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天使くんとの出会い
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私、相田 晴衣(あいた せい)。
中学三年生、髪は黒のショート。
私の特徴は目かな?クッキリ二重が自分でも好きなの。
私の嫌いな所は、肌が白いところ。青っぽい白肌だから、いつも「気分悪い?」って皆から言われちゃう。
あ、次は私の好きな所ね。
それは――
(あ、男の子が公園で何かしてる。ネコが横たわってる。動いてない。死んでるのかな?……あぁ、そうか。埋めてあげてるんだ)
「……」
(目が合っちゃった! 綺麗な顔だなぁ)
すると、座っていた男の子はムクリと立ち上がる。そして私を見て「ねぇ」と話し掛けた。
その男の子がいう事。それは――
「君の命、あと半年だよ」
まさかの、私の余命宣告だった。
「えと……うん、知ってるよ」
話は戻って。
私こと相田晴衣の好きなところ。
それは――何事も、前向きに考えられるところだ。
・
・
・
男の子は金髪だった。金、といっても黄色ではなく、白けた金。それが、すっごく綺麗。肌も白くて、背も高くて……。
「……俺に、何かついてる?」
「え、あ!」
いけない。男の子をずっと見ちゃってた。「ごめん」と頭を下げる。すると、私が背負っていた物が、自分の後頭部を直撃した。
ゴンッ
「いた!そう言えば、背負ってたっけ。忘れてたよ」
「……それ何?」
男の子は、チラリと。私が背負っている、大きなラケットバッグに目をやる。
今日は土曜日。朝早くから昼の今まで、部活をしてきたの。今は、その帰り。
「このカバンの中にね、部活で使う道具が入ってるの。あ、部活はバドミントンだよ!」
「……」
「あ、知らないかな?シャトルを打ち合うスポーツなんだけどね、楽しいんだよ!」
「シャトル?」
男の子が眉間にシワを寄せた。あ。シャトルって聞いて、まさかスペースシャトルを思い浮かんでないよね?あれは打てないよ、さすがにね。
「シャトルって、羽の事だよ。ホラ、これ」
ラケットバッグの中から、使い古されてボロボロになったシャトルを出す。羽は折れ、縮み、コルクの部分は所々が擦れて黒くなっている。
「って、こんなもの出されても分かんないか。ごめんね、新しいシャトルがあれば良かったんだけど、なかなか高くて買えないんだよね~」
あはは!と笑った私を見て、男の子は「羽ならあるよ」と言った。ん?どゆこと?
唐突に、男の子が目を閉じる。すると彼の周りに、小さな光が集まってきた。しばらくすると無数の光が、一つの集合体になる。その中に、男の子は隠された。
だけど、パチンと。音がしたと同時に、光は一気にいなくなる。そして再び、男の子が露わになった……のだけど、
「は、羽……?」
「うん。だって俺、天使だから」
「天使……?」
男の子の背中から生える、両翼。それは片方一メートルほどあるのかってほど、長く、そして真っ白で綺麗だった。
「こ、これが今人気のモフモフ……?」
「勝手に触らないでほしいんだけど」
少しの風が吹いただけで、ふわりと揺れる羽。それが、あまりに気持ちよさそうで……。ついつい、羽に手を伸ばしちゃった。すみません。
「モフモフ、じゃなくてさ。驚かないの?俺、天使なんだよ?」
「え、あ……それもそうだね。よし。
な、なんで天使がココにいるのー!?」
「……」
「そんな冷めた目で見ないでよー!」
男の子はため息をつきながら、指をパチンと鳴らす。すると、両翼はヒュンッと姿を消した。あれ?無くなっちゃった。
「今の、もう出せないの?」
「出せるけど、出さない。人目につくでしょ」
「あ、そっか」
どうやら羽は、皆にも見えるらしい。だから消したんだね。そりゃそっか、こんな姿を見られたら大変だ。
「ん?でも、どうして私には見せてくれたの?天使って名乗ってくれたし」
「さっき俺が言った事を忘れたの?」
「ん?」
頭をコテンと倒すと、またため息をつかれた。あ、よく見ると男の子の目が空色だ。キレイ。
「君の命はあと半年だ。俺は、君が死んだ時、君の魂を引き取るためにココに来た」
「魂って、天使が引き取るの?」
「ねぇ、食いつくところソコなの?自分の命の心配を、した方がいいと思うけど」
「うッ……」
そりゃ、聞きたいことはたくさんあるけど。目の前に天使がいるんだよ?色々聞いてみたいじゃん!
