前世で亡くなった俺は異世界転生をして異世界ライフを楽しみます 〜優しい仲間や心強い仲間がたくさん俺を迎えてくれる〜

一章 三節 冒険者……ゴブリン

十一話 初依頼

　俺たちは、さっき首を突っ込んだ男に再び会いに行った。

「なぁ」

　俺が一声言いながら肩を叩くと堅いのいい男はゆっくりと俺の方を向いて言った。

「なんだよ……お前か、さっきも言ったが俺らの事情なんだ。お前が首を突っ込むことはな……」

　男は何かを言い切ろうとしていたが、俺は男に対して拳を入れた。男は鼻から血を流れていた。
　鼻を抑えながら男は言った。

「テメェ……なんだよいきなり！？」

　男はびっくりしているようだが……俺は構わずに男に拳を入れ続けた。
　やがて、男はゆっくりと立ち上がり……

「テメェ……ふざけるよ！！」

　大声で俺の方に突進してきた。俺その攻撃を最も簡単に避けて男の背後から……

「チェックメイトだ」

　そう言い、人間の弱点の部分に拳を入れた。男はゆっくりと膝から崩れ落ちた。
　俺は、男と一緒にいた小柄な人はポカーンと俺の方を見ていた。そんなところに、マリがトコトコと行き話しかけていた。

　小柄な人は最初はびっくりしていたが、マリと会話している間に笑顔が増えていた。
　俺は、小柄な人の方に近づいて言った。

「君大丈夫だった？」

　俺が、心配そうに言うと小柄な人は笑顔で言った。

「はい！大丈夫です！ありがとうございました」

　そう言い、小柄な人はどこかに行こうとしていたところをマリは後ろから言った。

「また、誰かの背中にくっついていくの？」

　そう言った瞬間、小柄な人はこちらを振り向いて言った。

「なぜそんなことを聞くのですか？」

「あなたが、『女』と言うことはもうわかってるのよ」

　マリはいつの間にか腕を組みながら言っていた。そして言い終わると、シズクの方を指さして「こいつが全て教えてくれた」みたいな空気になってしまった。

　俺は、そんな空気の中切り出した。

「なんで、お前はそんな生活をしているんだ？自由に生きればいいじゃないか」

「自由……」

　小柄な女の人は、何かを零すように言った。

　なぜ、シズクがこの人は女だとわかったかはわからないが……シズクは便利なスキルを持っているみたいであった。

そして、俺は小柄な女性の前に立ち言った。

「君は今日から自由だ。好きに行きなよ」

俺たちはそう言い残し、その場を後にした。
あの子がその後どう生きようが自由だ。俺はそんなことを思いながら歩いた。

すると、その子は大声で言った。

「ありがとうございました！！」

俺は手を挙げて応えたのだった。


ギルドに戻り、受付嬢に話しかける。

「クエストの受注ですか？」

「あぁ、ゴブリン討伐をしたい」

「ゴブリン討伐……わかりました。クエスト依頼があるか確認してきますのでしょうしょうおまちください。」

そう言い、受付嬢は裏方に消えてしまった。この待ち時間がとても苦痛に感じた。
めんどくさい妹と一緒にいていつ俺に甘えてくるわからない……とてもめんどくさい。

そんなことを思っていると……受付嬢が戻ってきて言った。

「今の所、一件のゴブリン討伐があるみたいですが受注しますか？」

「はい」

俺は勢いよく返事をした。
そして、シズクの方を見てみると周りを警戒してカリカリしていた。そんな神経質だったかと思ってしまうほどだった。

俺はそんなシズクの話しかけた。

「大丈夫か？」

「大丈夫じゃない……お兄ちゃんを狙う女がいるかもと思うとイラつきが止まらない……」

「あはは……」

そんな会話をしていると……受付嬢が元気よく言った。

「クエスト受注完了です！それでは頑張ってくださいね～」

シズクを脇に抱えてギルドを後にした。

そして、俺たちの冒険者生活が今始まった。

これが、冒険者生活の一ページの初依頼であった。