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第8章 名古屋生活
2話 男性ホルモン
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「私ね、本当に汚い女なの。」
「どういうこと。」
「私ね、男性が好きになれなくて、好きなのは女性なの。そんな女性、ほとんどいないじゃない。だから、愛し合える相手が見つからないのよ。」
「そうなんだ。つらいね。」
「わかってもらえる? あなたは、今は奥様は一緒じゃないみたいけど、結婚してたんでしょう。羨ましいわ。」
「そんなんじゃないよ。」
「いえいえ、絶対に幸せな結婚をしてたのよ。」
「実は、僕は女性なんだ。」
「意味がわからない。だって、ヒゲも生えてるし。」
「昔から、女性が好きで、男性になりたくて悩んでた。そこで、勇気をだして男性ホルモンを飲んで男性として暮らしてるんだ。」
「・・・。」
「信じられないんだったら、ここ触ってみて。」
手を触れると、男性としてあるべきものがなかった。
少し変だとは思っていたけど、バストも少し大きい。
男性でも大きい人はいるしねと思っていたんだけど、それにしては大きすぎたものね。
だから、声も女性みたいだったのかもと先日の記憶が蘇ってきた。
「でも、子供は生みたかったんだよ。だから、精子バンクから精子を買って、自分で生んだのがあの子なんだ。でも、手術して男性器をつけるとか、バストを切るとかまで勇気はなくて、身体は女性のまま。ヒゲを生やし、風貌は男性ぽくしているだけかな。だから、女性が好きでも声をかける勇気がなくて、今日まで来てしまった。でも、先日、キラキラしたあなたと出会って、あなたのことばかり考えていたんだ。もし、女性のことしか好きになれないんだったら、僕の身体は女性だし、一緒に付き合えないかな?」
「え、突然で、よくわからない。」
「断ってもいいから、ゆっくり考えてみてくれ。」
その晩は、彼は娘さんの部屋に布団を敷いて寝ることにした。
私は彼がいつも寝てるベットで過ごしたけど、たしかに男臭さはない。
包みこまれるような温かさの中で、ぐっすりと寝ることができたの。
朝日が目に入り、私は、冷蔵庫にあるベーコンと玉子をフライパンで焼いた。
食パンを焼き上げたころ、コーヒーの香りで目が覚めたのか、彼と娘さんは起きてきた。
「わぁ、おねえさんがまだいた。おはよう。」
「おはよう。よく寝れた?」
「ぐっすり。」
「おはよう。朝ごはん、ありがとう。おいしそうだね。」
「起きたのね。じゃあ、食べましょう。」
「昨晩は、無理なことお願いしちゃってごめんね。返事待ってるから。」
「もう少し、時間をちょうだい。あなたのこと、なんにも知らないから。」
「待ってる。」
「ねえ、おねえさん。食べたら、早く遊びにいこうよ。」
「そうね。どこがいいかしら。」
「遊園地に行こうよ。お父さん、いいでしょう?」
「そうだね。いいかな?」
「もちろんよ。」
私達は、遊園地で思いっきり楽しんだの。
そして、帰り道、道端には、野の花も咲き始めているのに初めて気づいた。
小川のせせらぎも気持ちがいい。
心が華やいだからか、周りは色にあふれているのに改めて気づいたの。
まだ、少し寒いけど、陽の光は温かい。白いレースのスカートは風になびいている。
周りからみると、恥ずかしいけど、私の顔には、微笑みがあふれていたんだと思う。
そして、彼の家で過ごすことが増えていった。
私は、彼のレクチャーを受けて、トレーダーとしての経験を積んでいった。
そして、彼の家で、ネットでの株式投資をして、着実に資産形成をしていった。
ごはんは一緒に食べ、もう一緒に暮らしていたの。
こんな生活、悪くはない。というより、毎日が幸せ。
彼は、山を歩くのも好きで、ふもとに別荘を買い、金曜日の午後には車で別荘に向かう。
土曜日の朝から女の子とハイキングをする。
夜には、別荘に引いた温泉に一緒に入るなんて贅沢な時間を過ごした。
朝、起きると、女の子を囲み、彼の横顔がある。まるで家族。
化け物で変人な私でも、普通の幸せを得ることができた気になっていた。
心が満たされる日々が続いた。
