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一章 一節 転生
一話 異世界転生
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…………この世界は俺嫌っている気がする…………
……なぜそんなことが言えるかって?……
俺が18年生きて来た中で得したことないからである。
得がないって嘘ついているんじゃないかって疑っている人いるかもしれない。
だが、俺はそんな人が何を言おうと得がなかった。
そんな俺の人生に幕を下ろそうとしている…………というかしてしまった。
毎日がつまらない。毎日が退屈。俺に友達など一切いない。誰一人として。周りから見たら浮かれているやつ。そんなやつに友達なんてできない。
俺はただ横断歩道を渡ろうとしていただけなんだ。
ーーそう俺はただ横断歩道を渡ろうとしただけだーー
「プップー」
トラックのクラックションが辺りに響き渡る。周りでは、皆驚いた顔をしている。それもそうだろう。
俺はその驚いた顔は特に気にしなかった。いつもされている顔であったから。
そして、俺が轢かれるのを阻止しようと後ろから大声が聞こえてくる。
「そこの兄ちゃん!!危ない!!」
その声は、人生で聞いたこともない言葉であった。
そして、俺はトラックに轢かれた。生々しい音を辺りに響き渡らせながら。
轢かれた瞬間やっと俺は解放されるんだと心の中で開放感があった。そして、俺は意識がだんだん遠のいていく。視界の最後に入って来たのは………見知らぬ女の子。
俺の体をさすりながら言葉をかけていた。
「起きてよ…………お兄ちゃん……」
同じ言葉を繰り返し言いながら、俺の血だらけの体をさすっていた。やがて、俺は意識がなくなり視界がシャットアウトした。
◆
私は、血だらけの彼を支えていた。なぜか、彼をみると近寄りたくなってしまう。全く知らない赤の他人なのに。そして、涙もボロボロ出てくる。
私は彼の顔をじっくりと見た。その顔を見た瞬間思い出した。
私の幼馴染の梓四郎くんだと。
彼の名前を思い出すともっと涙が出てくると共に悔しさが溢れてくる。
すると、トラックの運転手が降りてきていった。
「あらま、やっちまったな」
運転手はそう言いながら、頭の裏を掻いていた。私はそんな運転手にイラッと来た。そして運転手を睨みつけたのだがトラックの運転手は視線を私から逸らしながら言った。
「嬢ちゃん、その男とどうゆう関係なんだ?」
「彼女です」
咄嗟に聞かれて私は「彼女」と答えてしまったが、実際は幼馴染という関係。
昔は仲が良かったが、高校生からなかなか会えずにいた。久々に会えたと思ったら彼は死んだ。
そして、轢き殺した運転手は反省していない様子。
私は彼を優しく地面に置き、運転手の方を向いて立ちあがろうとしていると、横断歩道の端で見ていたおばさんが言った。
「あんた、人殺しておいてその態度はないんじゃないの!?」
おばさんは私の言いたいことを言ってくれた。おばさんは携帯を取り出して警察に連絡していた。
まぁ、救急車を呼んだところで彼は助からない。
私は、その場から退いたのだった。
その日の夜。私は、彼が死んだ悲しみが溢れて来ており、家で泣き叫んでいた。
友達は、私の背中をさすりながら言った。
「それは…………悲惨だったね」
そう言いながら、友達は水を差し出して来たが私は無視した。そして、私は来てくれた友達を無理やり外に追い払い私はベットで俯いて泣いていた。
なぜか、自然と涙が溢れ出てくる。私は、これからどうすれば…………と考えていると、一つの案を思いついた。
ー私も死ねばいいんだとー
そう思った私は今すぐ、ベランダに出た。外はものすごい星景色が空に広がっていた。
私は、星景色に見惚れながらも地上を見た。
ここは地上30メートルある。少し、恐怖に駆られながらも地上を見た。あぁとても怖い。だけど、あの人のためだから…………幼馴染のため。私はそう思いベランダの取手に足を乗せた。
立つと風が私を倒してくるが私はそれに耐えながら一言言ってから飛び降りた。
「お母さん、お父さん、ごめんなさい」
そう言い、私は地面に向かって飛び降りた。飛び降りている時間は長く感じた。
私は、死ぬ瞬間を見たくなく目を瞑った。そして、体に激痛が走ったと思えばもう目を開けることはなかった。
◆
頭が痛いなと思いながら俺は体を起こした。鳥の囀りが聞こえ、森の中……もしくは天国か?と思い俺は辺りを見渡す。
だが、俺の想像していた天国とはかけ離れていた。
「雲の上にあるもんじゃないの?」
独り言をこぼしながら頭の裏を掻いた。そして、俺は歩こうと一歩踏み出すと……
ーガサッー
茂みから何かが動く音が聞こえた。
俺はクマかと思い、足を動かすのを瞬時にやめた。
顔を覗かせて来たのは、可愛いウサギであった。俺はほっとして胸を撫で下ろした。
だが、そんな安心もすぐに終わりうさぎが俺の足の横を通ったかと思えば、ドシドシと横綱が歩いているような音が辺りに響き渡る。
俺は今度こそ身構えた。
そして、俺の目の前に現れたのは…………
「グワァぁぁぁぁぁ!!」
雄叫びを上げるクマであった。
俺は、内心「やっぱりクマいるじゃねぇか!!」と思いながら後退りをする。
確か……背中を見せなければいいんだよな。
二歩三歩と後退りをしていると、熊は俺の方に突進して来た。
俺は思わず、尻餅をついて絶体絶命であった。
すると、そこに俺の上に影が現れた。
ーシャキンー
剣で何かを切るような音が辺りに響き渡った。そして、俺は瞑っていた目を開けてみると、俺の目の前に立っていたのは……
