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一章

十六話 絶体絶命

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私たちは、宿の部屋でゆっくりしていた。

「いや~昨日あんなに張り切っていたけど…」

「肝心の場所がわからないわね」

私とアズサは場所について悩んでいた。調子に乗って、タガフに聞くのを忘れてしまった。私たちは考えて考える…

「出てこない!」

私はベッドに飛び込みながら言った。すると、ドアがノックされて、私はドアを開ける。すると、そこには少年が立っていた。何の用だろうと思いながら少年を見る。

「あの…」

少年は申し訳なさそうな顔で言った。

「あ…あのもう宿出る時間ですけど…延長します?」

「延長…?」

私が、ポツリと言うとアズサが大声で言う。

「料金かぁ!!」

少年を見ると小さく頷いていた。アズサは急いで袋を出してお金を少年渡す。

「ありがとうございます。ではでは…ごゆっくり~」

後退りする少年を私はグッと掴んで部屋に無理やり連れ込む。

「え…え…?」

少年は困惑しながらもベットに座る。少年は辺りをキョロキョロしていた。そんな少年を見ながら言う。

「少年…君に聞きたいことがある…」

少年は緊張しているのか私から目線を外さない。そんなに見られると少し恥ずかしかったが言う。

「テンバラの花は知ってるか…?」

少年は少し考えた表情をして言う。

「えーと…アンデス山脈の頂上にある花のことですかね…」

「え…?」

私は少年が知りすぎてちょっと怖くなった。

「次に、ザクロの爪とか知ってるか?」

「ザクロの爪ですか…ザクロ…別名アイスドラゴンの爪…危険なドラゴンで有名で手に入れたら高額で売れるとか…」

「ほほう…」

私は頷きながら聞いた。

「最後に…鷹の爪知ってるか…?」

「鷹の爪…砂漠にいる鳥ですね」

なんだか最後は簡潔に言われてしまったが私は少年に感謝をして返した。少年は一礼をしてドアを閉めて行った。

私たちは、少年の言っていたことを整理する。

「まず、テンバラの花は簡単そうだな…」

「ですね…」

「鷹の爪も頑張れは…いけるな…」

「…ですね…」

「ザクロの爪は…いけるか?」

「無理そうですね」

「無理とか言うなよ」

私はアズサの肩を叩きながら言った。すると、アズサは肩を摩りながら言った。

「ザクロの爪とか…実物見たことないし」

「…」

私は何も答えることができなかった。私は数秒黙ってから言う。

「まぁまずはテンバラの花を取りに行こう」

「そうね」

私たちは、テンバラの花を取りに行く準備をしていた。
数分間準備をして私たちは玄関へと向かう。

すると、カウンターに少年がポツリと座っていた。私たちはそれをスルーして玄関を出た。少年も何かに夢中になってやっていた。話しかけるのは申し訳ないなと思ったのだった。

私たちは、遠い場所にあるアンデス山脈の頂上を目指して歩き始めた。

王都を出て早5キロほどを歩いた時アズサが言う。

「休みません?」

「確かね…疲れてるわ」

そう言い私たちは休みに入ろうと木陰に座ろうとした時…

「エマ見て!」

アズサが急に指を指している方向に見るとそこには小さく街の姿があった。私たちはその街を見て言う。

「歩こう…」

「そうね」

私は言うと、アズサも納得してくれた。
私たちは再び歩いた。歩いたけれども…街はまだまだ辿りつかない。

私たちは、へとへとになっているとある男性と出会った。

「お嬢さんたち、すごく疲れている様子だけど大丈夫ですか?」

私は、男性の方を見て言う。

「大丈夫です」

そう言うと、男性は手から飲み物を出して渡してきた。

「これいいんですか?」

「いいんですよ」

そう言われて、私はその飲み物を飲んだ。
アズサもその飲み物を飲んでいた。
私たちは少ししゃがんで言う。

「お兄さんはこの辺の方ですか?」

「いや…ちょっと遠い街からかな」

お兄さんは草をむしりながら言った。私たちは、やがて男性に感謝をして歩こうとした時…

「あれ…なんだか…めまいが…」

「私も…」

私たちはそこで倒れた。なんだか、意識が遠のいた感じがしたのだった。



次に目が覚めた時は、薄暗い空間だった。私は辺りを見渡す。すると、そこは手足が拘束されていた。身動き一つも取れなかった。

アズサは、まだ目を瞑っていた。私はアズサを起こそうと足掻く。

「アズサ!起きて!」

私の問いかけに答えてくれない。すると、奥の方から男の声が聞こえてきた。

「どうやらお目覚めかな?」

その声は聞き覚えがあった。その声は私たちに水を提供してくれた男性だった。男性はやがて姿を表して言う。

「君の相方は…エルフなんだね」

アズサの顎を撫でながら言う。

「アズサに触らないで!」

そう言うと、男性はイラつきながらこちらに近づいてくる。

「そんなこと言っていいのかな~?」

男性は煽りながら言ってくる。私は強気に言う。

「いいんです」

そう言うと、男性は机にあった鞭をとって…

パチン!

その音と共に私の太ももを叩いた。私はその痛みを耐えた。

「喚かないんだなぁ!」

男性はそう言いながらもう一度叩いてきた。私は痛みに耐えられなかった…

「イタ…」

小さな声で呟くと男性は私の声を聞いて言う。

「いい声ダぁ…もっともっと…その声を聞かせてくれよ…」

男性は気持ち悪かった。私の首を舐めてくる。

「気持ち悪いです…やめてください」

そう言うと男性はアズサの方に行って…

部屋中に響き渡る音で太ももを叩いた。その音と共にアズサは目が覚めた。

「イッタ!!」

アズサは苦しんでいた。そんなに叩かれるのに敏感なのだろう…
もう私たちは…終わりだと思った時

「楽しめたかな…?」

そう言いながら出てきたのは…フードを深く被った…男性だった。前にも会ったことがある。
私たちは…絶体絶命であった。私は言う。

「助けてください…」と…
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