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一章

三十二話 旧友

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私たちは、依頼者の家に向かった。住所のところへ行くと私たちは建物を見て唖然としていた。すると、家の中から依頼者かと思われる人が出て来た。

「何か用ですか?」

依頼者は、家の門の前まで来て行った。私たちは、建物から依頼者らしき人の方に視線を向けた。

「いや…私たちは、あなたの依頼を請け負ってきた冒険者です」

「あっ!それは、申し訳ございません。それでは、こちらにお入りください」

依頼者の人は、慌てた様子で招き入れてくれた。中に入ると大きな庭。そして大きな玄関。私たちは、見渡しながら玄関へ向かった。

「それではお入りください」

依頼者は、大きな玄関のドアを開けてくれた。私たちは中に入る。すると、中央に大きな階段が配置されていた。私たちは、中に入り数歩で足を止めてしまった。

すると、それを見ていた依頼者が言う。

「どうかされました?」

「いや…なんでもありません…ちょっと中が予想よりも大きくて…」

私は、頭の裏を掻きながら言った。すると、依頼者の人は笑顔で言う。

「そうですか…それは失礼しましたなぁ」

「失礼とは?」

私は、思わず質問してしまった。すると、依頼者は私の方を見て言う。

「家が大きくてね。あはは」

笑いながら、依頼者は言った。怒っているのか性格が穏やかなのかはわからなかった。次の瞬間私は階段のほうに視線を戻した。すると、そこには無数のメイドたちがいた。私は恐怖を感じてしまった。

すると…

「客人だ。応接間に」

そう言い残し依頼者はどこかに行ってしまった。私たちは、戸惑っていると二人のメイドが降りてきて言う。

「本日はお越しいただきありがとうございます。お荷物を預かりますね」

私たちは、メイドに荷物を持たせて応接間まで案内された。応接間には二人のメイドがまた居た。連れてきてくれたメイドたちは部屋を出て行き中にいた二人のメイドが私たちの荷物を持っていた。

依頼者は、一口紅茶を啜って言う。

「さぁ…本題なのだが、私の息子…ロビンが友達と遊びに行くといいここ二日帰ってこない。これは異常事態だ。」

「そうですか…息子さんはどこへ行くと行っていましたか?」

私が、質問すると依頼者は黙った。それは、聞いていないと言う知らせでもあった。

「突然で申し訳ございませんが…お名前は?」

「住みません。申し遅れました。私オーガというものです。ここら辺で店などを経営している社長でもあります」

「ほほう…そうですか…オーガさん、あなたは息子さんからどこに行くか聞いていないんですね?」

私が聞くと、オーガは静かに頷いた。私たちは、完全に探す当てを無くしたのだった。1からオーガの息子の痕跡を辿らなければいけない。と思っていた時部屋のドアがノックされる。

「入っていいぞ」

そう言うと、一人のメイドがドアを開ける。すると、そこに立っていたのは、黄色いドレスを着た女性であった。

「おぉ~ソフィちょうどいいところに来たな」

私は、思わずソフィと思ってしまった。ソフィ…なんだか聞いたことあってない名前…

「改めて紹介する。私の妻のソフィだ」

「ソフィです。オーガの夫してます」

そう言い、ソフィは一礼をした。私たちも小さく返した。ソフィも座り2体2の対面となった。

「ソフさんに聞きたのですが…息子さんがいなくなった日何か息子さんから聞きましたか?」

「聞いたとは…?」

「あっすみません、その日にどこに行くかとか聞きました?」

「うーん…知りません」

ソフィは少し考えたがやがて否定された。本当に私たちの手がかりがなくなった。
私たちは立って…

「では、これで失礼…」

「お邪魔しました~」

私たちは、それぞれの挨拶を済ませて部屋を出ようとするが…

「エマちゃんだっけ?」

「はい…なんでしょうか?」

「二人で話しましょう?」

私は思った。何か失礼なことをしてしまったのかと覚悟をした。しかも、ソフィは笑っていた。より怖かった。やがて、部屋にはメイドと私とソフィだけになった。

「覚えてるかしら?私のこと」

私は、重たい空気の中急に言われたのであたふたする。

「あら、覚えたないのかしら…」

「すみませんが…ちょっとわかりません」

「最近あったじゃない」

そう言われて、私は最近あったことを思い出す。私は一つの答えに辿り着いた。

「もしかして…王都でのあの金髪の女性?」

私が言うと、ソフィは笑顔を浮かべた。

「正解!」

手を叩きながら言った。私もずっとモヤモヤだったものが解消された。

「そして…もっと遡ってみて」

私は考え込むが出てこない。すると、アズサは私の隣まで移動して座って言う。

「幼少期…私たちでお花で遊んだよね?」

「えっ!」

私は思わず驚いてしまった。ソフィ…は小さい頃離れ離れになってしまった少女の正体がソフィだったなんて…ソフィは私の髪を触りながら言う。

「あなたは…昔から髪質が変わってないわね…」

ソフィが思った以上に近くて私はドキドキしてしまう。そして、ソフィが驚きの事実を言う。

「私はね…オーガの夫じゃないんだよ~?私はお金を払われて嫌々偽装夫婦をやっているだけ」

「そうなのか…」

聞いて後悔をした。再開して嬉しかったが…こんな悲しいことを聞くなんて…私の耳元で言う。

「この息子の件…私がやっちゃったんだよね…」

「やったって?」

「息子さんに私が嘘のお母さんとバレてからあの子は反抗期並みに反抗してきてね…ついイラッと来て殺しちゃったんだ…」

「え…?」

私は、低音の声が出てしまった。驚きが隠せない。そんな、ソフィは渡しの首を触りそして…

「あなたは…聞いてしまったからには共犯よ…このことは隠密に…後で報酬を払うから適当にそこらへん歩いてて」

「…」

「さぁ、あなたの相方が待ってるから行きなさい」

ソフィは、私の背中を叩き部屋を出て行った。私は、現実だと信じられなかった。すると、部屋にいたメイドが駆け寄ってきて言う。

「大丈夫ですか?」

「大丈夫よ…」

「さっきの件は本当?」

私が聞くと、メイドはきょとんとした顔をしていた。私は、迫真な顔で言う。

「さっきの話聞いてなかったの!?」

大声で言って少し部屋に響いた。メイドは言う。

「さぁなんのことですか?まぁ部屋を出ましょうか」

メイドに誘導されるがまま部屋を出てアズサと合流した。


「ではさようなら」


依頼者がそう言い玄関が閉まっていく。その間にもソフィは笑顔でこちらに手を振っていた。
私は、いまだに現実が受け止められない。いつあんな可愛いソフィが道を踏み外したのか…不思議でたまらなかった。

「さぁ行こう!探しに!」

アズサは気合の入った声で言った。
私は、何も言い返さずにアズサの後をボーっとついて行ったのだった。
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