「自分の命があと半年って言われてんのに、俺の事ばかり気にしてどうするの?」
「そりゃそうだけど、でも私って前向きだから!それに、自分の余命は、何となく分かってたからね」
「……そう言えば」
――君の命、あと半年だよ
――うん、知ってるよ
「そんな事を言ってたね。なんで自分の余命が分かったの?」
「それは……」
「それは?」
「な、なんとなく……」
「は?」
ここにきて、男の子は一番大きな声を出す。なんか、ちょっと怒ってる!?
「自分の命を”なんとなく”で決めつけないでくれる?そういう考えが、本当に寿命を縮めちゃったりするんだから。そして天界が、大変な事になるんだ」
「ご、ごめん。でも、どうして天界が大変な事になるの?」
「事務処理が大変なんだよ」
「まさかの事務……」
天界って、会社みたいなところなのかな?そう考えると、一気に身近に思えちゃった。ファンシーよ、さようなら。
「え、えっと……あのさ。私が死ぬのって半年後なんでしょ?じゃあ、なんで今来たの?」
「へ?」
「半年後、私が死んだ時に来てくれたら、お待たせする事もないんだけどなぁって。そう思ったの」
「……」
ん?動かなくなった。天使くんが固まったぞ。どうしたんだろう?
「あ、そっか。今日は挨拶に来ただけですよ、ってことかな?これから天界に戻るの?」
「……」
何も喋らない天使くん。え、ええと……。
私が困っていると、天使くんがボソリと何かを言った。ん?「帰れない」とか、なんとか?そう聞こえたけど……
「って!え!?帰れないの!?」
「一度天界を降りたら、魂を引き取るまでは帰れない決まりなんだよ」
「じゃ、じゃあ、なんで今日きたの?」
聞くと、天使くんは一瞬だけ苦い顔をした。何かを言いたそうに口を開けて、眉を顰めて……。だけど何か思い直したのか。俯いて、さっきより更に小さい声で喋った。
「俺が来たいから、ここに来た」
「え……」
「……悪い?」
わ、悪い?って言われても。虚勢を張った雰囲気をバンバンだしながら、そんな事を言われても……信じられないっていうか。
「来たいからココに来たって、……ウソをつくのは、悪いことだと思うよ?」
「ウソじゃ、…………ないこともない」
「(あ、誤魔化した)」
堂々とウソをつけないのは、天使のサガみたいなものかな?天使って、ウソをつかない清廉潔白なイメージがあるもんね。
「じゃ、じゃあさ、天使くん。ふらっと天界から降りてきたって事は、今日から泊まる所が必要だよね?」
「あ……そうだね」
しまった、忘れてた――と言わんばかりの天使くん。良かった。これなら「あの提案」をしてみても、良さそうだ。
「じゃあ天使くん。良ければウチに来ない?」
「君の家に?」
「うん。お父さんもお母さんも、私の友達だって言えば、絶対に許してくれるから」
「俺、男だよ?そういうのは人間界では厳しいんじゃないの?」
「ウチの親は、そのへんフリーダムなんだよ!」
笑って言うと、天使くんも「なら」と言って、口をへの字にするのをやめた。
「今日から半年、一緒にいさせてほしい」
「うん!」
よろしくね、天使くん――
そうして私は、天使くんと一緒に、家に帰る事になった。
あ、そうだ。これから一緒に暮らすってことは、天使くんの事を名前で呼びたいな!
「ねぇ、名前を教えてよ!」
「……長いよ?」
「いいよ!」
だけど、天使くんの口から出てきたのは……なにやら呪文みたいなカタカナで。しかも長い。長すぎる!私は手を上げて「ストップ」と中断した。
「ごめん……。名前の件、もう少し後回しにしてもいい?」
「そっちから聞いたくせに」
「スミマセン……」
そういえば……私と出会ってから、天使くん一度も笑ってないなぁ。っていうか、無表情。
「ねぇ天使くん、笑ったら?」
「……うるさい」
無表情な天使くん。
そんな彼と、今日から同居スタートです!
