上 下
9 / 45

九話 依頼

しおりを挟む
私たちは家に帰ってきてルーナのお手製の手料理に手を出していた。料理を頬張りながら食べていると、ルーナがお皿に盛りながら言った。

「エマの隣の子って誰?」

どうやら、家に上がらせていたが詳細は知らなかったみたいだ。私は、ルーナに詳細を言う。

「この子は、キャンバルへ行く途中に森で休憩していたら拾ったのよ」

アズサは驚いた顔をして私の方を見た。私はアズサに対してウィンクをして許してもらった。再び多少お話をしながらご飯を食べ始めた。

私がご飯を食べ終わり終わりの挨拶をしようとした時、テオが食器を置いて言う。

「なぁ…エマとアズサよ」

そう言われて、私とアズサはテオの方を見た。私たちは疑問に思いながらテオを見ていると、テオが一息置いて言った。

「明日、ギルドの依頼を解決してきてくれないか?」

私は言われて顔があい見つめ合う。やがて、私たちは視線をテオの方へ戻して言う。

「うーん…依頼…?」

アズサはピンときていないみたいだ。私は、テオの回答とアズサに説明するために言った。

「依頼ねぇ…久しくやっていないからな、どんな依頼があるかわからないわ。」

そう言いアズサの方に向いて言う。

「依頼っていうのはね…」

アズサに説明をした。アズサは理解したかのように大きく頷く。アズサが言う。

「じゃあ、テオさんは依頼を解決してきたらいいってことね?」

アズサがそう言うとテオが言う。

「そうじゃ、依頼を解決してきて欲しい。少し社会常識ってもんも必要やと思うし」

そう言い残し、テオはどこかへいってしまった。私たちは向き合って言う。

「じゃぁ明日行こうか」

そう言うと、アズサは大き頷いた。そして、アズサが言う。

「私ってどこでねればいいの?」

そう聞かれて、私はわからなかった。ルーナがいるところへ行って聞いた。すると、一部屋ちょうど空いているらしい。

私は、アズサがいる場所に戻り場所を伝えた。すると、アズサはわかったと言いその場所へ行ってしまった。私は、アズサと自分の分のお皿をキッチンへと持っていった。

テオの食器もあったので私はキッチンへ運んで皿洗いをした。
皿洗いをすると、手が冷たくなり体が冷える感覚に陥った。

皿洗いをしていると、ルーナがキッチンへ入ってきて皿洗いを手伝ってくれた。そして、皿洗いがすぐに終わり私は自分の部屋へと戻ったのだった。



私は目が覚めてリビングへと行った。すると、アズサがもう起きていた。私はアズサに挨拶をしてご飯を済ませてやがて、外へと出た。

外へ出ると、朝の肌寒い感じがあった。私は腕を摩りながらアズサがくるのを待っていた。
数分が経ってアズサが出てきた。アズサは謝りながら出てきた。

「大丈夫だよ」

そう言いながら、アズサと合流して街へと向かう。私たちが行こうとしている場所は…私の嫌な人がいる街…アンクルセントへ…

私は言う。

「ねぇ?転移魔法私でも使えるかな?」

そう聞くと、アズサは歩きながら行った。

「無理だと思う。あの人のオリジナルの魔法なんでしょ?オリジナル魔法ってその人しかできないんじゃないの?」

そう言われて私は考える。考えていると、歩く速度がだんだん落ちて行く。やがて、私の足は止まった。アズサがこちらを見て言う。

「なんで、止まってるの?」

そう言われて、私はアズサに言う。

「転移魔法やってみる」

そう言うと、アズサは興味津々にこちらに近づいてくる。私はそれと同時に魔法陣を展開して言う。

「転移!」

草原に響き渡る声で言う。白い世界で包まれた。これは成功かと思ったのだが…
目を開けると、そこは街より少し遠い場所で転移していた。私はアズサの方を見て言う。

「なんか…絶妙な場所に出ちゃったね」

そう言うと、アズサは言う。

「エマ!すごいよあんた!」

そう言いながら私の肩を揺らしてくる。私は頭が回る感覚に陥った。そのあとは少し歩いてアンクセルセントへ着いた。

アンクルセント前とほとんど変わらなかった。私はギルドへ向かった。私はフードを深々と被って入る。

すると、中はたくさんの人で賑わっていた。私はまっすぐにカウンターへ行く。
私はカウンターで言う。

「あの依頼を受けたいのですが」

小声でカウンターの人に言うと、カウンターの人は笑顔で優しく言う。

「依頼ですか?ありますよ。」

そう言いながら、紙を二、三枚出してきた。その紙を見ると…

一枚目の紙を見ると、アガルベアーの討伐と書かれていた。アガルベアーは凶暴で危ない熊だ。

二枚目を見ると、薬草を集めると言うのだった。薬草といっても二、三種類の薬草を集めると言うものだった。

三枚目は…薄い字で書かれていてなんて書いてあるかわからなかった。

私は自分で見たあと、アズサに紙を渡す。私はその間にも周りの注意を怠らない。あの忌々しい勇者パーティが来るかもしれないから…私が周りを見ているとアズサが私の肩を叩いて言う。

