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2人きりの夜2
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部屋へ戻るとまたベッドへ降ろされた。
そして真理子のまだ少し濡れている髪をリアンは拭き始めた。
流石に王様にそこまでしてもらうわけにはいけないと思い制止したが呆気なく却下されてしまった。
「・・・髪くらい自分で拭けるよ?」
「いいんだ。俺が好きでやっていることだから」
真理子の髪を拭くリアンはどこか嬉しそうだった。
「いつもお前には世話になっていたからな。これ位させてくれ」
(ああ、水やりの事かな?)
今まで流されてきたけどこれだけは譲れないと真理子は先手を打った。
「私、今日ソファで寝るからリアンがベッドを使って?」
「嫌だ。俺は真理子と寝たい」
そう言い後ろから抱きしめられた。
「だ、だって・・・」
「大丈夫だ何もしない。あんまり」
全然信用できない言葉にソファに向かおうとした時、またベッドへ押し倒されてしまった。
そして優しくキスされる。
もう何回目のキスだろうか・・・。
「これ以上は何もしない。約束する」
そう言われると何だか信用したくもなる。
でもー・・・万が一何かあったらと思うと気安く返事が出来ない。
困っていると眩暈が襲ってきた。
いつもの発作のようなものだ。
時間が経てば治まる。
ぐったりしてしまいリアンが優しく布団をかけてくれた。
「そんなに俺と一緒が嫌なのか?」
「違うわ、恥ずかしいだけよ」
恥ずかしいのは当然だ。
今日初めて会ったばかりの男性と床を共にしようなんてー・・・。
「わかった、俺がソファで眠る」
「待って!!」
王様にそんな事させられない。
「本当に何もしない?」
「キス以上の事はしない」
(キスはするんだ・・・)
半ば呆れながらもそう思った。
「いいわ。一緒にベッドを使おう」
「いいのか?」
リアンは嬉しそうだった。
そんなリアンを見てまぁいいかと真理子は思った。
真理子は疲れていたせいかすぐに眠りについた。
リアンはそんな真理子を抱きしめ、少し冷たい体を温めようとした。
すると真理子は温もりを求め、リアンの体に擦り寄ってきた。
「・・・これは・・・生殺しだな・・・」
リアンも男だ好きな女が傍で甘えてくるような仕草を取れば抱きたくもなる。
その感情を必死に耐え、真理子の冷たい体を温め続けた。
「”魔女の涙”か」
リアンは明日来る魔女が苦手だった。
しかし真理子の為に我慢しようと思った。
真理子には病を治してこの世界に残ってほしいと思っている。
リアンは本気で真理子を愛している。
真理子は元の世界には帰りたがらないだろう。
真理子の両親は、真理子が入院してから一度も見舞いに来ていない。
”木”だた頃、死んでいく我が子の姿を見たくないのかどうかは分からないが真理子が両親から見放されているのは本人から聞いたことだった。
真理子は寂しがってよく自分の所へ泣きに来ていた。
そんな真理子が今は自分の腕の中ですやすやと寝息を立てながら寝ている。
真理子を抱きしめる腕に力を込めてしまった。
「んっ・・・」
苦しそうに真理子は声を上げた。
その事に気付きすぐにリアンは力を緩めた。
「・・・俺も寝るか・・・明日は疲れそうだからな・・・」
リアンは呟き、溜息をつき眠ることにした。
そして真理子のまだ少し濡れている髪をリアンは拭き始めた。
流石に王様にそこまでしてもらうわけにはいけないと思い制止したが呆気なく却下されてしまった。
「・・・髪くらい自分で拭けるよ?」
「いいんだ。俺が好きでやっていることだから」
真理子の髪を拭くリアンはどこか嬉しそうだった。
「いつもお前には世話になっていたからな。これ位させてくれ」
(ああ、水やりの事かな?)
今まで流されてきたけどこれだけは譲れないと真理子は先手を打った。
「私、今日ソファで寝るからリアンがベッドを使って?」
「嫌だ。俺は真理子と寝たい」
そう言い後ろから抱きしめられた。
「だ、だって・・・」
「大丈夫だ何もしない。あんまり」
全然信用できない言葉にソファに向かおうとした時、またベッドへ押し倒されてしまった。
そして優しくキスされる。
もう何回目のキスだろうか・・・。
「これ以上は何もしない。約束する」
そう言われると何だか信用したくもなる。
でもー・・・万が一何かあったらと思うと気安く返事が出来ない。
困っていると眩暈が襲ってきた。
いつもの発作のようなものだ。
時間が経てば治まる。
ぐったりしてしまいリアンが優しく布団をかけてくれた。
「そんなに俺と一緒が嫌なのか?」
「違うわ、恥ずかしいだけよ」
恥ずかしいのは当然だ。
今日初めて会ったばかりの男性と床を共にしようなんてー・・・。
「わかった、俺がソファで眠る」
「待って!!」
王様にそんな事させられない。
「本当に何もしない?」
「キス以上の事はしない」
(キスはするんだ・・・)
半ば呆れながらもそう思った。
「いいわ。一緒にベッドを使おう」
「いいのか?」
リアンは嬉しそうだった。
そんなリアンを見てまぁいいかと真理子は思った。
真理子は疲れていたせいかすぐに眠りについた。
リアンはそんな真理子を抱きしめ、少し冷たい体を温めようとした。
すると真理子は温もりを求め、リアンの体に擦り寄ってきた。
「・・・これは・・・生殺しだな・・・」
リアンも男だ好きな女が傍で甘えてくるような仕草を取れば抱きたくもなる。
その感情を必死に耐え、真理子の冷たい体を温め続けた。
「”魔女の涙”か」
リアンは明日来る魔女が苦手だった。
しかし真理子の為に我慢しようと思った。
真理子には病を治してこの世界に残ってほしいと思っている。
リアンは本気で真理子を愛している。
真理子は元の世界には帰りたがらないだろう。
真理子の両親は、真理子が入院してから一度も見舞いに来ていない。
”木”だた頃、死んでいく我が子の姿を見たくないのかどうかは分からないが真理子が両親から見放されているのは本人から聞いたことだった。
真理子は寂しがってよく自分の所へ泣きに来ていた。
そんな真理子が今は自分の腕の中ですやすやと寝息を立てながら寝ている。
真理子を抱きしめる腕に力を込めてしまった。
「んっ・・・」
苦しそうに真理子は声を上げた。
その事に気付きすぐにリアンは力を緩めた。
「・・・俺も寝るか・・・明日は疲れそうだからな・・・」
リアンは呟き、溜息をつき眠ることにした。
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