猫にまつわる三択人生の末路

追いかけろ

質問６－B

　ここは、一貫して高村光太郎の味方をしよう。

「高村さん、お味方いたします！！」

「え、ちょっと何でよ！！」

「助かる！！　こいつしつこいんだ。」


　高村に跳びかかろうとする樋口を抑えて、高村を逃がす。

「ありがとう！！　助かった！！」

　高村は、礼を言うと、そのまま玄関から逃走した。


「待ちなさい！！」

　樋口が、手を振り払って走り出す。

　樋口は、こちらを振り返りもせずに、走っていってしまった。


　しかし、探偵の高村光太郎に渡したのだから、きっとバステトはちゃんとした飼い主の所に返されるだろう。
　たぶん。幸せになってくれればいいが。


　残されたのは、玄関が壊れ、窓ガラスの割れた部屋と、猫砂と猫ご飯。
　そして、猫を失った一抹の寂しさ。


　いいんだ。バステトさえ、幸せなら。


　泣く泣く部屋の後片付けを始める。
　こんなことになるなんて、何か悪い物にでも、憑りつかれているのではないだろうか？

　そういえば、近所に小さな神社があったな。
　厄払いにでも、今度行ってみようかな。
　
　深い深いため息を何度もついた。
　はぁぁぁぁ……。

　
　ー終わりー