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再び雷神襲来
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その日は仁に連れられ外へ来ていた。
綺麗な泉がある場所へ連れて行ってもらった。
するといきなり雲行きが怪しくなってきた。
そして雷神の声がした。
「あらぁ、お二人そろってデート?」
そう言うと彼は由奈を睨んだ。
雷神の貴幸は仁の事を愛しているらしい。
その妻である由奈が憎くて仕方ないと言った感じだ。
仁は由奈をその背に庇った。
「由奈、危険だから少し離れていろ」
「はい」
そういうと由奈は木陰へ避難した。
「どうして私という者がありながら、そんな娘を妻に迎えたのぉ?」
「誤解を招く言い方をするな。俺とお前はただの知人だ。そもそも男同士でどうやって契りを交わすというんだ?」
「ふふふふ、契りを交わす方法はあるのよ。まぁ、今はその話はいいわ」
「何しに来たんだ?」
仁は訝しみながらそう言った。
すると貴幸は言った。
「その娘を人間界へ帰そうと思ってきたのよ」
「そんなことさせると思うのか?」
「できるわ」
「今日は雷獣を連れてきたの」
そう言うと貴幸は雷獣を仁へ差し向けた。
仁が雷獣と戦っている間に、貴幸は木陰にいた由奈を捉え、飛んだ。
「仁さん!!」
「由奈!」
「仁、せいぜい雷獣と戯れていてね。その間にこの娘は人間界へ帰してくるから」
そう言うとスピードを上げ、雷神は飛んだ。
「降ろしてください、私はこの世界に残ると決めたんです!!」
「人間風情が何を言っているのよ!私は人間のそういう傲慢なところが嫌いなの」
そう言うと地上めがけ彼は降りていこうといした。
しかし仁がやってきた。
「由奈は俺の妻だ。返してもらおうか?」
仁は少しやけどを負っているが雷獣には勝ったようだ。
「・・・さすが軍神ね。うちの雷獣をやっつけちゃうなんて・・・」
そう言うと貴幸は由奈を仁に投げつけた。
「きゃぁ!」
「私はこれからも隙があれば貴方を人間界へ帰そうとするから・・・覚えておきなさい」
そう由奈に言い彼は去って行った。
「由奈、大丈夫か?」
「はい、驚いたけど大丈夫です」
雷神は本当に仁の事が好きなんだなと由奈は思った。
嫉妬に狂った者はどんな手段に出るかわからない。
「仁さんは、そのやけど大丈夫ですか!?早く神殿へ帰りましょう」
そうして二人は神殿に帰った。
由奈は彼の治療をし、怪我が大したことなくて安心した。
「・・・また来るって言ってましたね・・・」
そう言い由奈は俯いた。
仁は彼女の頭を撫でながら言った。
「大丈夫だ、また俺が守るから。絶対に手放したりしない」
仁は由奈を抱きしめた。
「はい」
由奈も仁を抱きしめ返した。
仁は由奈がいない世界なんていらないとまで思っている。
あの雷神、貴幸を何とかしないといけない。
このままでは由奈がまた連れていかれてしまう。
そもそもあの男は何故俺に執着しているんだ?
