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一章 一節 転生
四話 初戦闘
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「どうしたの?」
草取りに夢中だったマリが立ち上がり俺の方を見て言った。俺はマリに対してジェスチャーで村の入り口を指した。すると、マリは慣れているのか冷静な声で言った。
「あぁ……またあいつらね」
「またって前にもきたのかよ!?」
俺は驚きながら言った。するとマリは静かに頷いた。俺が村の入り口に移動しようとすると……
「待って!!あなたはまだこの世界に来たばかりだから……下がってて!」
俺はそんな声を聞きもせずに無我夢中で向かった。
相手は剣を持ち、こちらは拳。
どう考えても不利なのだが、俺はなぜかゴブリンの中に殴りに行った。
「危ない!!」
マリの掠れた声が辺りに響き渡る。俺は辺りを見渡すと、ゴブリンが俺の腕を切り落とそうとしている。俺は咄嗟に避けたのだが……
「クソ……こいつら案外知性あるな」
俺は尻餅をつきながら言った。すると、マリも合流しマリは大声で言った。
「炎の精霊、力を貸してください。ファイアボールって言ってみて!!」
尻餅をついている俺に対してマリは意味のわからないことを言ってきた。俺は……マリを信じ言った。
『炎の精霊……力をお貸しください。【ファイアボール】』
そう言うと、俺の手のひらから球体状の炎の球がゴブリンに対して放たれた。
「ぎぁぁああ」
ゴブリンは、悲鳴を上げながら火を消そうとしていた。
俺はそんなゴブリンを見て止めを指そうとすると……
俺の目の前に、銀色に輝いた刃が視界に入った。
アルファか!?と思ったが違った。
剣を使っていたのは……マリであった。
「おらぁあああ!」
マリは掛け声とともに燃えているゴブリンを切り刻んだ。
剣の使い方は俺は全くわからなかったが、アルファに近い何かを感じた。
マリは剣についた血を振り払い、剣を鞘に入れた。
「ふぅ……」
やり切った顔をした、マリの上には『レベルアップ』と言う文字が浮かんでいた。
俺は思わず声に出して言う。
「レベルアップ!?この世界にレベルの概念あるのか!!」
興奮している俺を横目にマリは言った。
「えぇ、『レベル』という概念があるわ。私はそんなの気にしてないけど……」
「えぇ~、それは贅沢だなぁ……レベルを気にしないで生きるなんて~」
俺はからかいながら言った。すると……
「イテッ!」
声に出してしまうほどの力の力の強さで頭に拳が入った。
俺は、頭を抑えながら言った。
「何すんだよ!!」
「何って……あんたが気持ち悪いからだよ」
ゴミを見るような目で言われて俺はしょんぼりした。
そして、マリは空を見ながら言った。
「あんたも、レベルアップしてるわよ」
「マジ!?みよみよ……どうやって見るんだ?」
「はぁ……『ステータスオープン』普通に言えばいいのよ……」
「わかったわ……『ステータスオープン!』」
レベル7
筋力10
知力30
俊敏5
運1
スキル 固定スキル【経験値増加(今だけだよ)】スキル習得!【炎の精霊】
……運なくね俺。
まぁそんなことは置いておいて…
レベルが7ということは……どうゆうことだ?
「お前レベル何なんだ?」
「え……私?そんなプライベートを覗くなんて……」
めんどくさい女を演じながらマリは言った。
「えっと…10ね…あなたは?」
「7」
「7!?高くない!?」
「そうなのか?俺は普通だと思うが」
「高いわよ!!アルファでも11なのに……成長率がおかしい……固有スキルなんなのよ」
「えっと……【経験値増加】」
「なんなのそのなろう系の主人公が持ってそうなスキルは……」
「実際……なろう系だし…」
「何を言ってるのだか……」
マリは、手を顔を横に広げて外国人がわからないとジェスチャーする時みたいな顔をしながら言った。
やがて、アルファが来て言った。
「お前ら大丈夫か!?」
「あぁ、平気だ。」
俺は冷静な顔で、言った。アルファは一安心しながらゴブリンの死体を見た。
「……うーん、こいつらもか」
ゴブリンのどこかを見ながら言った。俺は不思議に思いアルファに聞いた。
「なんの印を見ているんだ?」
「あぁ、すまない。ゴブリンの首を見てくれ。焼けていてみづらいが十字架のマークがあるだろ?」
「あるが…何か問題があるのか?」
「この印があるってことは、ゴブリンの巣が近くにある……この印はゴブリンの長がいるってことなんだよ」
「……そうか」
俺は聞いて、なんて答えるかわからなかった。ここで、倒そう!と言っても倒せる気がしない。
俺らに倒せる戦力など持ち合わせていない。
「まぁ気にするな!行こう!」
そう言い、アルファは歩き出した。やがて、マリも歩きだし俺が立ち止まっているからか声をかけてきた。
「さぁ行くわよ、あなたが考える問題ではないの」
「……」
俺は何も言わずにマリの後をついて行った。
家に戻り、それぞれの部屋に戻ったが、俺はリビングに残りアルファに聞いた。
「なぁ、ゴブリンってどうやって増えているんだ?」
「……それは答えられない」
数秒黙った後アルファは俯いたまま言った。だが、俺は気になりもう一回聞く。
「なぁ答えてくれよ……どうやって増えているんだ?」
そして、リビングには沈黙が場を包み込んだ。
アルファは何かを言いたそうに拳を作って……
アルファが口を開けようとしていた時……
『人間よ』
低い声で、裏から声が聞こえてきた。
この声には聞き覚えがあった。
振り返ると、そこには……壁に寄りかかっているマリが腕を組みながらこっちを睨んでいるのだった。
