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第2章 同性愛者でもいいじゃない
4話 犯人
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あの事件から3ヶ月、私は、司法修習生としての暮らしをしてるけど、捜査は進んでいなかった。ナイフに指紋はなく、監視カメラもその辺にはなくて、男性の特定ができなかったの。
でも、私は、あれから毎晩、この近辺を何時間も歩いて、同じ背格好の男性を探した。そして、今晩、あの人じゃないかと思う人を見つけたの。そして、後を着いていくと、美花の部屋から500mぐらいかしら、アパートの2階の部屋に入っていったわ。
そして、別の日に後をつけてみると、駅から帰る時は、ちょうど美花が殺された現場を通り、そのすぐ横を右に曲がって家に着くと言う感じで、日々歩くルートに殺害現場がすっぽり入るし、私が駆けつけた時に消えていたのもわかる。
でも、ストーカーだとして、付き合ってくれと迫るようなことはあるとしても殺害までする動機はよくわからない。あの時は、角を曲がって、1分もしない間に悲鳴があったんだから、話す余裕はなく、いきなり刺したんだと思う。
ストーカーしている人が、いきなり殺害する? でも、男性って、よくわからないものね。元々ストーカーだったのは、美花が綺麗だからで、いつまでも付き合えないから、急に殺したい衝動に駆られるとかということもあるかもしれないわ。痴漢とかだって、その気持ち、よくわからないじゃない。
この男性の家のポストに入っていた郵便物を見てみることにした。郵便物をみるときに、不審者と思われないよう周りに人がいないか慎重にしたわ。そしたら、この男性は南 光一という人だと分かったけど、ネットで検索しても特にそれらしきものは見つけられなかった。
健康診断の案内みたいなものがあって、KKIと書いてあったから、あのシステム会社の社員なのだと思う。でも、美花がKKIへの就職活動をしていると聞いたことはないので接点はないと思う。
ところで、どうして、これまで見なかったのに急に見かけたんだろう。もし、美花のストーカーなら私のことも知ってるかもしれないし、慎重に接していく必要があるわね。
でも、これ以上は、何もしないと進まないので、この男が居酒屋で1人で飲んでいる時に、同じテーブルで飲んで話しかけることにした。
「お店が混んでるので、ご一緒していいですか?」
「別に、いいですけど。」
「では、お邪魔しますね。店員さん、梅酒サワーと、お刺身セットお願いします。急にお邪魔してすみませんね。この辺にお住まいなんですか?」
「ええ。そちらこそ、こんな男と一緒になっちゃうなんて災難だね。」
「そんなことありません。今日は、1人で寂しいなと思っていたところなんで。」
「あなた、綺麗だから、男性は放っておかないんじゃないですか。」
「そんなことないですよ。お酒きたので、せっかくだから乾杯しましょうよ。」
「そうだね。乾杯。」
普通だと、かなり違和感のある設定だけど、相手の男性は酔っ払っているのか、それほど不信感を持たずに話しを始めた。
「私、このお店には時々来るんですけど、お会いするのは初めてですね。最近、越してきたんですか?」
「じゃあ、あなたもこの辺に住んでるんだね。僕は、この辺にずっと住んでいるんだけど、ここ3ヶ月ぐらいは、仙台の実家に戻っていたんだ。仕事はリモートでできるから東京にいなくてもいいしね。」
「そうなんですね。いつから帰っていたんですか?」
「1月のいつだったかな、そうだ21日からだった。」
やっぱり、あの事件があった日の翌日からなんだ。間違いなく、こいつね。
「3ヶ月も実家にいたんですね。親御さんと仲いいんですね。お兄さん、彼女とかいるんですか?」
「いるわけないでしょ。そんなんだったら1人で居酒屋なんかで飲んでないですよ。あなたは?」
「私はいますよ。」
「それじゃ、こんなところで、俺と飲んでちゃ怒られちゃうでしょ。」
「大丈夫ですよ。今日は、彼は九州に出張なので、誰も一緒に飲んでくれる人がいなくて。こちらこそ、お邪魔してごめんなさい。」
「そうなんだ。でも、俺にも、綺麗な彼女とか欲しいな。」
「そういえば、私の友達、この人なんですけど、こんな人なんて、どう思います?」
あまりに危ないかと思ったんだけど、スマホで美花の写真を見せた。そしたら、その男性の顔がくもったの。怪しい。
「こんな女性と付き合えたら嬉しいけど、なんか、あなたは女性を紹介するような仕事をしているとか? だから、同席してきたのか?」
「そんなことないですよ。具体的に顔を見た方が、好みとかわかりやすいじゃないですか。この子は、もう結婚しているから手は出せないですよ。」
「そうなんだ。そうだよね。そんなに綺麗なら、男が放っておかないもんね。でも、だいぶ酔っ払っちゃった。なんか、ろれつが回っていない感じもするけど、俺って、ちゃんと話せているよね。」
「大丈夫ですよ。そんなに酔っていないようですけど。そろそろ、私は食べ終わったし、これで失礼します。まだ、楽しんでいってくださいね。」
多分、こいつだと思う。背格好とかそっくりだし。全て、辻褄が合う。私の心は怒りで満ちていった。こいつが、美花を殺したのよ。警察には渡さないわ。あなたも、美花と同じで殺されるべきなのよ。いや、殺してやる。
