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ルークとマオール
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ルークとマオールは古くからの友人だ。
しかし、マオールは今回の事を酷く怒っていた。
国が安定してからでも危険分子を排除するべきだったのだと。
そうすればここまでことは大きくならなかった。
ルークと桃子が公務室にやって来た時、その事を言った。
「そう言えばマオールはずっとそう言っていたな」
マオールは額に青筋を立てながらこう言った。
「なら、どうしてそうしなかったんですか?」
マオールはいきなり剣を抜きルークに斬りかかってきた。
ルークは攻撃をひらりとかわしながら剣を抜いた。
「ルーク!!」
桃子は手をかざし電撃を使おうとした。
「桃子力を使うな、これはこいつの愛情表現みたいなものだ」
その言葉を聞いたマオールは余計に怒った。
「気色の悪いこと言わないでくださいよ。ルーク王」
「まさか、お前も反逆者か?」
桃子は手を出すなと言われたので見守る事しかできない。
「冗談言わないでください。俺が反逆者になればルーク王は孤立しますよ」
「失礼な事を言うな。俺にだって他に信用できる者くらい・・・」
ルークはそこで言葉を切った。
どうやら他に信用できる者はいないらしい。
キィンキィンっと剣をはじく音が響き渡る。
(ルークって本当に強かったんだ・・・)
桃子はこの2人やり取りを見ながらそう思った。
ルークは普段とは別人のような表情で戦っている。
桃子は思わずときめいてしまった。
マオールは恐ろしいことにまるで手加減していない。
王に向かって全力で剣を振っている。
これが2人のコミュニケーションなのだろう。
「今回俺がどんなに大変だったか!」
「俺の補佐役なのだから当然だろう」
キィンっと剣を弾き飛ばしたのはルークの方だった。
マオールは自分の弾き飛ばされた剣を拾いに行った。
そして深い溜息を付きこう言った。
「今回はこれで反逆者騒ぎは終わったように思えますが俺はこれだけでは終わらない気がします」
「・・・というと?」
「何か大事なことを見落としている気がします」
「その何かというのは何だ?」
「俺には分りません」
そうきっぱりマオールは言った。
「そうか」
ルークはそう言うと剣を鞘に戻した。
「ルーク大丈夫?」
桃子はルークへ駆け寄った。
「ああ、これはいつもの事だ。説教されるときには必ずこういう風になる」
桃子は思った。
(もっと穏便な方法で説教したり、忠告したりしようよ)
どうしてこうもこの世界は物騒なのだろうか・・・。
「桃子、今日は一緒に書類の整理を手伝ってくれ。今の説教で大事な書類が吹き飛んでしまった」
床を見ると書類は散乱し、花瓶は割れ、床には傷が入っている。
他の官吏は2人の戦い中に部屋から逃げ出したようで、誰もいなかった。
「もちろん官吏たちも呼び戻し後片付けをさせる」
毎回こんな説教をされていては周りが堪らないだろう。
桃子はこの2人の説教は二度と見たくないと思った。
何故なら心臓に悪いからだ。
どこまで本気で冗談か全く読めない。
ただ、ルークは優しすぎるところがあるからきっとマオールは心配しているだけなのだろう。
桃子はそう思うことにした。
しかし、マオールは今回の事を酷く怒っていた。
国が安定してからでも危険分子を排除するべきだったのだと。
そうすればここまでことは大きくならなかった。
ルークと桃子が公務室にやって来た時、その事を言った。
「そう言えばマオールはずっとそう言っていたな」
マオールは額に青筋を立てながらこう言った。
「なら、どうしてそうしなかったんですか?」
マオールはいきなり剣を抜きルークに斬りかかってきた。
ルークは攻撃をひらりとかわしながら剣を抜いた。
「ルーク!!」
桃子は手をかざし電撃を使おうとした。
「桃子力を使うな、これはこいつの愛情表現みたいなものだ」
その言葉を聞いたマオールは余計に怒った。
「気色の悪いこと言わないでくださいよ。ルーク王」
「まさか、お前も反逆者か?」
桃子は手を出すなと言われたので見守る事しかできない。
「冗談言わないでください。俺が反逆者になればルーク王は孤立しますよ」
「失礼な事を言うな。俺にだって他に信用できる者くらい・・・」
ルークはそこで言葉を切った。
どうやら他に信用できる者はいないらしい。
キィンキィンっと剣をはじく音が響き渡る。
(ルークって本当に強かったんだ・・・)
桃子はこの2人やり取りを見ながらそう思った。
ルークは普段とは別人のような表情で戦っている。
桃子は思わずときめいてしまった。
マオールは恐ろしいことにまるで手加減していない。
王に向かって全力で剣を振っている。
これが2人のコミュニケーションなのだろう。
「今回俺がどんなに大変だったか!」
「俺の補佐役なのだから当然だろう」
キィンっと剣を弾き飛ばしたのはルークの方だった。
マオールは自分の弾き飛ばされた剣を拾いに行った。
そして深い溜息を付きこう言った。
「今回はこれで反逆者騒ぎは終わったように思えますが俺はこれだけでは終わらない気がします」
「・・・というと?」
「何か大事なことを見落としている気がします」
「その何かというのは何だ?」
「俺には分りません」
そうきっぱりマオールは言った。
「そうか」
ルークはそう言うと剣を鞘に戻した。
「ルーク大丈夫?」
桃子はルークへ駆け寄った。
「ああ、これはいつもの事だ。説教されるときには必ずこういう風になる」
桃子は思った。
(もっと穏便な方法で説教したり、忠告したりしようよ)
どうしてこうもこの世界は物騒なのだろうか・・・。
「桃子、今日は一緒に書類の整理を手伝ってくれ。今の説教で大事な書類が吹き飛んでしまった」
床を見ると書類は散乱し、花瓶は割れ、床には傷が入っている。
他の官吏は2人の戦い中に部屋から逃げ出したようで、誰もいなかった。
「もちろん官吏たちも呼び戻し後片付けをさせる」
毎回こんな説教をされていては周りが堪らないだろう。
桃子はこの2人の説教は二度と見たくないと思った。
何故なら心臓に悪いからだ。
どこまで本気で冗談か全く読めない。
ただ、ルークは優しすぎるところがあるからきっとマオールは心配しているだけなのだろう。
桃子はそう思うことにした。
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