上 下
25 / 48
二年生 魔物の討伐と元凶編

25 犯人

しおりを挟む
私は先生のところに行って言う。

「先生…あなただったんですね」

私がそう言うと先生は鼻で笑い言う。

「バレちまったもんな仕方がない」

そう言いながら近づいてくる。私たちは警戒する。すると先生がそれを見て言う。

「おっと、攻撃はまだしないぜ…決戦の場所は…校庭でやろうじゃないか…」

そう言い私たちの横を無理やり通って行った。私は先生に対してイラついた。
こんなに人に対してイラつくや憎しみを持つのは初めてだ。私が先生の後を追いかけようとすると…アンジュに止められる。

「アンジュ…なんで止めるの⁉︎」

私が力強く言うと…アンジュは言う。

「これは、私が片付けたい問題よ…」

「だけど…」

私は一緒に戦いとアンジュに説得をしようとしたが…エールに肩を掴まれる。

「エールなんで⁉︎」

エールは落ち着いた声で言う。

「確かに、一緒に戦いたい気持ちはわかるわ…だけど…この戦いはアンジュのために用意されたようなもんだから…」

私は、エールの言い方が少し引っかかるが…みんなに止まられて…私は前に進めない。
私は行こうとするアンジュに対して言う。

「あなたが、死んでも私は知りません…後処理もしてあげません…これで、わかりました…!あなたはクズで最低な人間なのですね!」

私は笑顔で去るアンジュに対して言う。アンジュは一度こちらを振り向いたがまた前を向き廊下を歩いて行った。

◆◇◆◇◆◇
私は、ソフィに「クズで最低な人間ですね」そう笑顔で言われてしまった。私の心は傷ついた。

いつもあんなに可愛いソフィがあんなことを言うなんて私は驚いた。私は、そんなことを気にかけながら校庭に向かうすると、剣を持ったルークが待っていた。

ルークがこちらを見て言う。

「おっ、一人か…どうしたんだ?さっきの女は」

私は言われてイラついた。女という男性は嫌いだ。私はイラつきながら言う。

「そうですよ?彼女に怪我をさせたくないので…」

そう言うと彼は笑った。

「何がおかしい?」

私は笑っているルークに対して言う。

「お前が俺に勝てるはずがないだよ」

そう言われて私は言う。

「私だけでも勝てますけど…?」

私は剣を構えながら彼に対し挑発した。すると彼はイラつきながら言う。

「秒で終わらせてやるよ‼︎」

そう言いながら私に突進してきた。私はその体型でこの速度が出るのかと少し驚いてしまった。

ルークはその後もずっと攻撃をしてきた。私はその攻撃をずっと回避した。すると、ルークが止まり言う。

「避けるだけか?お前は俺を殺せない」

その言葉が私の中で怒りの引き金となりムキになり彼の近づく攻撃をする。

「これで終わりよ…」

そう言い心臓を刺そうとしたが…

「甘いな…」

そう言い私はルークに背後を取られてしまい…あっさり…

「グサッ」

あたりに響く体を貫通する音。その音と共に私の体は激痛に襲われた。そして、私は意識を落とした。

◆◇◆◇◆◇
私は、あんな一人勝手なアンジュは嫌いだ。けれども、彼女に安否が少し気になる。私は廊下から校庭を見ると…倒れている人がいた…

「アンジュ‼︎」

私は叫んだが…ある言葉が頭の中によぎる。

「アンジュの後処理しないから…」

私はそう言った。けれどもよく考えると助けないとは言っていない。私は急いで校庭に向かった。

◆◇◆◇◆◇
目が覚めた。私はどこだろうと思っていると…目の前に…

「お姉ちゃん!」

この声は聞き覚えがある声だった。幼き頃の記憶だ。お姉ちゃんと言ってきているのは…私の弟…無惨に殺された可愛い弟。

「お姉ちゃん起きて!」

これは、夢なのだろうか…それとも走馬灯?私が混沌としている世界に戸惑っているといつもの光景が見えてくる。

「アンジュさん」

この声はソフィの可愛い声だった。この声を聞いただけで私は反応してしまいそうだ。

「アンジュ」

今度は誰が声をかけてきたのだろうと思ったら…そこに見えたのは金髪の生徒会長だった。

「会長…?」

私は泣き崩れそうだった。だが、会長は無慈悲に言う。

「お前は、俺を騙していたな。いつもお前に色々聞く癖を利用して…」

私は口を手で押さえた。会長は続けて言う。

「魔物が出現させたのは全てお前が原因だろ?お前が俺に惚れて欲しいからこの事件を起こすように仕込んだ。それをアンジュが倒して何もなかったかのように日常を過ごそうとしたんだな?」