私は検事を目指しているから、法律による裁きということは知っている。でも、この手で殺さないと私の気持ちが収まらない。
でも、私は、あれから毎晩、この近辺を何時間も歩いて、同じ背格好の男性を探した。そして、今晩、あの人じゃないかと思う人を見つけたの。そして、後を着いていくと、美花の部屋から500mぐらいかしら、アパートの2階の部屋に入っていったわ。
そして、別の日に後をつけてみると、駅から帰る時は、ちょうど美花が殺された現場を通り、そのすぐ横を右に曲がって家に着くと言う感じで、日々歩くルートに殺害現場がすっぽり入るし、私が駆けつけた時に消えていたのもわかる。
でも、ストーカーだとして、付き合ってくれと迫るようなことはあるとしても殺害までする動機はよくわからない。あの時は、角を曲がって、1分もしない間に悲鳴があったんだから、話す余裕はなく、いきなり刺したんだと思う。
ストーカーしている人が、いきなり殺害する? でも、男性って、よくわからないものね。元々ストーカーだったのは、美花が綺麗だからで、いつまでも付き合えないから、急に殺したい衝動に駆られるとかということもあるかもしれないわ。痴漢とかだって、その気持ち、よくわからないじゃない。
この男性の家のポストに入っていた郵便物を見てみることにした。郵便物をみるときに、不審者と思われないよう周りに人がいないか慎重にしたわ。そしたら、この男性は南 光一という人だと分かったけど、ネットで検索しても特にそれらしきものは見つけられなかった。
健康診断の案内みたいなものがあって、KKIと書いてあったから、あのシステム会社の社員なのだと思う。でも、美花がKKIへの就職活動をしていると聞いたことはないので接点はないと思う。
ところで、どうして、これまで見なかったのに急に見かけたんだろう。もし、美花のストーカーなら私のことも知ってるかもしれないし、慎重に接していく必要があるわね。
でも、これ以上は、何もしないと進まないので、この男が居酒屋で1人で飲んでいる時に、同じテーブルで飲んで話しかけることにした。
「お店が混んでるので、ご一緒していいですか?」
「別に、いいですけど。」
「では、お邪魔しますね。店員さん、梅酒サワーと、お刺身セットお願いします。急にお邪魔してすみませんね。この辺にお住まいなんですか?」
「ええ。そちらこそ、こんな男と一緒になっちゃうなんて災難だね。」
「そんなことありません。今日は、1人で寂しいなと思っていたところなんで。」
「あなた、綺麗だから、男性は放っておかないんじゃないですか。」
「そんなことないですよ。お酒きたので、せっかくだから乾杯しましょうよ。」
「そうだね。乾杯。」
普通だと、かなり違和感のある設定だけど、相手の男性は酔っ払っているのか、それほど不信感を持たずに話しを始めた。
「私、このお店には時々来るんですけど、お会いするのは初めてですね。最近、越してきたんですか?」
「じゃあ、あなたもこの辺に住んでるんだね。僕は、この辺にずっと住んでいるんだけど、ここ3ヶ月ぐらいは、仙台の実家に戻っていたんだ。仕事はリモートでできるから東京にいなくてもいいしね。」
「そうなんですね。いつから帰っていたんですか?」
「1月のいつだったかな、そうだ21日からだった。」
やっぱり、あの事件があった日の翌日からなんだ。間違いなく、こいつね。
「3ヶ月も実家にいたんですね。親御さんと仲いいんですね。お兄さん、彼女とかいるんですか?」
「いるわけないでしょ。そんなんだったら1人で居酒屋なんかで飲んでないですよ。あなたは?」
「私はいますよ。」
「それじゃ、こんなところで、俺と飲んでちゃ怒られちゃうでしょ。」
「大丈夫ですよ。今日は、彼は九州に出張なので、誰も一緒に飲んでくれる人がいなくて。こちらこそ、お邪魔してごめんなさい。」
「そうなんだ。でも、俺にも、綺麗な彼女とか欲しいな。」
「そういえば、私の友達、この人なんですけど、こんな人なんて、どう思います?」
あまりに危ないかと思ったんだけど、スマホで美花の写真を見せた。そしたら、その男性の顔がくもったの。怪しい。
「こんな女性と付き合えたら嬉しいけど、なんか、あなたは女性を紹介するような仕事をしているとか? だから、同席してきたのか?」
「そんなことないですよ。具体的に顔を見た方が、好みとかわかりやすいじゃないですか。この子は、もう結婚しているから手は出せないですよ。」
「そうなんだ。そうだよね。そんなに綺麗なら、男が放っておかないもんね。でも、だいぶ酔っ払っちゃった。なんか、ろれつが回っていない感じもするけど、俺って、ちゃんと話せているよね。」
「大丈夫ですよ。そんなに酔っていないようですけど。そろそろ、私は食べ終わったし、これで失礼します。まだ、楽しんでいってくださいね。」
多分、こいつだと思う。背格好とかそっくりだし。全て、辻褄が合う。私の心は怒りで満ちていった。こいつが、美花を殺したのよ。警察には渡さないわ。あなたも、美花と同じで殺されるべきなのよ。いや、殺してやる。
私は検事を目指しているから、法律による裁きということは知っている。でも、この手で殺さないと私の気持ちが収まらない。
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