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高校三年生(今までの応用です。暗号・トリック・事件・サイコパス……)
猫は暗号を運ぶ6
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俺達全員で動き出したノノを追う。
ノノは、人間の都合なんてお構いなしに、生け垣の下、民家の庭、塀の上。そんなところを悠然と歩く。
俺達は、そのたびにスマートタグでノノの位置を確認して、ノノがどこにいるかを出来る限り正確に把握する。
野良猫の少ない地域だから、ノノをさえぎる別猫の存在もない。
時々休憩して体を舐めて、行きたい所へ歩いて行く。
「ちゃんと向かってくれるかしら?」
元子さんが不安気につぶやく。
「さあ、それはノノの都合だから。気が向かなかったら、そっちへは行ってくれないんじゃない?」
サラリと赤野は答える。
「じゃあ、失敗したら?」
「別日でもう一度チャレンジするか、他の方法を探すか」
「でも、もっと遠くに住んでいるかも知れないじゃない? そうしたら、永遠に見つからないわよ」
うんざりする元子さん。
「そんなはずはないよ。たまたま立ち寄って、偶然ノノが逃げ出していて、ひょんなことからそれに遭遇するの? そして、なんとなく持っていた首輪をノノにつけるの? ちょっと確率的に有り得ない」
赤野が、元子さんを全否定する。
容赦ない言い方。俺らの言葉には、否定するにしても、もう少し気を使った言い方をするが、赤野はどうやら元子さんには、何の遠慮もしないらしい。
「むかつく。本当、生意気なのよね! 優作の爪の垢を煎じまくって飲ませたいわ。そうすれば、周作でも、もう少し『素直さ』って物も身につくでしょ」
元子さんがむくれている。
「爪の垢ごときで優作みたいに超絶可愛くなれるんだったら、とっくにそうしているよ。……あ、ほら。ノノが動き出したよ!」
赤野は、さっさと動き出す。
ノノは、とうとう一軒の家にたどり着いた。
スマートタグは、この家の一つの部屋にノノが入ったことを示している。
「この家…………」
寺井さんが、何かを思い出したようだった。
「小学校の時の同級生の家。休むことが多い子で、私、家が近所だから、連絡帳を届けたりプリントを持って行ったりした事があるの。なんて名前の子だっけ? 男の子なの…………弟が産まれたって言っていて…………」
寺井さんが、記憶をまさぐる。
「十分だよ。元子、さあ、出番だよ!」
赤野が、インターフォンを押す。
「え、ええ? ちょっと。私?」
「当然でしょ? 警察官なんだから! 適当な理由付けて、家の様子をうかがうんだよ」
中から、女性の応答がある。
「あ、ええと。近くの交番の者なんですけれども、申し訳ありません。ちょっとお伺いしたいことがございまして、玄関先、ちょっとよろしいでしょうか?」
「警察? えっと…………どういった件でしょうか?」
女は警戒している。
「近くで事件がございまして…………」
ノノは、人間の都合なんてお構いなしに、生け垣の下、民家の庭、塀の上。そんなところを悠然と歩く。
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野良猫の少ない地域だから、ノノをさえぎる別猫の存在もない。
時々休憩して体を舐めて、行きたい所へ歩いて行く。
「ちゃんと向かってくれるかしら?」
元子さんが不安気につぶやく。
「さあ、それはノノの都合だから。気が向かなかったら、そっちへは行ってくれないんじゃない?」
サラリと赤野は答える。
「じゃあ、失敗したら?」
「別日でもう一度チャレンジするか、他の方法を探すか」
「でも、もっと遠くに住んでいるかも知れないじゃない? そうしたら、永遠に見つからないわよ」
うんざりする元子さん。
「そんなはずはないよ。たまたま立ち寄って、偶然ノノが逃げ出していて、ひょんなことからそれに遭遇するの? そして、なんとなく持っていた首輪をノノにつけるの? ちょっと確率的に有り得ない」
赤野が、元子さんを全否定する。
容赦ない言い方。俺らの言葉には、否定するにしても、もう少し気を使った言い方をするが、赤野はどうやら元子さんには、何の遠慮もしないらしい。
「むかつく。本当、生意気なのよね! 優作の爪の垢を煎じまくって飲ませたいわ。そうすれば、周作でも、もう少し『素直さ』って物も身につくでしょ」
元子さんがむくれている。
「爪の垢ごときで優作みたいに超絶可愛くなれるんだったら、とっくにそうしているよ。……あ、ほら。ノノが動き出したよ!」
赤野は、さっさと動き出す。
ノノは、とうとう一軒の家にたどり着いた。
スマートタグは、この家の一つの部屋にノノが入ったことを示している。
「この家…………」
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「え、ええ? ちょっと。私?」
「当然でしょ? 警察官なんだから! 適当な理由付けて、家の様子をうかがうんだよ」
中から、女性の応答がある。
「あ、ええと。近くの交番の者なんですけれども、申し訳ありません。ちょっとお伺いしたいことがございまして、玄関先、ちょっとよろしいでしょうか?」
「警察? えっと…………どういった件でしょうか?」
女は警戒している。
「近くで事件がございまして…………」
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