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そして冒険は始まりて
ミミック
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ダンジョンは、古ぼけた城。
まず、この朽ち果てた木の橋を渡り、城壁の中へ入る。そして、城の入口へと続く通路を上り、城の入り口を抜ける。後は、城内を探検して、お宝を探す。
うん。想像している感じのスタンダードなダンジョンだ。
リリーナさんの話によれば、宝箱の中に潜むミミックがいるから、不用意に開けるのは危険だそうだ。
宝箱を見つけたら、リリーナさんがくれた手のひらサイズの杖を使って、宝箱の色が変化するのを見極める。赤ならミミック。青なら空箱かお宝が入っているのだ。
先ほどから、城の庭に転がっている宝箱を調べてはいるのだが、どれも反応は赤。
「ねえ、これ本当に青く光る事あるの?」
悠里が疲れてぼやく。
てか、庭、広すぎない? まだ城の入り口にたどり着かないんだけれども!!
あの空を飛ぶタイプのプテラノドンみたいな敵! 俺の剣では全然届かない! 悠里の弓矢とリリーナさんの魔法で撃退できているけれども、油断しているとすぐ寄ってきて攻撃を仕掛けてくる。
「まあまあ、ここはまだ序の口ですから!」
リリーナさん、ポジティブ過ぎない? さっきから気にはなっていたんだけれども。
「気分転換に、一個ミミックを開けてみますか?」
「お、おい! リリーナ!」
「大丈夫ですよ。一個ぐらい~♪ 私、クジ運ありませんし、そんなに強い敵にはあたりませんよぉ!」
パカッ♪
待て、リリーナさん!! そんな気軽にミミックを! ゲボルグさんが止めているでしょうが!!
リリーナさんが開けたミミック。
箱の扉が開いても、シーンとしている。
あれ? すでに死んでたのかな?
箱の中をのぞこうとする俺の肩を引いて親父が止める。
親父の手には、いつの間にか剣が握られている。
「来やがる」
ゲボルグさんが、緊張している。
「あらら。意外と大物引き当てちゃったかも!!」
俺達の前には、箱の中から出てきたとは思えないほどの大きなドラゴン。
丘の上で見た魔物よりも数段強そうなことは、一目瞭然。
口の隙間から、炎がチロチロをこぼれてますよ? 魔物の放つ魔力で、大地が揺れておりますよ?
ちょっと、リリーナさん? 何後衛に回っているんですか!!
俺とゲボルグさんと親父で、剣を囲んで魔物を取り囲む。
「いいか! 保志! 基本は足だ! 営業と同じ!」
え、営業と同じ? ま、まあ間違ってはいない? フットワークで相手を惑わせるが基本な気はしなくもない。
親父は、巧みなステップで敵を翻弄する。
「さすがだぜ!」
ゲボルグさんが、親父の戦う様を感心してみている。
なるほど。それで合っているらしい。
……まじ?
まず、この朽ち果てた木の橋を渡り、城壁の中へ入る。そして、城の入口へと続く通路を上り、城の入り口を抜ける。後は、城内を探検して、お宝を探す。
うん。想像している感じのスタンダードなダンジョンだ。
リリーナさんの話によれば、宝箱の中に潜むミミックがいるから、不用意に開けるのは危険だそうだ。
宝箱を見つけたら、リリーナさんがくれた手のひらサイズの杖を使って、宝箱の色が変化するのを見極める。赤ならミミック。青なら空箱かお宝が入っているのだ。
先ほどから、城の庭に転がっている宝箱を調べてはいるのだが、どれも反応は赤。
「ねえ、これ本当に青く光る事あるの?」
悠里が疲れてぼやく。
てか、庭、広すぎない? まだ城の入り口にたどり着かないんだけれども!!
あの空を飛ぶタイプのプテラノドンみたいな敵! 俺の剣では全然届かない! 悠里の弓矢とリリーナさんの魔法で撃退できているけれども、油断しているとすぐ寄ってきて攻撃を仕掛けてくる。
「まあまあ、ここはまだ序の口ですから!」
リリーナさん、ポジティブ過ぎない? さっきから気にはなっていたんだけれども。
「気分転換に、一個ミミックを開けてみますか?」
「お、おい! リリーナ!」
「大丈夫ですよ。一個ぐらい~♪ 私、クジ運ありませんし、そんなに強い敵にはあたりませんよぉ!」
パカッ♪
待て、リリーナさん!! そんな気軽にミミックを! ゲボルグさんが止めているでしょうが!!
リリーナさんが開けたミミック。
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あれ? すでに死んでたのかな?
箱の中をのぞこうとする俺の肩を引いて親父が止める。
親父の手には、いつの間にか剣が握られている。
「来やがる」
ゲボルグさんが、緊張している。
「あらら。意外と大物引き当てちゃったかも!!」
俺達の前には、箱の中から出てきたとは思えないほどの大きなドラゴン。
丘の上で見た魔物よりも数段強そうなことは、一目瞭然。
口の隙間から、炎がチロチロをこぼれてますよ? 魔物の放つ魔力で、大地が揺れておりますよ?
ちょっと、リリーナさん? 何後衛に回っているんですか!!
俺とゲボルグさんと親父で、剣を囲んで魔物を取り囲む。
「いいか! 保志! 基本は足だ! 営業と同じ!」
え、営業と同じ? ま、まあ間違ってはいない? フットワークで相手を惑わせるが基本な気はしなくもない。
親父は、巧みなステップで敵を翻弄する。
「さすがだぜ!」
ゲボルグさんが、親父の戦う様を感心してみている。
なるほど。それで合っているらしい。
……まじ?
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