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第二章 一方、彼らは パーティーメンバーside
無垢で不器用な年上 シャルムside
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シャルムside
ラディウスがパーティーを離れてから3日が経った。
ギルドに所属しているパーティーの中でも特に優秀な部類に入る僕たちは、予定よりも数日早く依頼を完了させてラディウスを探しに行こうにも、すぐに次の依頼を任されて行動に移れないでいた。
それもこれも急激に増加し始めた魔物達の影響だ。今までとは比べ物にならないスピードで増えていく魔物達は街へ向けて侵攻しようとする個体も決して少なくなく、ギルドに所属しているパーティーの殆どが常に戦闘へと駆り出されていた。
さすがのクレッドも大量に入る依頼とラディウスを探しに行けないジレンマで僅かに疲弊した表情を浮かべている。
「ラディウス、大丈夫かな…。無茶していないといいんだけど…。」
◆
脳裏に浮かぶのは彼の穏やかな表情だ。
僕から見たラディウスは年上の青年であるのにも関わらず、何処か無垢で、守ってあげたくなる存在という感じだった。
家族に虐げられ納屋に閉じ込められていた彼は、閉じ込められる以前…つまり鮮血魔術が発現した12歳辺りまでの知識しか持ち合わせていなかった。
料理の食べ方や必要最低限の常識等はしっかり身についているのにも関わらず、文字は僕よりも読めるものが少なく、計算もあまり得意ではなかった。
そんな彼に僕はつきっきりで色んなことを教えてあげると、ラディウスは素直に受け取り知識を蓄えていった。
「シャルムは物知りだな、俺の知らない事を沢山知っていて教え上手だ。……偉いぞ。」
不器用な褒め言葉を言いながら、頭をワシワシと撫でられてとても嬉しかったことを覚えている。
ラディウスには知識だけじゃなくて、この世界にある様々な楽しいこと、嬉しいことを知って欲しかった。彼がいつか心の底から笑えるように、僕は沢山の経験をラディウスと共に積みたかった。
だけど彼は1人、パーティーから抜けてしまった。その事実が酷く辛くて仕方なかった。
いなくなってしまった彼、探しに行けないジレンマ。そんな中で僕は新たな決意をした。
「ラディウスが安心して戻って来られるように、ラディウスが沢山血を流さなくてもいいように、頑張って強くなるから。」
だからお願い、僕達が迎えに行くまでちゃんと元気に生きていて。再開して謝って、また一緒に冒険をして笑い合う…そんな日が訪れる、その時まで。
ラディウスがパーティーを離れてから3日が経った。
ギルドに所属しているパーティーの中でも特に優秀な部類に入る僕たちは、予定よりも数日早く依頼を完了させてラディウスを探しに行こうにも、すぐに次の依頼を任されて行動に移れないでいた。
それもこれも急激に増加し始めた魔物達の影響だ。今までとは比べ物にならないスピードで増えていく魔物達は街へ向けて侵攻しようとする個体も決して少なくなく、ギルドに所属しているパーティーの殆どが常に戦闘へと駆り出されていた。
さすがのクレッドも大量に入る依頼とラディウスを探しに行けないジレンマで僅かに疲弊した表情を浮かべている。
「ラディウス、大丈夫かな…。無茶していないといいんだけど…。」
◆
脳裏に浮かぶのは彼の穏やかな表情だ。
僕から見たラディウスは年上の青年であるのにも関わらず、何処か無垢で、守ってあげたくなる存在という感じだった。
家族に虐げられ納屋に閉じ込められていた彼は、閉じ込められる以前…つまり鮮血魔術が発現した12歳辺りまでの知識しか持ち合わせていなかった。
料理の食べ方や必要最低限の常識等はしっかり身についているのにも関わらず、文字は僕よりも読めるものが少なく、計算もあまり得意ではなかった。
そんな彼に僕はつきっきりで色んなことを教えてあげると、ラディウスは素直に受け取り知識を蓄えていった。
「シャルムは物知りだな、俺の知らない事を沢山知っていて教え上手だ。……偉いぞ。」
不器用な褒め言葉を言いながら、頭をワシワシと撫でられてとても嬉しかったことを覚えている。
ラディウスには知識だけじゃなくて、この世界にある様々な楽しいこと、嬉しいことを知って欲しかった。彼がいつか心の底から笑えるように、僕は沢山の経験をラディウスと共に積みたかった。
だけど彼は1人、パーティーから抜けてしまった。その事実が酷く辛くて仕方なかった。
いなくなってしまった彼、探しに行けないジレンマ。そんな中で僕は新たな決意をした。
「ラディウスが安心して戻って来られるように、ラディウスが沢山血を流さなくてもいいように、頑張って強くなるから。」
だからお願い、僕達が迎えに行くまでちゃんと元気に生きていて。再開して謝って、また一緒に冒険をして笑い合う…そんな日が訪れる、その時まで。
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