草取りに夢中だったマリが立ち上がり俺の方を見て言った。俺はマリに対してジェスチャーで村の入り口を指した。すると、マリは慣れているのか冷静な声で言った。
「あぁ……またあいつらね」
「またって前にもきたのかよ!?」
俺は驚きながら言った。するとマリは静かに頷いた。俺が村の入り口に移動しようとすると……
「待って!!あなたはまだこの世界に来たばかりだから……下がってて!」
俺はそんな声を聞きもせずに無我夢中で向かった。
相手は剣を持ち、こちらは拳。
どう考えても不利なのだが、俺はなぜかゴブリンの中に殴りに行った。
「危ない!!」
マリの掠れた声が辺りに響き渡る。俺は辺りを見渡すと、ゴブリンが俺の腕を切り落とそうとしている。俺は咄嗟に避けたのだが……
「クソ……こいつら案外知性あるな」
俺は尻餅をつきながら言った。すると、マリも合流しマリは大声で言った。
「炎の精霊、力を貸してください。ファイアボールって言ってみて!!」
尻餅をついている俺に対してマリは意味のわからないことを言ってきた。俺は……マリを信じ言った。
『炎の精霊……力をお貸しください。【ファイアボール】』
そう言うと、俺の手のひらから球体状の炎の球がゴブリンに対して放たれた。
「ぎぁぁああ」
ゴブリンは、悲鳴を上げながら火を消そうとしていた。
俺はそんなゴブリンを見て止めを指そうとすると……
俺の目の前に、銀色に輝いた刃が視界に入った。
アルファか!?と思ったが違った。
剣を使っていたのは……マリであった。
「おらぁあああ!」
マリは掛け声とともに燃えているゴブリンを切り刻んだ。
剣の使い方は俺は全くわからなかったが、アルファに近い何かを感じた。
マリは剣についた血を振り払い、剣を鞘に入れた。
「ふぅ……」
やり切った顔をした、マリの上には『レベルアップ』と言う文字が浮かんでいた。
俺は思わず声に出して言う。
「レベルアップ!?この世界にレベルの概念あるのか!!」
興奮している俺を横目にマリは言った。
「えぇ、『レベル』という概念があるわ。私はそんなの気にしてないけど……」
「えぇ~、それは贅沢だなぁ……レベルを気にしないで生きるなんて~」
俺はからかいながら言った。すると……
「イテッ!」
声に出してしまうほどの力の力の強さで頭に拳が入った。
俺は、頭を抑えながら言った。
「何すんだよ!!」
「何って……あんたが気持ち悪いからだよ」
ゴミを見るような目で言われて俺はしょんぼりした。
そして、マリは空を見ながら言った。
「あんたも、レベルアップしてるわよ」
「マジ!?みよみよ……どうやって見るんだ?」
「はぁ……『ステータスオープン』普通に言えばいいのよ……」
「わかったわ……『ステータスオープン!』」
レベル7
筋力10
知力30
俊敏5
運1
スキル 固定スキル【経験値増加(今だけだよ)】スキル習得!【炎の精霊】
……運なくね俺。
まぁそんなことは置いておいて…
レベルが7ということは……どうゆうことだ?
「お前レベル何なんだ?」
「え……私?そんなプライベートを覗くなんて……」
めんどくさい女を演じながらマリは言った。
「えっと…10ね…あなたは?」
「7」
「7!?高くない!?」
「そうなのか?俺は普通だと思うが」
「高いわよ!!アルファでも11なのに……成長率がおかしい……固有スキルなんなのよ」
「えっと……【経験値増加】」
「なんなのそのなろう系の主人公が持ってそうなスキルは……」
「実際……なろう系だし…」
「何を言ってるのだか……」
マリは、手を顔を横に広げて外国人がわからないとジェスチャーする時みたいな顔をしながら言った。
やがて、アルファが来て言った。
「お前ら大丈夫か!?」
「あぁ、平気だ。」
俺は冷静な顔で、言った。アルファは一安心しながらゴブリンの死体を見た。
「……うーん、こいつらもか」
ゴブリンのどこかを見ながら言った。俺は不思議に思いアルファに聞いた。
「なんの印を見ているんだ?」
「あぁ、すまない。ゴブリンの首を見てくれ。焼けていてみづらいが十字架のマークがあるだろ?」
「あるが…何か問題があるのか?」
「この印があるってことは、ゴブリンの巣が近くにある……この印はゴブリンの長がいるってことなんだよ」
「……そうか」
俺は聞いて、なんて答えるかわからなかった。ここで、倒そう!と言っても倒せる気がしない。
俺らに倒せる戦力など持ち合わせていない。
「まぁ気にするな!行こう!」
そう言い、アルファは歩き出した。やがて、マリも歩きだし俺が立ち止まっているからか声をかけてきた。
「さぁ行くわよ、あなたが考える問題ではないの」
「……」
俺は何も言わずにマリの後をついて行った。
家に戻り、それぞれの部屋に戻ったが、俺はリビングに残りアルファに聞いた。
「なぁ、ゴブリンってどうやって増えているんだ?」
「……それは答えられない」
数秒黙った後アルファは俯いたまま言った。だが、俺は気になりもう一回聞く。
「なぁ答えてくれよ……どうやって増えているんだ?」
そして、リビングには沈黙が場を包み込んだ。
アルファは何かを言いたそうに拳を作って……
アルファが口を開けようとしていた時……
『人間よ』
低い声で、裏から声が聞こえてきた。
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振り返ると、そこには……壁に寄りかかっているマリが腕を組みながらこっちを睨んでいるのだった。
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