猫にまつわる三択人生の末路

怪しい来訪者

質問４－A

　超絶美少女とお近づきになる機会なんて、今後あるわけない。
　ここは、楽しい前途のためにも、窓の外の美少女に助けを求めてみよう！！

　ガラリと窓を開ければ、美少女がこちらを向く。

「あ、あの！！　助けて！！」
声をかければ、

「あなたね。あなたが猫を拾った人ね」
と美少女が言う。

「あの男の狙いは、その猫だから。だから、その猫を私に投げて！！　必ず受け止めるから！！」
ね、猫をまどから？


え？　可哀想じゃない？


だが、迷っている暇はなさそうだ。
玄関ではガンガン扉を叩きだした。

「早く！！」

美少女が急かす。

し、仕方がない！！　怪我しないでくれよ！！

　ベッドに丸くなっている黒猫を、窓から美少女に向けて投げる。
　ここが二階で良かった。
　三階だったら、猫といえども危険でとてもそんなことは出来ない。


　ポーンと投げられた猫を、美少女が鮮やかな身のこなしで受け取る。

「確かに受け取ったわよ！！！」

美少女は、可憐な笑顔を見せて、走り去ってしまった。

「くそっ！！　あの女！！」

玄関にいたあのイカツイ男が、美少女を追って走っていく。


　危険は回避された。
　また日常に戻った。

　よね？

　結局、何がなんだか分からないまま、日常に引き戻された。

　あの時、何をどうしていれば、どうなったのか……。
　毎日のように考え込む日々を送っている。

ー終わりー