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魔王と入浴
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動けるようになった唯奈は和樹に”お風呂に入りたい”とお願いした。
すると使用人たちが現れ、唯奈は浴場へと案内された。
「唯奈様、こちらでございます」
使用人たちは魔族と思えないほど穏やかだった。
皆、唯奈に親切に接してくれた。
下腹部と恥部の鈍痛で痛むので今日の唯奈の歩みは遅い。
それなのに歩調を合わせてくれている。
唯奈は何故こんなに親切にしてくれるのか不思議だった。
「あの・・・歩くのが遅くてすみません」
消え入るような声で使用人の方々に謝ると皆顔を見合わせ言った。
「昨日の事を考えると仕方ありませんわ」
「カズキ様、激しそうですものね」
使用人たちは昨日何があったか知っているような口ぶりだった。
「えっと・・・どうして知っているんですか?」
「花嫁として連れて来られた人間は魔界の瘴気に体調を崩します。その為魔界の者のエネルギーが必要になるのです。それらは体液に含まれています。唾液や精液等に」
(精液・・・!?)
「そうか・・・それで避妊しなかったのね」
「避妊しなかったのはそれも理由の一つかもしれませんが、多分花嫁だからです」
「早く御子が欲しいのでしょう」
「!」
使用人たちは親切に説明してくれるが聞いている方は恥ずかしくて堪らない。
「ここが、浴場になります」
「ありがとうございます」
(広い・・・)
浴場は大理石で出来ていてとても広かった。
温泉にでも来た気分になった。
浴場に入ると何故か使用人の方々も一緒に入ってきた。
「あの・・・私、1人で大丈夫ですよ?」
「あら、そうなんですか?」
「1人で体を洗えますか?」
(当たり前だ)
「はい、皆さんは外で待っていてくださいますか?」
「分かりました」
そう言い使用人たちは引き下がってくれた。
「はぁ・・・びっくりした」
(一体どういう世界なんだろうか・・・)
体くらい自分で洗うのが普通だ。
・・・和樹は洗ってもらっているのだろうか。
使用人に裸を晒して・・・。
少しむっとした。
唯奈は何故ムッとしたのか自分でもわからなかった。
体を隅々まで洗い、昨日ついた彼の体液を洗い流した。
昨日抱かれた時、不思議と嫌悪感はなかった。
あったのは鋭い痛みと怖いほどの快楽。
思い出しただけで恥ずかしくなる。
その時、浴場の戸がガラっと開き、誰かが入ってきた。
湯気でよく見えないがどうやら男性ぽかった。
(え?ここ混浴なの!?)
唯奈は急いでバスタオルを体に巻き浴槽から出ようとした。
「先客がいたのか」
(この声は・・・魔王様!?)
魔王は唯奈の傍に寄ってきた。
顔が見える距離まで近づいてきた。
(ち、近い)
魔王は唯奈の肩を掴むとバスタオルを巻いたままの唯奈を浴槽につけた。
「共に入ろうではないか」
「いえ、もう上がるところだったので・・・」
「私に逆らうつもりか?本当に面白い娘だな」
低い声で耳元で囁かれた。
「~っ!」
唯奈はぞくりとした。
「昨日はカズキにちゃんと抱いてもらえたようだな」
「!!」
「昨日より血色もいい。ユイナは何か病気を抱えていたのだろう?」
「どうしてそれを知っているんですか?」
「勘だ」
(やっぱり親子だなぁ・・・)
「本当なら私が抱きたかった」
「え!?」
唯奈は驚いた。
「はっ、冗談だ」
魔王は笑っていたが瞳は冗談の目ではなかった。
少し怖くなり魔王から距離を取った。
すると魔王の手が伸びてきてすぐに捕まった。
唯奈は魔王に抱きしめられている。
「は、放してください」
「何故?」
「何故って・・・」
(なんて言ったらいいのだろう)
背中越しに魔王の体温を感じる。
唯奈の心臓は破裂しそうだった。
「そ、そろそろのぼせてきたので上がりたいです」
「そうか。これから楽しもうと思ったのにな」
魔王は残念そうに唯奈の素足に触れた。
「んぅ!」
思わず甘い声を漏らしてしまった。
「カズキに飽きたら私の元に来ると良い。可愛がってやるぞ」
「か、考えておきます」
(怖い)
「唯奈!」
その時浴室のドアが勢いよく開いた。
「和樹!!」
唯奈は和樹の登場に驚いた。
「父上、唯奈に手を出さないでいただきたい」
「まだ何もしていない」
しれっと魔王は言ってのけた。
唯奈は和樹に抱きかかえられて浴槽から引き揚げられた。
「和樹、服が濡れるよ」
「馬鹿か、そんなこと言っている場合じゃない」
「え?」
2人は脱衣所まで行き体を拭きながら話した。
「お前は父上に気に入られているんだ。もっと危機感を持て」
「息子の・・・花嫁に手を出したりしないんじゃないの?」
(まだ花嫁ではないけど)
「お前は男がどういう生き物か分かっていないようだな」
和樹は、はぁーっと溜息を付き唯奈の髪を拭き始めた。
「?」
唯奈は和樹の言いたいことがよくわからなかった。
「父上には充分に気を付けろよ」
「わ、わかった」
何でも使用人が慌てて和樹を呼びに行ったらしい。
それを聞いた和樹は急いで浴場に駆けつけたそうだ。
唯奈も魔王と2人きりになるのを怖いと思った。
(これからはもっと気を付けよう)
すると使用人たちが現れ、唯奈は浴場へと案内された。
「唯奈様、こちらでございます」
使用人たちは魔族と思えないほど穏やかだった。
皆、唯奈に親切に接してくれた。
下腹部と恥部の鈍痛で痛むので今日の唯奈の歩みは遅い。
それなのに歩調を合わせてくれている。
唯奈は何故こんなに親切にしてくれるのか不思議だった。
「あの・・・歩くのが遅くてすみません」
消え入るような声で使用人の方々に謝ると皆顔を見合わせ言った。
「昨日の事を考えると仕方ありませんわ」
「カズキ様、激しそうですものね」
使用人たちは昨日何があったか知っているような口ぶりだった。
「えっと・・・どうして知っているんですか?」
「花嫁として連れて来られた人間は魔界の瘴気に体調を崩します。その為魔界の者のエネルギーが必要になるのです。それらは体液に含まれています。唾液や精液等に」
(精液・・・!?)
