大嫌いなキミに愛をささやく日

またり鈴春

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守護神の悩み2

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結局――


その時に抱いた疑問は、しばらく経ってもそのままで。

いいな、も。
嫉妬、も。

私の中で「?」のまま。
疑問は全く、解けないまま。


そして数日後。
学校は、三者面談の行事に入っていった――





ガラッ


「あれ、煌人?」
「おー凛」


親と担任の先生と私のメンツで、三者面談が終わった今。

教室から出ると、廊下を歩いていた煌人とちょうど鉢合わせた。


「今、終わったのか?」
「うん。特に何も言われなかったよ」
「うそつけ。何も言われねーわけないだろ」
「むっ。どういう事?」


またイチャモンつけられるのかな?と思っていると、


「凛があれだけ勉強頑張ってんのに、褒められないわけないって、そう言ってんの」
「!」


そう来るとは思わなくて……少しだけ、ドキッとした。

煌人に褒められる事なんて無かったから、余計に。


「(この前から私、何だかおかしい。煌人を見ると胸がザワザワするというか……)」


ふくれっ面をしていると、膨れた頬を、煌人に指で押される。


「ぷっ、タコみてぇ」
「さ、触らないでっ」
「お前、直球すぎねぇ……?」


そう言って明らかに沈む煌人。

だけど、三者面談だというのに、私の親の姿がないことに気づいたらしい。

「ご両親は?」と、周りをキョロキョロ見渡した。


「今、中で先生と話してる」
「凜に聞かれたくない話か?」
「うーん、単純に気になるんじゃない?学校での私が。もっと話してって感じで、先生にせがんでたもん」
「……ふぅん」


すると煌人が「大事にされてんだな」と私の頭を撫でた。

眉を下げて笑う顔に、少しだけ違和感を覚える。


「あの、煌人……?」


何かあった?
今、何を考えてる?

聞こうかどうしようかと迷ってる内に、煌人は「そうだ」と手を叩く。


「この前、給食じゃなくて弁当だったろ。凜の弁当に入ってた唐揚げ!すげー美味かった」
「え……ほ、本当!?」
「ほんとほんと。まさかあの唐揚げって、凜の手作r、」
「そう言ってくれると嬉しい!作ってくれた人が今から来るから、ぜひ直接言ってあげて!」
「……え?」


私が「お願いね!」と言って煌人の手を握る。

煌人は「お、おう」と返事をするものの、納得いかない表情を浮かべた。


「唐揚げ、凜が作ったんじゃねーの?」
「お父さんだよ?」
「(お父さんかよ!!)」


ガクッと落ち込む煌人。
だけど、私は嬉しかった。


「煌人、ありがとう。お父さんの手料理を褒めてくれて」
「凛!お前が俺に礼を言うなんて、」
「うん、ありがとう!」
「……~っ!」
(超レアな光景に、言葉にならない)


真っ赤になった顔を隠すように、手で顔を覆った煌人。

「そ、そう言えば!」と、腕を組みながら不自然に窓の外を見た。


「お前の家は、お父さんが料理するんだな」
「え、と……」
「ん?」
「……」


何気なしに言った煌人。

そんな煌人に、私は何か言葉を返すんじゃなくて……


ニコリ、と。

ただ笑って、それを返事とした。
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