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一年生編

15 学園祭本番

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今日は学園祭本番だ。私たちは気合を入れてるために朝早くから教室に向かった。

「おはよう」

誰もいない教師に私はポツリと呟く。すると、ニアが言う。

「誰もまだいないよソフィ」と肩を叩かれた。

「そうよね」

私は冷静になって教室を見渡した。準備は昨日のうちに全て終わった。だからあとは始まるのを待つのみ…

教室の椅子でニアと楽しくおしゃべりしているとエッセルが急いでこちらに来る。なんだろうと思い私は彼女の方を向く。彼女の顔は蒼白だった。私は心配になり彼女に寄り添う。すると、彼女は言う。

「食堂で…食堂で…」

彼女はすごく何かに動揺している。私は彼女の背中を摩りながら聞く。

「何があったの?」

彼女は嫌々言う。

「食堂で魔物が出たわ」

「魔物?」

私は思わず首を傾げてしまった。ニアはその言葉を聞いて膝から崩れ落ちていた。

「魔物が出てその魔物がどうなったの?」そう聞くとエッセルは言う。

「魔物が出て…みんな大慌てで逃げようとしたわ…だけど一人魔物の爪で引き裂かれたわ…」

私は聞いて少し引いた。そして思うこの世界に魔物が存在していたことに私は未だに驚いている。幼少期はお屋敷でずっと引きこもっていたから外の状況がわからなかった。魔物という魔王の手下みたいなものはいたのだろうか。

私は、エッセルに案内されるがまま食堂に行った。すると、人だかりができていた。私はその人だかりめがけて走る。

中央には血が流れた女子が倒れていた。私はその姿を見て愛号した。私が愛号していると誰かが背中を摩ってくれた。誰だろうと見るとあの意見を出した男子だった。男子は言う。

「見ないほうがいい…トラウマになってしまうかもしれないからね」

私は男子に誘導されるがまま食堂の椅子に座った。私は顔を隠したままでいた。すると、彼がハンカチを差し出してくる。私はそのハンカチを受け取り言う。

「ありがとう」

そう言うと彼は少し顔を赤らめてその場を去ってしまった。私はいつこのハンカチを返そうか考えるのだった。

ー数時間後ー
食堂での事件は先生たちが処理をしてくれた。私はたちは野次馬になるしかなかった。誰も助けようとしない…助けられなかったが正しい言い方だ。私は一人の命を無くしたのが悔しい。

みんな教室に集められて先生が言う。

「今日はあんな事件があったが…一応学園祭はやる予定だ」

クラスの雰囲気はすごく重かった。まるでお通夜にいるみたいだ。先生は無理やり元気を出して声を張り私たちに対して話してくれるが私たちはそんなところではない。

そんな重い空気で学園祭は始まってしまった。

前半組と後半組で分かれているのだが…私は後半組でニアとエッセルは前半だった。私は一人で寂しく校内を練り歩くと言うわけだ。

私は着々と愛想笑いをして接客をする。すると、茶などをし入れている子から言われる。

「ソフィさん、少し休んでいいよ」

そう言われるのもなんだが、接客は私一人でやっているほとんどやっているので他の人のやることがない。それが今の現状だ。

そもそもこのクラスの来る人が少ない。それもあって接客をする人が有り余っている。そんな状況を見て子が私に声をかけて休むように言ってきたのだ。

「わかりました」

私は裏方に行ってゆっくりとする。すると、食堂でハンカチを貸してくれた彼がいた。私は今しかないと思い話しかける。

「あの!」

「は、はいなんでしょうか」男子はビクッとして驚かせてしまったようだ。

「ハンカチ」

そう言いながら私は出す。すると男子は言う。「ありがとう」と。
私はあっけないないなと思い話を続ける。

「君名前なんて言うの?」

「僕の名前は…クリスファクト・ラマテスト」

「私はグランテスマト・ソフィよ」

私たちは握手をして両方の名前を知った。するとラマテストが言う。

「君はなんでこの学園に入っての?」

そう聞かれて私はいつものように言おうとするとラマテストが言う。

「僕はね、魔法が好きなんだ。子供の頃から魔法に憧れを抱いていた。だからこの学園に入ったんだ」

私は聞いて感心した。私も言おうと口を開けると…アナウンスが入る。

「前半と後半の人たちの入れ替えの時間です。前半組は急いで教室に戻るように」

教室がガヤガヤしてきた。私は裏方を出て思う。

これが終わったら…進級かと。

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