抜けがけ禁止×王子たちの溺愛争奪戦

またり鈴春

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繋がるリング

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「え、え?責任って、」

「赤い糸も指輪も、芽衣が俺の事を好きって言った事も、何もかもだよ。こんな状態でラウンジに戻れるか。皆に茶化されること間違いなしだ。だから、芽衣が何とかしろ」

「(無茶ぶりすぎる!)」


だけど、確かに、こんなふにゃけた凌久くんを見たら、ラウンジにいる皆が絶対からかうに決まってる。

そして凌久くんが怒って、また空気が悪くなって……。最悪「歌沢くんの動画作りはナシ」なんて事になりかねない。


「(それはダメ!)」


だけど、何をどうしたら……と、そこまで考えた時。凌久くんが目にしているものを一緒に見る。

凌久くんが見ていたものは、また、アリ。そのアリは、さっきと同じアリだった。エサを持って立ち往生していたアリだったけど、今はだいぶ前進していた。

あ、そうか。

私も、前に進めばいいんだ。

同じ所で立ち止まってるから、何も変えられないんだ。

だったら――


「あの、凌久くん。お話があります」

「……ん。なんだよ」


私を見る、座ったままの凌久くん。私は凌久くんの前へ行き、同じようにしゃがんだ。

そして――


「凌久くんの事が好きです。私と、付き合ってくれませんか?」


前に進む言葉を、

私はついに、言ったのだった。
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