ずっと、この生活が続くものだと疑うこともなく・・・。
「どういうこと。」
「私ね、男性が好きになれなくて、好きなのは女性なの。そんな女性、ほとんどいないじゃない。だから、愛し合える相手が見つからないのよ。」
「そうなんだ。つらいね。」
「わかってもらえる? あなたは、今は奥様は一緒じゃないみたいけど、結婚してたんでしょう。羨ましいわ。」
「そんなんじゃないよ。」
「いえいえ、絶対に幸せな結婚をしてたのよ。」
「実は、僕は女性なんだ。」
「意味がわからない。だって、ヒゲも生えてるし。」
「昔から、女性が好きで、男性になりたくて悩んでた。そこで、勇気をだして男性ホルモンを飲んで男性として暮らしてるんだ。」
「・・・。」
「信じられないんだったら、ここ触ってみて。」
手を触れると、男性としてあるべきものがなかった。
少し変だとは思っていたけど、バストも少し大きい。
男性でも大きい人はいるしねと思っていたんだけど、それにしては大きすぎたものね。
だから、声も女性みたいだったのかもと先日の記憶が蘇ってきた。
「でも、子供は生みたかったんだよ。だから、精子バンクから精子を買って、自分で生んだのがあの子なんだ。でも、手術して男性器をつけるとか、バストを切るとかまで勇気はなくて、身体は女性のまま。ヒゲを生やし、風貌は男性ぽくしているだけかな。だから、女性が好きでも声をかける勇気がなくて、今日まで来てしまった。でも、先日、キラキラしたあなたと出会って、あなたのことばかり考えていたんだ。もし、女性のことしか好きになれないんだったら、僕の身体は女性だし、一緒に付き合えないかな?」
「え、突然で、よくわからない。」
「断ってもいいから、ゆっくり考えてみてくれ。」
その晩は、彼は娘さんの部屋に布団を敷いて寝ることにした。
私は彼がいつも寝てるベットで過ごしたけど、たしかに男臭さはない。
包みこまれるような温かさの中で、ぐっすりと寝ることができたの。
朝日が目に入り、私は、冷蔵庫にあるベーコンと玉子をフライパンで焼いた。
食パンを焼き上げたころ、コーヒーの香りで目が覚めたのか、彼と娘さんは起きてきた。
「わぁ、おねえさんがまだいた。おはよう。」
「おはよう。よく寝れた?」
「ぐっすり。」
「おはよう。朝ごはん、ありがとう。おいしそうだね。」
「起きたのね。じゃあ、食べましょう。」
「昨晩は、無理なことお願いしちゃってごめんね。返事待ってるから。」
「もう少し、時間をちょうだい。あなたのこと、なんにも知らないから。」
「待ってる。」
「ねえ、おねえさん。食べたら、早く遊びにいこうよ。」
「そうね。どこがいいかしら。」
「遊園地に行こうよ。お父さん、いいでしょう?」
「そうだね。いいかな?」
「もちろんよ。」
私達は、遊園地で思いっきり楽しんだの。
そして、帰り道、道端には、野の花も咲き始めているのに初めて気づいた。
小川のせせらぎも気持ちがいい。
心が華やいだからか、周りは色にあふれているのに改めて気づいたの。
まだ、少し寒いけど、陽の光は温かい。白いレースのスカートは風になびいている。
周りからみると、恥ずかしいけど、私の顔には、微笑みがあふれていたんだと思う。
そして、彼の家で過ごすことが増えていった。
私は、彼のレクチャーを受けて、トレーダーとしての経験を積んでいった。
そして、彼の家で、ネットでの株式投資をして、着実に資産形成をしていった。
ごはんは一緒に食べ、もう一緒に暮らしていたの。
こんな生活、悪くはない。というより、毎日が幸せ。
彼は、山を歩くのも好きで、ふもとに別荘を買い、金曜日の午後には車で別荘に向かう。
土曜日の朝から女の子とハイキングをする。
夜には、別荘に引いた温泉に一緒に入るなんて贅沢な時間を過ごした。
朝、起きると、女の子を囲み、彼の横顔がある。まるで家族。
化け物で変人な私でも、普通の幸せを得ることができた気になっていた。
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ずっと、この生活が続くものだと疑うこともなく・・・。
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