「大丈夫か?」
と俺に手を差し出してくる男だった。
……なぜそんなことが言えるかって?……
俺が18年生きて来た中で得したことないからである。
得がないって嘘ついているんじゃないかって疑っている人いるかもしれない。
だが、俺はそんな人が何を言おうと得がなかった。
そんな俺の人生に幕を下ろそうとしている…………というかしてしまった。
毎日がつまらない。毎日が退屈。俺に友達など一切いない。誰一人として。周りから見たら浮かれているやつ。そんなやつに友達なんてできない。
俺はただ横断歩道を渡ろうとしていただけなんだ。
ーーそう俺はただ横断歩道を渡ろうとしただけだーー
「プップー」
トラックのクラックションが辺りに響き渡る。周りでは、皆驚いた顔をしている。それもそうだろう。
俺はその驚いた顔は特に気にしなかった。いつもされている顔であったから。
そして、俺が轢かれるのを阻止しようと後ろから大声が聞こえてくる。
「そこの兄ちゃん!!危ない!!」
その声は、人生で聞いたこともない言葉であった。
そして、俺はトラックに轢かれた。生々しい音を辺りに響き渡らせながら。
轢かれた瞬間やっと俺は解放されるんだと心の中で開放感があった。そして、俺は意識がだんだん遠のいていく。視界の最後に入って来たのは………見知らぬ女の子。
俺の体をさすりながら言葉をかけていた。
「起きてよ…………お兄ちゃん……」
同じ言葉を繰り返し言いながら、俺の血だらけの体をさすっていた。やがて、俺は意識がなくなり視界がシャットアウトした。
◆
私は、血だらけの彼を支えていた。なぜか、彼をみると近寄りたくなってしまう。全く知らない赤の他人なのに。そして、涙もボロボロ出てくる。
私は彼の顔をじっくりと見た。その顔を見た瞬間思い出した。
私の幼馴染の梓四郎くんだと。
彼の名前を思い出すともっと涙が出てくると共に悔しさが溢れてくる。
すると、トラックの運転手が降りてきていった。
「あらま、やっちまったな」
運転手はそう言いながら、頭の裏を掻いていた。私はそんな運転手にイラッと来た。そして運転手を睨みつけたのだがトラックの運転手は視線を私から逸らしながら言った。
「嬢ちゃん、その男とどうゆう関係なんだ?」
「彼女です」
咄嗟に聞かれて私は「彼女」と答えてしまったが、実際は幼馴染という関係。
昔は仲が良かったが、高校生からなかなか会えずにいた。久々に会えたと思ったら彼は死んだ。
そして、轢き殺した運転手は反省していない様子。
私は彼を優しく地面に置き、運転手の方を向いて立ちあがろうとしていると、横断歩道の端で見ていたおばさんが言った。
「あんた、人殺しておいてその態度はないんじゃないの!?」
おばさんは私の言いたいことを言ってくれた。おばさんは携帯を取り出して警察に連絡していた。
まぁ、救急車を呼んだところで彼は助からない。
私は、その場から退いたのだった。
その日の夜。私は、彼が死んだ悲しみが溢れて来ており、家で泣き叫んでいた。
友達は、私の背中をさすりながら言った。
「それは…………悲惨だったね」
そう言いながら、友達は水を差し出して来たが私は無視した。そして、私は来てくれた友達を無理やり外に追い払い私はベットで俯いて泣いていた。
なぜか、自然と涙が溢れ出てくる。私は、これからどうすれば…………と考えていると、一つの案を思いついた。
ー私も死ねばいいんだとー
そう思った私は今すぐ、ベランダに出た。外はものすごい星景色が空に広がっていた。
私は、星景色に見惚れながらも地上を見た。
ここは地上30メートルある。少し、恐怖に駆られながらも地上を見た。あぁとても怖い。だけど、あの人のためだから…………幼馴染のため。私はそう思いベランダの取手に足を乗せた。
立つと風が私を倒してくるが私はそれに耐えながら一言言ってから飛び降りた。
「お母さん、お父さん、ごめんなさい」
そう言い、私は地面に向かって飛び降りた。飛び降りている時間は長く感じた。
私は、死ぬ瞬間を見たくなく目を瞑った。そして、体に激痛が走ったと思えばもう目を開けることはなかった。
◆
頭が痛いなと思いながら俺は体を起こした。鳥の囀りが聞こえ、森の中……もしくは天国か?と思い俺は辺りを見渡す。
だが、俺の想像していた天国とはかけ離れていた。
「雲の上にあるもんじゃないの?」
独り言をこぼしながら頭の裏を掻いた。そして、俺は歩こうと一歩踏み出すと……
ーガサッー
茂みから何かが動く音が聞こえた。
俺はクマかと思い、足を動かすのを瞬時にやめた。
顔を覗かせて来たのは、可愛いウサギであった。俺はほっとして胸を撫で下ろした。
だが、そんな安心もすぐに終わりうさぎが俺の足の横を通ったかと思えば、ドシドシと横綱が歩いているような音が辺りに響き渡る。
俺は今度こそ身構えた。
そして、俺の目の前に現れたのは…………
「グワァぁぁぁぁぁ!!」
雄叫びを上げるクマであった。
俺は、内心「やっぱりクマいるじゃねぇか!!」と思いながら後退りをする。
確か……背中を見せなければいいんだよな。
二歩三歩と後退りをしていると、熊は俺の方に突進して来た。
俺は思わず、尻餅をついて絶体絶命であった。
すると、そこに俺の上に影が現れた。
ーシャキンー
剣で何かを切るような音が辺りに響き渡った。そして、俺は瞑っていた目を開けてみると、俺の目の前に立っていたのは……
「大丈夫か?」
と俺に手を差し出してくる男だった。
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