「これとかよくない?」

そう言いながら渡してきたのは一枚目の紙…私は見て少し絶望したが…笑顔で言う。

「いいんじゃないかな?」

そう言うと、アズサはカウンターに提出した。

「依頼受注完了です。討伐頑張ってください」

そう言われて、笑顔で見送られてしまった。私は苦笑いで手を振り返したのだった。
そして、入口を急足で出ようとした時…

なんだか、懐かしい感じがした。私は反射的に振り返ってしまう。だけども、そこには誰もいなかった。アズサがこちらを見て言う。

「エマどうしたの?」

「いや、なんでもない…それじゃいこっか」

私は、アズサに聞かれたことを誤魔化した。なんだか、さっきの感覚は旧友にあった感じがしたのだった。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

主人公を助ける実力者を目指して、

漆黒 光(ダークネス ライト)
ファンタジー
主人公でもなく、ラスボスでもなく、影に潜み実力を見せつけるものでもない、表に出でて、主人公を助ける実力者を目指すものの物語の異世界転生です。舞台は中世の世界観で主人公がブランド王国の第三王子に転生する、転生した世界では魔力があり理不尽で殺されることがなくなる、自分自身の考えで自分自身のエゴで正義を語る、僕は主人公を助ける実力者を目指してーー!

異世界貴族は家柄と共に! 〜悪役貴族に転生したので、成り上がり共を潰します〜

スクールH
ファンタジー
 家柄こそ全て! 名家生まれの主人公は、絶望しながら死んだ。 そんな彼が生まれ変わったのがとある成り上がりラノベ小説の世界。しかも悪役貴族。 名家生まれの彼の心を占めていたのは『家柄こそ全て!』という考え。 新しい人生では絶望せず、ついでにウザい成り上がり共(元々身分が低い奴)を蹴落とそうと決心する。 別作品の執筆の箸休めに書いた作品ですので一話一話の文章量は少ないです。 軽い感じで呼んでください! ※不快な表現が多いです。 なろうとカクヨムに先行投稿しています。

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

虚無からはじめる異世界生活 ~最強種の仲間と共に創造神の加護の力ですべてを解決します~

すなる
ファンタジー
追記《イラストを追加しました。主要キャラのイラストも可能であれば徐々に追加していきます》 猫を庇って死んでしまった男は、ある願いをしたことで何もない世界に転生してしまうことに。 不憫に思った神が特例で加護の力を授けた。実はそれはとてつもない力を秘めた創造神の加護だった。 何もない異世界で暮らし始めた男はその力使って第二の人生を歩み出す。 ある日、偶然にも生前助けた猫を加護の力で召喚してしまう。 人が居ない寂しさから猫に話しかけていると、その猫は加護の力で人に進化してしまった。 そんな猫との共同生活からはじまり徐々に動き出す異世界生活。 男は様々な異世界で沢山の人と出会いと加護の力ですべてを解決しながら第二の人生を謳歌していく。 そんな男の人柄に惹かれ沢山の者が集まり、いつしか男が作った街は伝説の都市と語られる存在になってく。 (

通称偽聖女は便利屋を始めました ~ただし国家存亡の危機は謹んでお断りします~

フルーツパフェ
ファンタジー
 エレスト神聖国の聖女、ミカディラが没した。  前聖女の転生者としてセシル=エレスティーノがその任を引き継ぐも、政治家達の陰謀により、偽聖女の濡れ衣を着せられて生前でありながら聖女の座を剥奪されてしまう。  死罪を免れたセシルは辺境の村で便利屋を開業することに。  先代より受け継がれた魔力と叡智を使って、治療から未来予知、技術指導まで何でこなす第二の人生が始まった。  弱い立場の人々を救いながらも、彼女は言う。 ――基本は何でもしますが、国家存亡の危機だけはお断りします。それは後任(本物の聖女)に任せますから

神殿から追放された聖女 原因を作った奴には痛い目を見てもらいます!

秋鷺 照
ファンタジー
いわれのない罪で神殿を追われた聖女フェノリアが、復讐して返り咲く話。

異世界勇者のトラック無双。トラック運転手はトラックを得て最強へと至る(トラックが)

愛飢男
ファンタジー
最強の攻撃、それ即ち超硬度超質量の物体が超高速で激突する衝撃力である。 ってことは……大型トラックだよね。 21歳大型免許取り立ての久里井戸玲央、彼が仕事を終えて寝て起きたらそこは異世界だった。 勇者として召喚されたがファンタジーな異世界でトラック運転手は伝わらなかったようでやんわりと追放されてしまう。 追放勇者を拾ったのは隣国の聖女、これから久里井戸くんはどうなってしまうのでしょうか?

処理中です...