仁には謎だった。
しかし、きっかけを作ったのは仁だった。
大昔、仁は貴幸と一度だけ会った事があった。
その時、まだお互いに子供で貴幸はいじめにあっていた。
それを助けたのが仁だった。
幼い頃から貴幸は女装していた。
その事を馬鹿にされたのだ。
しかし、仁だけは馬鹿にしなかった。
それどころか彼のその度胸を評価した。
「お前、凄いな。いじめにあっても女装を止めないんだな」
「・・・うん、この格好の方が好きなの」
「いいんじゃないか、よく似合ってると思うぞ」
「・・・ありがとう!」
これが二人の出会いであることを仁は忘れてしまっている。
それから長年、貴幸は仁に片思いをしている。
仁はこれから先も思い出すことはないが、貴幸にとっては大切な思い出なのだ。
綺麗な泉がある場所へ連れて行ってもらった。
するといきなり雲行きが怪しくなってきた。
そして雷神の声がした。
「あらぁ、お二人そろってデート?」
そう言うと彼は由奈を睨んだ。
雷神の貴幸は仁の事を愛しているらしい。
その妻である由奈が憎くて仕方ないと言った感じだ。
仁は由奈をその背に庇った。
「由奈、危険だから少し離れていろ」
「はい」
そういうと由奈は木陰へ避難した。
「どうして私という者がありながら、そんな娘を妻に迎えたのぉ?」
「誤解を招く言い方をするな。俺とお前はただの知人だ。そもそも男同士でどうやって契りを交わすというんだ?」
「ふふふふ、契りを交わす方法はあるのよ。まぁ、今はその話はいいわ」
「何しに来たんだ?」
仁は訝しみながらそう言った。
すると貴幸は言った。
「その娘を人間界へ帰そうと思ってきたのよ」
「そんなことさせると思うのか?」
「できるわ」
「今日は雷獣を連れてきたの」
そう言うと貴幸は雷獣を仁へ差し向けた。
仁が雷獣と戦っている間に、貴幸は木陰にいた由奈を捉え、飛んだ。
「仁さん!!」
「由奈!」
「仁、せいぜい雷獣と戯れていてね。その間にこの娘は人間界へ帰してくるから」
そう言うとスピードを上げ、雷神は飛んだ。
「降ろしてください、私はこの世界に残ると決めたんです!!」
「人間風情が何を言っているのよ!私は人間のそういう傲慢なところが嫌いなの」
そう言うと地上めがけ彼は降りていこうといした。
しかし仁がやってきた。
「由奈は俺の妻だ。返してもらおうか?」
仁は少しやけどを負っているが雷獣には勝ったようだ。
「・・・さすが軍神ね。うちの雷獣をやっつけちゃうなんて・・・」
そう言うと貴幸は由奈を仁に投げつけた。
「きゃぁ!」
「私はこれからも隙があれば貴方を人間界へ帰そうとするから・・・覚えておきなさい」
そう由奈に言い彼は去って行った。
「由奈、大丈夫か?」
「はい、驚いたけど大丈夫です」
雷神は本当に仁の事が好きなんだなと由奈は思った。
嫉妬に狂った者はどんな手段に出るかわからない。
「仁さんは、そのやけど大丈夫ですか!?早く神殿へ帰りましょう」
そうして二人は神殿に帰った。
由奈は彼の治療をし、怪我が大したことなくて安心した。
「・・・また来るって言ってましたね・・・」
そう言い由奈は俯いた。
仁は彼女の頭を撫でながら言った。
「大丈夫だ、また俺が守るから。絶対に手放したりしない」
仁は由奈を抱きしめた。
「はい」
由奈も仁を抱きしめ返した。
仁は由奈がいない世界なんていらないとまで思っている。
あの雷神、貴幸を何とかしないといけない。
このままでは由奈がまた連れていかれてしまう。
そもそもあの男は何故俺に執着しているんだ?
仁には謎だった。
しかし、きっかけを作ったのは仁だった。
大昔、仁は貴幸と一度だけ会った事があった。
その時、まだお互いに子供で貴幸はいじめにあっていた。
それを助けたのが仁だった。
幼い頃から貴幸は女装していた。
その事を馬鹿にされたのだ。
しかし、仁だけは馬鹿にしなかった。
それどころか彼のその度胸を評価した。
「お前、凄いな。いじめにあっても女装を止めないんだな」
「・・・うん、この格好の方が好きなの」
「いいんじゃないか、よく似合ってると思うぞ」
「・・・ありがとう!」
これが二人の出会いであることを仁は忘れてしまっている。
それから長年、貴幸は仁に片思いをしている。
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