私の少ない命あなたなら幸せにしてくれる

mikadozero

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第三章 思い出

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俺は…どうゆう返事をすればよかったのかと考えながら階段を降りていた。
バックを持って帰ろうと教室に入ると中から泣いている声が聞こえる。

俺は、こっそり教室を覗いた。
教室を覗くと、玲奈と葵がいた。どうやら、玲奈がないているみたいだ。それを慰めているのが葵みたいだ。

俺は、こっそりとその場を去ろうとしたが…

「アキ君!」

どうやら…バレてしまったらしい。俺はゆっくりとした足取りで教室に入っていく。
すると、玲奈がすごい勢いでこちらに向かってくる。俺は、受け止める準備をした。

「アキ君~」

名前を呼びながら玲奈は俺に抱きついてきた。俺は抱き返そうとしたが、葵が鬼の形相でこちらを見てくるので…俺は我慢した。

アズサは十秒間抱きしめてやがて上目遣いで言ってくる。

「さっき…言ったことは忘れて?もうあんなこと言わないから!」

俺は聞いて思った。玲奈ってこんなキャラだっけと。玲奈はもう少し大人要素が入っていた気がするのだが…どうやら、これが玲奈の本当の姿みたいだ。

やがて、玲奈は離れて言った。

「アキ君大好き!」

その言葉に、俺はドキッとしてしまった。葵が呆れながら言った。

「じゃぁ帰りましょうか?玲奈さん?」

そう言うと、玲奈は帰る準備をしていた。
俺は、解放されるのかと思いながら俺もバックを取って帰ろうとする。

けれども…

「アキ君!」

玲奈が、俺の背中に抱きつく。葵はそれを取りながら言った。

「じゃぁ帰りましょうか」

俺は、小さく頷いた。

学校を出て帰り道。俺は歩きにくかった。なぜなら、俺の両腕に二人がくっついているからである。
本当ならば…葵だけであったのだが…なぜか玲奈がくっついてきた。

俺は、夕日を見ながら言った。

「あのー?お二人さん?」

「「何?」」

「君たちってそんなに仲良かったっけ?」

「「うん!」」

なんだか、絶対前より仲が良くなっていると言うか息があってる。すると、葵が言った。

「さっき教室で協定を組んだのよ。」

「協定?」

俺は思わず声を出してしまう。なぜ、協定を組む必要があるのか疑問に思っていると…

「私たちは、アキ君を共有して使うって決めたもんね?」

「「ねー」」

俺は思わず、物じゃないんだぞと言いたくなったが俺は抑えて言った。

「そ、そうか。それは良かった」

なんだか意味のわからないことを言ってしまった。すると、葵が指を指していった。

「そこの公園行きましょう?」

「なんでだよ?」

俺は思わず言ってしまった。すると、葵は頰膨らませてフグみたいな状態で言った。

「何か悪い?」

「いぁや…悪くないと思う」

俺は、誤魔化した。なんだか、ここで否定的なことを言ったら面倒なことになりそうだったから。
俺たちは、ベンチに座った。ベンチに座っても腕を解いてくれない。

そんな状態のまま葵は言った。

「さぁ!玲奈連絡先を交換しましょう!」

葵は勢いよく言った。玲奈も状況把握能力が強いのかすぐに取り出して連絡先を見せていた。この中で一番遅かったのが俺だった。

「アキ君遅いですよ!」

「ごめんって今出す」

俺は、急いでスマホを取り出す。そして、葵の連絡先は持っていたので玲奈のだけを交換した。
早速玲奈はメールをしてきた。

「よろしく~」

そんな、登録して初めての挨拶をかましてきた。
俺も「よろしく」と返した。これが、玲奈との初めてのメールだった。

そのあとは、公園にいると言うこともあり俺らは公園で遊んだ。夕方の時間帯ということもあって小さい子供がいなく。公園は俺らの貸切状態だった。

玲奈と葵は楽しそうに遊んでいた。俺は、ブランコを漕ぎながらその様子を見ていた。
すると、隣に葵がきて座った。葵もやがて漕ぎながら言った。

「玲奈ちゃんの返事いつ返すの?」

「げっ!そこついてくるのかよ」

「そうよ。乙女たる物そこ気になるもの」

「そうか…あいつが生きている間に俺は答えを出すよ」

そう言うと、葵は俯いた。俯きながら葵は寂しげに言った。

「彼女は…本当に心臓病よ。玲奈…私が小さい頃に病院であった少女と似ている。だから…私は玲奈との時間を大切にしたいと思ってる。それは、あなたも同じでしょ?」

俺は、黙っていた。俺が言葉を発しようとした時。

「二人とも!飲み物!」

そう言いながら、玲奈は飲み物を渡してくれた。俺は、なんだか人の金で飲むのは申し訳ないなと思って開けられずにいた。

俺らは移動して公園の芝生にあるところに寝そべった。
夕日と夜の暗い色が混ざって少し神秘的な色になっていた。それを見ながら玲奈は言った。

「なんだか…今日は楽しかったわ。色々あってもしかしたら最近の出来事で一番楽しいかも!」

玲奈は笑顔をこぼしながら言った。それを見た俺と葵はクスッと笑った。
玲奈は、疑問そうな顔をしていた。俺は、その顔が美しく見えた。

「「これからももっと楽しいことしような、ね」」

俺たちは、ほとんど息があって同じ内容を言った。俺と葵は笑い合った。それを見ていた玲奈も笑った。

「一年後…この桜をまた見ような?」

俺は二人に対して言った。二人は見つめあって言った。

「「うん!」」
あたりに可愛い声が響き渡った。

こんな日常が送れたら僕は楽しい人生だと思った。
俺らは、三つの分かれ道。それぞれの家に続く道へと分かれる。笑顔で手を振って…

「「「また明日!」」」

俺らは笑顔で手を振り合って帰った。二人の後ろ姿はどこか楽しそうだった。
俺は、明日もこんなことが起きるといいなと思って家に帰るのだった。
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