中学三年生、髪は黒のショート。
私の特徴は目かな?クッキリ二重が自分でも好きなの。
私の嫌いな所は、肌が白いところ。青っぽい白肌だから、いつも「気分悪い?」って皆から言われちゃう。
あ、次は私の好きな所ね。
それは――
(あ、男の子が公園で何かしてる。ネコが横たわってる。動いてない。死んでるのかな?……あぁ、そうか。埋めてあげてるんだ)
「……」
(目が合っちゃった! 綺麗な顔だなぁ)
すると、座っていた男の子はムクリと立ち上がる。そして私を見て「ねぇ」と話し掛けた。
その男の子がいう事。それは――
「君の命、あと半年だよ」
まさかの、私の余命宣告だった。
「えと……うん、知ってるよ」
話は戻って。
私こと相田晴衣の好きなところ。
それは――何事も、前向きに考えられるところだ。
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男の子は金髪だった。金、といっても黄色ではなく、白けた金。それが、すっごく綺麗。肌も白くて、背も高くて……。
「……俺に、何かついてる?」
「え、あ!」
いけない。男の子をずっと見ちゃってた。「ごめん」と頭を下げる。すると、私が背負っていた物が、自分の後頭部を直撃した。
ゴンッ
「いた!そう言えば、背負ってたっけ。忘れてたよ」
「……それ何?」
男の子は、チラリと。私が背負っている、大きなラケットバッグに目をやる。
今日は土曜日。朝早くから昼の今まで、部活をしてきたの。今は、その帰り。
「このカバンの中にね、部活で使う道具が入ってるの。あ、部活はバドミントンだよ!」
「……」
「あ、知らないかな?シャトルを打ち合うスポーツなんだけどね、楽しいんだよ!」
「シャトル?」
男の子が眉間にシワを寄せた。あ。シャトルって聞いて、まさかスペースシャトルを思い浮かんでないよね?あれは打てないよ、さすがにね。
「シャトルって、羽の事だよ。ホラ、これ」
ラケットバッグの中から、使い古されてボロボロになったシャトルを出す。羽は折れ、縮み、コルクの部分は所々が擦れて黒くなっている。
「って、こんなもの出されても分かんないか。ごめんね、新しいシャトルがあれば良かったんだけど、なかなか高くて買えないんだよね~」
あはは!と笑った私を見て、男の子は「羽ならあるよ」と言った。ん?どゆこと?
唐突に、男の子が目を閉じる。すると彼の周りに、小さな光が集まってきた。しばらくすると無数の光が、一つの集合体になる。その中に、男の子は隠された。
だけど、パチンと。音がしたと同時に、光は一気にいなくなる。そして再び、男の子が露わになった……のだけど、
「は、羽……?」
「うん。だって俺、天使だから」
「天使……?」
男の子の背中から生える、両翼。それは片方一メートルほどあるのかってほど、長く、そして真っ白で綺麗だった。
「こ、これが今人気のモフモフ……?」
「勝手に触らないでほしいんだけど」
少しの風が吹いただけで、ふわりと揺れる羽。それが、あまりに気持ちよさそうで……。ついつい、羽に手を伸ばしちゃった。すみません。
「モフモフ、じゃなくてさ。驚かないの?俺、天使なんだよ?」
「え、あ……それもそうだね。よし。
な、なんで天使がココにいるのー!?」
「……」
「そんな冷めた目で見ないでよー!」
男の子はため息をつきながら、指をパチンと鳴らす。すると、両翼はヒュンッと姿を消した。あれ?無くなっちゃった。
「今の、もう出せないの?」
「出せるけど、出さない。人目につくでしょ」
「あ、そっか」
どうやら羽は、皆にも見えるらしい。だから消したんだね。そりゃそっか、こんな姿を見られたら大変だ。
「ん?でも、どうして私には見せてくれたの?天使って名乗ってくれたし」
「さっき俺が言った事を忘れたの?」
「ん?」
頭をコテンと倒すと、またため息をつかれた。あ、よく見ると男の子の目が空色だ。キレイ。
「君の命はあと半年だ。俺は、君が死んだ時、君の魂を引き取るためにココに来た」
「魂って、天使が引き取るの?」
「ねぇ、食いつくところソコなの?自分の命の心配を、した方がいいと思うけど」
「うッ……」
そりゃ、聞きたいことはたくさんあるけど。目の前に天使がいるんだよ?色々聞いてみたいじゃん!