私は図星で頷くしかできなかった。会長は言う。

「お前は、まだできることがある」

そう言われると目の前が白い世界に包まれた。
次の瞬間目の前は眩しい太陽の光でいっぱいだった。

体を起こすと…白い制服で戦っている少女が…私は察した。

「ソフィ…」

私はこのままではいけないとソフィの元に行こうとするが、体が痛い。刺された場所は元通りになっていた。

私はお腹を抑えながらソフィの戦いを見守るしかなかった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生女神は自分が創造した世界で平穏に暮らしたい

りゅうじんまんさま
ファンタジー
 かつて、『神界』と呼ばれる世界では『女神ハーティルティア』率いる『神族』と『邪神デスティウルス』が率いる『邪神』との間で、永きに渡る戦いが繰り広げられていた。  その永い時の中で『神気』を取り込んで力を増大させた『邪神デスティウルス』は『神界』全てを呑み込もうとした。  それを阻止する為に、『女神ハーティルティア』は配下の『神族』と共に自らの『存在』を犠牲にすることによって、全ての『邪神』を滅ぼして『神界』を新たな世界へと生まれ変わらせた。  それから数千年後、『女神』は新たな世界で『ハーティ』という名の侯爵令嬢として偶然転生を果たした。  生まれた時から『魔導』の才能が全く無かった『ハーティ』は、とある事件をきっかけに『女神』の記憶を取り戻し、人智を超えた力を手に入れることになる。  そして、自分と同じく『邪神』が復活している事を知った『ハーティ』は、諸悪の根源である『邪神デスティウルス』復活の阻止と『邪神』討伐の為に、冒険者として世界を巡る旅へと出発する。  世界中で新しい世界を創造した『女神ハーティルティア』が崇拝される中、普通の人間として平穏に暮らしたい『ハーティ』は、その力を隠しながら旅を続けていたが、行く先々で仲間を得ながら『邪神』を討伐していく『ハーティ』は、やがて世界中の人々に愛されながら『女神』として崇められていく。  果たして、『ハーティ』は自分の創造した世界を救って『普通の女の子』として平穏に暮らしていくことが出来るのか。  これは、一人の少女が『女神』の力を隠しながら世界を救う冒険の物語。  

平和に暮らしたいのにいつも邪魔される件

ゆうき
ファンタジー
寿命を迎え異世界に転生した直人は異世界で好きな人とのんびりライフを夢見るが...

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分

かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。 前世の分も幸せに暮らします! 平成30年3月26日完結しました。 番外編、書くかもです。 5月9日、番外編追加しました。 小説家になろう様でも公開してます。 エブリスタ様でも公開してます。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~

冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。  俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。 そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・ 「俺、死んでるじゃん・・・」 目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。 新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。  元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。

【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎

アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。 この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。 ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。 少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。 更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。 そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。 少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。 どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。 少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。 冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。 すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く… 果たして、その可能性とは⁉ HOTランキングは、最高は2位でした。 皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°. でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

その幼女、最強にして最恐なり~転生したら幼女な俺は異世界で生きてく~

たま(恥晒)
ファンタジー
※作者都合により打ち切りとさせて頂きました。新作12/1より!! 猫刄 紅羽 年齢:18 性別:男 身長:146cm 容姿:幼女 声変わり:まだ 利き手:左 死因:神のミス 神のミス(うっかり)で死んだ紅羽は、チートを携えてファンタジー世界に転生する事に。 しかしながら、またもや今度は違う神のミス(ミス?)で転生後は正真正銘の幼女(超絶可愛い ※見た目はほぼ変わってない)になる。 更に転生した世界は1度国々が発展し過ぎて滅んだ世界で!? そんな世界で紅羽はどう過ごして行くのか... 的な感じです。

処理中です...