どうしたの?
驚いたけど、私は、唯奈の手を握ったの。
そしたら、唯奈も私の手を握り返した。
誤解しちゃダメ。女友達として距離を縮めただけ。
それだけなのに、私は、何も話さなくても幸せの一時を大切に過ごした。
「聞いてたいたとおり、素敵な所ね。さっき、4つの家族風呂があるって、言ってたじゃない。聞いたら、1つが外の風景が見えてきれいなんだけど、ずっと埋まってるんだって。だから、明日、朝7時に予約しちゃったけど、いいよね。」
「ありがとう。さっき、待合室でお茶と和菓子だされてボーっとしてたけど、その時に、そんなことしてくれていたのね。ありがとう。」
「ということで、これから10分後に予約してあって、休んで、次に30分と予約しちゃった。」
「そうなんだ。どんな感じか楽しみ。一緒に入ろう。」
「そうね。」
受付に鍵を取りに行って、私達は、美しい紅葉の道をとおり家族風呂に向った。
「唯奈、思ったよりスタイルいいのね。着痩せするタイプなんだ。私なんて、バストが小さいのがコンプレックスだから、羨ましい。」
「そんなことないよ。芽依はなんたって、とびっきりの美人だから、いつも、目立ってるじゃない。そういえば、あそこの毛、剃らないんだ。」
バストは明治生まれの女性だもの、そんなものよね。
戦後は食糧事情がよくなったから、バストも膨らむかと思ったけどだめだった。
子供の頃の食事が大きく影響してるんだと思う。
毛とかもそう。剃っても、すぐに生えてくる。
髪の毛も切ったことがない。
せめて束ねたり、ねじり編みをするぐらい。
「そうね。なんとなく、このまま。」
「剃った方が清潔らしいよ。まあ、好みだけど。」
「そうなんだよね。でも、剃り始めた頃は、ちくちく痛いとか聞くし。」
「それはそう。でも、最近は、エステで完全脱毛とかもあるよ。」
「いくら相手が女性でも、他人に見せるなんて恥ずかしいし。」
「じゃあ、少しはちくちくの期間があるのもしたがないね。そのうち、はえなくなると思うし。」
「少し考えてみる。」
家族風呂で一緒にいると、なんだか一緒に暮らしてるみたいで、とっても幸せだった。
日々のたわいもないことをいっぱい話し、大いに笑った。
女性の楽しい笑い声を外で聞いた人たちは、仲のいい女友達だと微笑ましかったと思う。
でも、本当は、私は女性しか愛せない変人なのに。
その晩の夕食は素晴らしかった。
唯奈と映えるねなんて言いながら何枚も写真を撮ったの。
唯奈と一緒に写る写真。唯奈は幸せそうに笑って、その横に私がいる。
この写真、大切にするね。
その晩、布団の中で、私達の話しは尽きなかった。
本当は、手を握りたかったのよ。横に、好きな浴衣姿の女性がいるんだから。
でも、女性が好きだなんていったら気持ち悪いって嫌われちゃう。
私は、結局、私の本当の姿を何も言い出せなかった。
翌朝、外の風景が見える露天風呂に唯奈と一緒に行ったの。
眼の前は、木々が生い茂り、少し高台で、前はよく見えなかった。
音からすると、目の前に小川が流れているみたい。
目の前は、赤、オレンジ色の紅葉で広がり、その中の樽のような浴槽。
唯奈も私も、声を失い、二人で浴槽に入り、ただただ景色に見とれていた。
その時、唯奈は私の肩に頭を載せてきた。どうしたの?
驚いたけど、私は、唯奈の手を握ったの。
そしたら、唯奈も私の手を握り返した。
誤解しちゃダメ。女友達として距離を縮めただけ。
それだけなのに、私は、何も話さなくても幸せの一時を大切に過ごした。
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