「自分の命があと半年って言われてんのに、俺の事ばかり気にしてどうするの?」
「そりゃそうだけど、でも私って前向きだから!それに、自分の余命は、何となく分かってたからね」
「……そう言えば」
――君の命、あと半年だよ
――うん、知ってるよ
「そんな事を言ってたね。なんで自分の余命が分かったの?」
「それは……」
「それは?」
「な、なんとなく……」
「は?」
ここにきて、男の子は一番大きな声を出す。なんか、ちょっと怒ってる!?
「自分の命を”なんとなく”で決めつけないでくれる?そういう考えが、本当に寿命を縮めちゃったりするんだから。そして天界が、大変な事になるんだ」
「ご、ごめん。でも、どうして天界が大変な事になるの?」
「事務処理が大変なんだよ」
「まさかの事務……」
天界って、会社みたいなところなのかな?そう考えると、一気に身近に思えちゃった。ファンシーよ、さようなら。
「え、えっと……あのさ。私が死ぬのって半年後なんでしょ?じゃあ、なんで今来たの?」
「へ?」
「半年後、私が死んだ時に来てくれたら、お待たせする事もないんだけどなぁって。そう思ったの」
「……」
ん?動かなくなった。天使くんが固まったぞ。どうしたんだろう?
「あ、そっか。今日は挨拶に来ただけですよ、ってことかな?これから天界に戻るの?」
「……」
何も喋らない天使くん。え、ええと……。
私が困っていると、天使くんがボソリと何かを言った。ん?「帰れない」とか、なんとか?そう聞こえたけど……
「って!え!?帰れないの!?」
「一度天界を降りたら、魂を引き取るまでは帰れない決まりなんだよ」
「じゃ、じゃあ、なんで今日きたの?」
聞くと、天使くんは一瞬だけ苦い顔をした。何かを言いたそうに口を開けて、眉を顰めて……。だけど何か思い直したのか。俯いて、さっきより更に小さい声で喋った。
「俺が来たいから、ここに来た」
「え……」
「……悪い?」
わ、悪い?って言われても。虚勢を張った雰囲気をバンバンだしながら、そんな事を言われても……信じられないっていうか。
「来たいからココに来たって、……ウソをつくのは、悪いことだと思うよ?」
「ウソじゃ、…………ないこともない」
「(あ、誤魔化した)」
堂々とウソをつけないのは、天使のサガみたいなものかな?天使って、ウソをつかない清廉潔白なイメージがあるもんね。
「じゃ、じゃあさ、天使くん。ふらっと天界から降りてきたって事は、今日から泊まる所が必要だよね?」
「あ……そうだね」
しまった、忘れてた――と言わんばかりの天使くん。良かった。これなら「あの提案」をしてみても、良さそうだ。
「じゃあ天使くん。良ければウチに来ない?」
「君の家に?」
「うん。お父さんもお母さんも、私の友達だって言えば、絶対に許してくれるから」
「俺、男だよ?そういうのは人間界では厳しいんじゃないの?」
「ウチの親は、そのへんフリーダムなんだよ!」
笑って言うと、天使くんも「なら」と言って、口をへの字にするのをやめた。
「今日から半年、一緒にいさせてほしい」
「うん!」
よろしくね、天使くん――
そうして私は、天使くんと一緒に、家に帰る事になった。
あ、そうだ。これから一緒に暮らすってことは、天使くんの事を名前で呼びたいな!
「ねぇ、名前を教えてよ!」
「……長いよ?」
「いいよ!」
だけど、天使くんの口から出てきたのは……なにやら呪文みたいなカタカナで。しかも長い。長すぎる!私は手を上げて「ストップ」と中断した。
「ごめん……。名前の件、もう少し後回しにしてもいい?」
「そっちから聞いたくせに」
「スミマセン……」
そういえば……私と出会ってから、天使くん一度も笑ってないなぁ。っていうか、無表情。
「ねぇ天使くん、笑ったら?」
「……うるさい」
無表情な天使くん。
そんな彼と、今日から同居スタートです!
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