「そうか・・・それで避妊しなかったのね」
「避妊しなかったのはそれも理由の一つかもしれませんが、多分花嫁だからです」
「早く御子が欲しいのでしょう」
「!」
使用人たちは親切に説明してくれるが聞いている方は恥ずかしくて堪らない。
「ここが、浴場になります」
「ありがとうございます」
(広い・・・)
浴場は大理石で出来ていてとても広かった。
温泉にでも来た気分になった。
浴場に入ると何故か使用人の方々も一緒に入ってきた。
「あの・・・私、1人で大丈夫ですよ?」
「あら、そうなんですか?」
「1人で体を洗えますか?」
(当たり前だ)
「はい、皆さんは外で待っていてくださいますか?」
「分かりました」
そう言い使用人たちは引き下がってくれた。
「はぁ・・・びっくりした」
(一体どういう世界なんだろうか・・・)
体くらい自分で洗うのが普通だ。
・・・和樹は洗ってもらっているのだろうか。
使用人に裸を晒して・・・。
少しむっとした。
唯奈は何故ムッとしたのか自分でもわからなかった。
体を隅々まで洗い、昨日ついた彼の体液を洗い流した。
昨日抱かれた時、不思議と嫌悪感はなかった。
あったのは鋭い痛みと怖いほどの快楽。
思い出しただけで恥ずかしくなる。
その時、浴場の戸がガラっと開き、誰かが入ってきた。
湯気でよく見えないがどうやら男性ぽかった。
(え?ここ混浴なの!?)
唯奈は急いでバスタオルを体に巻き浴槽から出ようとした。
「先客がいたのか」
(この声は・・・魔王様!?)
魔王は唯奈の傍に寄ってきた。
顔が見える距離まで近づいてきた。
(ち、近い)
魔王は唯奈の肩を掴むとバスタオルを巻いたままの唯奈を浴槽につけた。
「共に入ろうではないか」
「いえ、もう上がるところだったので・・・」
「私に逆らうつもりか?本当に面白い娘だな」
低い声で耳元で囁かれた。
「~っ!」
唯奈はぞくりとした。
「昨日はカズキにちゃんと抱いてもらえたようだな」
「!!」
「昨日より血色もいい。ユイナは何か病気を抱えていたのだろう?」
「どうしてそれを知っているんですか?」
「勘だ」
(やっぱり親子だなぁ・・・)
「本当なら私が抱きたかった」
「え!?」
唯奈は驚いた。
「はっ、冗談だ」
魔王は笑っていたが瞳は冗談の目ではなかった。
少し怖くなり魔王から距離を取った。
すると魔王の手が伸びてきてすぐに捕まった。
唯奈は魔王に抱きしめられている。
「は、放してください」
「何故?」
「何故って・・・」
(なんて言ったらいいのだろう)
背中越しに魔王の体温を感じる。
唯奈の心臓は破裂しそうだった。
「そ、そろそろのぼせてきたので上がりたいです」
「そうか。これから楽しもうと思ったのにな」
魔王は残念そうに唯奈の素足に触れた。
「んぅ!」
思わず甘い声を漏らしてしまった。
「カズキに飽きたら私の元に来ると良い。可愛がってやるぞ」
「か、考えておきます」
(怖い)
「唯奈!」
その時浴室のドアが勢いよく開いた。
「和樹!!」
唯奈は和樹の登場に驚いた。
「父上、唯奈に手を出さないでいただきたい」
「まだ何もしていない」
しれっと魔王は言ってのけた。
唯奈は和樹に抱きかかえられて浴槽から引き揚げられた。
「和樹、服が濡れるよ」
「馬鹿か、そんなこと言っている場合じゃない」
「え?」
2人は脱衣所まで行き体を拭きながら話した。
「お前は父上に気に入られているんだ。もっと危機感を持て」
「息子の・・・花嫁に手を出したりしないんじゃないの?」
(まだ花嫁ではないけど)
「お前は男がどういう生き物か分かっていないようだな」
和樹は、はぁーっと溜息を付き唯奈の髪を拭き始めた。
「?」
唯奈は和樹の言いたいことがよくわからなかった。
「父上には充分に気を付けろよ」
「わ、わかった」
何でも使用人が慌てて和樹を呼びに行ったらしい。
それを聞いた和樹は急いで浴場に駆けつけたそうだ。
唯奈も魔王と2人きりになるのを怖いと思った。
(これからはもっと気を付けよう)
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