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だって小学生だもん!
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私こと早苗美亜は、小学四年生の恋する乙女だった。
恋の相手は、同じクラスの榊連くん。カッコよくて、スポーツも出来て、そして優しい。クラスで人気の男の子。
席が近くなって、仲良くなった。班が同じで、掃除をする時に二人きりになった事がきっかけ。
『手伝うよ、美亜ちゃん』
『あ、ありがとう!』
誰にでも気さくに話し掛けてくれる連くん。優しくされた私は、すぐに恋に落ちた。
そして、なんと――
あの連くんも、何だか私の事を好きなんじゃないかって。
そんな事を、思う出来事が重なった。
よく目が合うようになったし、すれ違った時に後ろを振り向くと、連くんも私を見つめ返してくれる。
それに二人で一緒にいると妙にドキドキして、何て喋って良いか分からなくなる。
だからか、私たちが二人きりでいると静かな事が多かった。
――好きなのかな?もしかして、好きになってくれたのかな?
そんなくすぐったい思いを胸に閉まって、しばらく経った時。
なんと、連くんから「帰りの会が終わったら校舎の裏にきてくれる?」と言われた。
もちろん、誰にもバレないようにヒソヒソ声で。
もちろん私は頷き、校舎裏に行くのだけど……
『危ない!!』
上から何かが落ちて来たのが見えて、そして、そんな私を庇ってくれた連くんが見え――
記憶は、そこで終わり。
次に目を覚ましたら、なんと私は王女になっていた。
しかも――
『さあミア王女、今日も恒例の儀式を!』
『儀式?』
『我が国のライバルであるスター国のレン王子の写真に向かって、宣戦布告を!』
『王子?レン?……って、連くん!?』
どうやらよく分からない世界に転生され、王女となっていた私。
そして、なんと――
ライバル関係の国である王子様に、あの連くんも転生したらしかった。
『い、一体なにが、どうなってるの~!?』
もちろん私は大パニック!
だって日本じゃないし、知ってる人は誰もいないし、それに……
なぜか私は二十歳になっていたの!
『わ、私って、まだ十歳だったよね……?』
見た目だけ大人。
中身は子供。
そんな人が王女をやってるなんて、変なことだし、ダメに決まってる!
だから私は、色んな人に「私は王女じゃないんです!」と言ったけど、誰も信じてくれなかった……。
『はいはい、本当にミア王女は冗談がお好きですねぇ』なんて。そんな事を言われる始末。
心細くって、どうしたらいいか分からなくて……。
毎日、大きすぎるベッドに一人横になってはシクシク泣いていたの。
『連くんも……私と同じなのかな?』
皆が敵視してる「スター国のレン王子」。
私が一度「レン王子に会いたいな」と言うと、どこか調子が悪くて変な事を言っていると思われたらしく、一週間かけて色んな検査をさせられた。
敵国である国の王子に私が「会いたい」と言うのは、どうやら絶対にダメな事みたい……。
でも、そんな大人の事情なんて分かんないよ。
だって、私王女でもなければ二十歳でもない。
まだ十歳、小学四年生なんだもん!
恋の相手は、同じクラスの榊連くん。カッコよくて、スポーツも出来て、そして優しい。クラスで人気の男の子。
席が近くなって、仲良くなった。班が同じで、掃除をする時に二人きりになった事がきっかけ。
『手伝うよ、美亜ちゃん』
『あ、ありがとう!』
誰にでも気さくに話し掛けてくれる連くん。優しくされた私は、すぐに恋に落ちた。
そして、なんと――
あの連くんも、何だか私の事を好きなんじゃないかって。
そんな事を、思う出来事が重なった。
よく目が合うようになったし、すれ違った時に後ろを振り向くと、連くんも私を見つめ返してくれる。
それに二人で一緒にいると妙にドキドキして、何て喋って良いか分からなくなる。
だからか、私たちが二人きりでいると静かな事が多かった。
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なんと、連くんから「帰りの会が終わったら校舎の裏にきてくれる?」と言われた。
もちろん、誰にもバレないようにヒソヒソ声で。
もちろん私は頷き、校舎裏に行くのだけど……
『危ない!!』
上から何かが落ちて来たのが見えて、そして、そんな私を庇ってくれた連くんが見え――
記憶は、そこで終わり。
次に目を覚ましたら、なんと私は王女になっていた。
しかも――
『さあミア王女、今日も恒例の儀式を!』
『儀式?』
『我が国のライバルであるスター国のレン王子の写真に向かって、宣戦布告を!』
『王子?レン?……って、連くん!?』
どうやらよく分からない世界に転生され、王女となっていた私。
そして、なんと――
ライバル関係の国である王子様に、あの連くんも転生したらしかった。
『い、一体なにが、どうなってるの~!?』
もちろん私は大パニック!
だって日本じゃないし、知ってる人は誰もいないし、それに……
なぜか私は二十歳になっていたの!
『わ、私って、まだ十歳だったよね……?』
見た目だけ大人。
中身は子供。
そんな人が王女をやってるなんて、変なことだし、ダメに決まってる!
だから私は、色んな人に「私は王女じゃないんです!」と言ったけど、誰も信じてくれなかった……。
『はいはい、本当にミア王女は冗談がお好きですねぇ』なんて。そんな事を言われる始末。
心細くって、どうしたらいいか分からなくて……。
毎日、大きすぎるベッドに一人横になってはシクシク泣いていたの。
『連くんも……私と同じなのかな?』
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私が一度「レン王子に会いたいな」と言うと、どこか調子が悪くて変な事を言っていると思われたらしく、一週間かけて色んな検査をさせられた。
敵国である国の王子に私が「会いたい」と言うのは、どうやら絶対にダメな事みたい……。
でも、そんな大人の事情なんて分かんないよ。
だって、私王女でもなければ二十歳でもない。
まだ十歳、小学四年生なんだもん!
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